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箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

学校では人間関係も学習する

2016年09月05日 11時55分36秒 | 教育・子育てあれこれ


今の子ども、とくに中学生は、付き合う友だちの多い/少ないを気にする傾向が強くあらわれます。

保護者のみなさんが中学生だったとき、友だちとあまり群れず、好んで一人でいる生徒も、なかにはいたのではないでしょうか。

いわゆる「一匹オオカミ」がいましたし、周りもその子を認めていました。

しかし、今の中学生は一人でいることを、極度にこわがる傾向にあります。

つきあう友だちの少ないことは、その人の価値のなさの反映と受けとめられてしまいがちです。または周囲からそのように見られはしないかと気にします。

このような心理面での不安があるので、ツイッターなどのSNSで、友だちを多くもっていることに価値を見いだす子もいます。

「いいね」の承認がほしいですし、自分も友だちからのメールに「いいね」を送ってあげないと申し訳ない気持ちになります。

このような「友だちづきあい」は、学校はケータイが持ち込み禁止なので、学校外で行われます。

ケータイが中学生に普及していなかったひと昔前なら、かりに学校で友だちとのもめごとがあったとしても、家にかえればリセットできました。家庭は、ある意味、学校とは切り離された世界でした。

しかし、いまや、家庭でケータイを使う時間を決めていない場合は、友だちと極端な場合、24時間の「常時接続」のつきあいになります。

家庭へ戻っても、学校生活上のもめごとやなやみごとをずっと引きずることになるのです。

さらに困ったことには、多くの場合、SNSでのメールのやりとりは、短いことばが多く、単語のやりとりになることもあります。

当然、誤解が生まれます。情報が瞬時にグループに行き渡ります。

グループからの友だち外しにエスカレートすることも、実際にあるのです。

ことわっておきますが、私はケータイによるメールのやりとりを否定しているのではありません。

よく考えて、こう書いたら相手はどう思うだろうかと想像などして、よく吟味したメッセージなら、相手に誤解を与えどころか、はげましたり、勇気づけることもできると考えています。

そのことも踏まえた上で、私は友だち同士が、実際に顔をあわせ、話し合うことこそが、コミュニケーションの基本であると思います。

学校は、学習以外に、人とのつきあいかた、人間関係のつくりかたを学ぶ場所でもあるのです。

豊かな人間関係を築き、深めていく学習ができる三中でありたい。そのために、学級や学年の取り組みや活動を充実させていきたいと、考えています。


なお、本日3限に地震対応の避難訓練をおこないました。関連して、訓練後の私の講話を、三中HPの「校長から」のページに載せています。どうぞお読みください。