
モンゴメリー原作の『赤毛のアン』のなかで、アンはギルバートと初めて会ったとき、彼から「赤毛」になぞって「にんじん」と言われ腹を立てます。
このことを、アンはずっと引きずっていました。「にんじん」と言われたことを根にもってキルバートを無視し続けていました。
何年もたったころ、両者とも成長して若者になりました。ギルバートは青年になりました。乙女になったアンは、彼をすでに許す気持ちにはなっていましたが、過去のギルバートの言葉がひっかかり、どうしても素直になることができませんでした。
ある日、アンが大変困っているときにギルバートが助けてくれ、アンはギルバートと和解する場面がクライマックスになります。
そのときアンは言います。「私はなんてバカだったのだろう。じつは、私はあのときからずっと後悔していたの」。
アンは過去のことにこだわり、素直になれなかった自分を後悔したのでした。
私は、このストーリを想うとき、カウンセリングに重なる点を思います。カウンセリングの一つの効用として、過去のことで「引っかかっていること」や「わだかまり」を引き出し、それを解消することで、心の解放をしていきます。
自分が過去のことで相手にこだわっていても、相手は過去のことは忘れていることが多いものです。とするならば、自分が覚えていて引きずっている過去のことは忘れてしまうほうが、楽に生きられるのではないでしょうか。
三中には、女性の伊藤スクールカウンセラーが、毎週月曜日に出勤しています。カウンセリングは職員玄関入って左側のカウンセリングルーム(相談室)で行います。
ほぼ毎時間予約が入り、タイトなスケジュールにはなっていますが、もし、相談をしたいと思われる保護者の方がおられましたら、学校に連絡して予約をとってください。