まつなが畑のはたけ日記

農ある生活をするため奈良御所市金剛山の麓に農地を借りスタート
素人農業の何気もない日々の日記

昨日の続き

2008年08月16日 21時47分03秒 | Weblog
 頭の中と現実は違うもの。

 農薬自体は危険なもので毒劇物に指定されている物も多く資格がなければ売ることが出来ない。もちろん人を死に至らせることもできる。扱いには十分な注意が必要とされる。使用時にはそれを1000倍2000倍と希釈する。
 薬剤それぞれに使用できる作物が決まっている。またその作物に対して防除する害虫、病気が決まっており、それ以外の使用は認められていない。農薬会社も作物や防除病害虫の登録を取るのに費用がかかるため、一薬剤の使用できる幅が狭まってきている。
 農家が使用する時には、その作物の防除病害虫に対して登録のある薬剤を使用する。収穫までの使用回数、使用時期も定められている。

 では何故白菜は収穫まで20回も使用されるのか?

 毎年同じ作物を栽培する多量単品目栽培。今日本の農業はほとんどがこの形態。毎年同じ作物を作り続けると連作障害が起こる。ようは病害虫が増える。農薬無くしては作れない農業形態がある。
 まず、土壌消毒から害虫予防剤、病気予防剤、殺虫剤、殺菌剤と続く。害虫も病気も一種類ではないので何種類か。この時点で最低で5回の使用になる。
 連作を続けると害虫に対して抵抗性が付いてくる。そしてアブラムシに対してA薬剤が効かなくなるとB薬剤を使用する。B薬剤も効かなければC薬剤を使用する。実は一薬剤の使用回数は制限されているが一作物の使用回数は制限されていない。種類を変えれば何回でも使用できる。3薬剤を3回づつ使用して9回プラスされる。アオムシが発生すれば・・・。

 この白菜を一生食べ続けても害が出ない(実際は解らない。一生白菜を食べる人はいないし、10年経てば害があるとして使用禁止になる薬剤も多い。)としても実際作っている農家は食べる気がしないだろう。まともな感性だと思う。これが麻痺すると怖い。

 農薬は現時点では安全だとしても本当のところは誰もわからない。
 食べ物の安全であるか否かは消費者個人が判断することなのである。
 生産者は持っている情報を出来るだけ公開し、消費者側が検知できる材料を多く揃えることが必要だと思う。