これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

日本国憲法 (その4)

2019-05-18 14:45:15 | 自衛隊
 今回も、憲法第9条についてです。私の考えは、侵略戦争には強く!強く!反対しますが、自衛隊を軍隊と規定する事には賛成します。日本は、苦し紛れに”専守防衛”と言う言葉を創作し、70年間も使い続けて来ましたが、もう死語にしませんか!
 第二次世界大戦後に大国間の戦争は起こっていませんから、核兵器は大国間の抑止力になっています。強力な通常兵器は、中小国間の抑止力になっていると、私は考えています。

【憲法第9条に関する私の見方】
 吉田茂は頭の回転の速い方だった様ですから、「憲法憲法第9条は、当面は日本にとって非常に有利な内容だ!」と気付き、大いに利用したのだと思います。憲法草案を作成したマッカーサーのスタッフは、最貧国に近い状況にあった日本を助ける内容にしたつもりでは無かったでしょう!

 戦後すぐに”冷戦”が始まり、朝鮮戦争が勃発するとアメリカは再軍備を要求しました。第9条を盾にして軍事費を抑え、1948年から始まっていたPKOやベトナム戦争への派兵を拒む事が出来たのです。湾岸戦争までの、45年間も第9条を利用して来たのです。

★ 第1次吉田内閣 :1946年5月~ 1947年5月(憲法公布)
★ 第2次~第5次吉田内閣 :1948年10月~ 1954年12月(朝鮮戦争)

【湾岸戦争の反省】
 1990年8月2日、イラクが隣国クウェートに侵攻して、豊富な石油資源を奪ってしまいました。1991年にアメリカを中心に結成された多国籍軍(50万人)がイラク軍を攻撃しました。圧倒的な力の差で、戦争は約40日で終結しました。多国籍軍側の戦死者は、予想よりはるかに少ない、381名だったと報告されています。

 日本は石油を中東から輸入していますから、当然多国籍軍への参加要請が有ったとおもいますが、海部内閣は憲法第9条を盾にして、自衛隊は派遣しませんでした。その代わりに、1990年8月に10億ドル、9月に10億ドル、開戦後に90億ドルと、”みみっちい”出し方で巨額の軍費を提供しまいました。政府がクウェートやクルド人に渡すと説明していた金の、殆どはアメリカに渡していました。その為に、ワシントンポストにクウェートが出した感謝広告に日本は入っていませんでした。(ドイツは入っていました。)

 多国籍軍の総戦費は610億ドルほどで、湾岸諸国が360億ドル、ドイツ70億ドル、日本110億ドル(他に周辺国への経済援助20億ドル)を拠出しました。戦費の20%は、日本が出したのです。

 憲法第9条を盾にして、PKOや多国籍軍への参加を拒む事が出来なくなっている事を政治家達は痛感したと思います。結局、湾岸戦争が終結した後(1991年4月)に、海部内閣は機雷などを除去するために自衛隊をペルシャ湾に派遣しました。(私は、なんと無能な内閣なんだろうと思いました!)

(余談) 韓国は医療部隊(154名)を派遣し、戦闘終結後に空軍の輸送機5機(160名)を追加派遣しました。全員、無事帰還された様です。(盧泰愚大統領の時代でした。)

(海部俊樹氏について) 海部氏は反主流派の三木派に所属し、清廉潔白が売りで、総理になるまでに文部大臣を2回(8カ月+11カ月)経験しただけでした。1988年にリクルート問題が発覚し、その後の参議院選挙で自民党が大敗したために、竹下登が(クリーンだと言われていた彼を)短期間の”中継ぎ投手”のつもりで担ぎ出したのです。海部氏は総理になるとは夢にも思っていなかったでしょう!湾岸戦争への対応に失敗したのは、不適任な彼を総理にした自民党の議員達の責任だと、私は思います。

【日本の経済発展と憲法第9条】
 終戦直後の貧しい時代に、軍事費に国家予算を割く必要が無かったのは、日本の復興にとっては極めて好ましい事だったのです。日本の経済復興は、1950年~52年の朝鮮特需と1966年からのベトナム特需のお蔭と、憲法の第9条を盾にして軍備費を抑える事が出来た事が大きかったと思います。

(余談) 私は、大学で江戸時代の出島における交易を研究されている先生から、日本史を教えて頂きました。4月の講義は、(出島の話しでは無く)終戦直後にどのようにして、外貨を得たのか?がテーマでした。非常に興味深い話しだったので、講義ノートを大切に保管していたのですが、引越を繰り返す内に無くなってしまいました。その為に正確な数値は記載出来ませんが、”パンパン”と呼ばれる女性達が貴重な外貨を稼いでくれたのです。彼女達の貢献については、封印してしまった様で、書籍も見つからないし、インターネットでも記事は見つかりません。

【竹島問題と尖閣諸島問題】
 現在でも、自国の領土を守るためには軍隊が必要不可欠です。竹島問題と尖閣諸島問題を見れば明らかです。

 竹島は一般人が住める環境では有りません。江戸時代には、竹島の周辺で日本と朝鮮半島の漁師が漁業をしていたのです。併合時代は日本の領土でしたが、終戦後直ぐににマッカーサーが日本の漁船が操業して良い範囲(マッカーサー・ライン)を規定しました。マッカーサー・ラインは日本の国境線を決めたものでは有りません。マッカーサー・ラインは少しずつ広げられましたが、竹島は含まれていませんでした。1952年に、李承晩が竹島を内包した李承晩ラインを宣言しました。マッカーサーは認めない趣旨の通告をしましたが、李承晩は、警察官を駐屯させて、今日に至っているわけです。

 尖閣諸島は1895年に日本が沖縄県に編入しました。96年に実業家の古賀家に期限付無償で貸与し、1932年に古賀家に払い下げました。一時期、200名以上が住んでいましたが、1940年に全住民が撤退し、また無人島になりました。1971年以降に中国と台湾が領有権を主張し始めました。尖閣諸島周辺は好漁場の様ですが、中国が尖閣諸島に固守するのは、軍事的な理由だと思います。(面積が4km2ある魚釣島に軍事基地を建設するのが、最大の狙いだと推察します。)自衛隊と日米安保の存在で、日本は尖閣諸島を実効支配出来ているのです。

★ 1945年8月15日 :終戦
★ 1945年9月27日 :マッカーサー・ライン(日本漁業の操業区域)
★ 1945年12月1日 :陸軍省・海軍省廃止。
★ 1952年1月18日 :李承晩ラインを宣言(竹島を韓国領と主張)
★ 1952年2月12日 :アメリカが李承晩ラインの不承認を通告
★ 1952年4月 :韓国が竹島に警察官を駐屯させた。
★ 1952年4月25日 :マッカーサー・ライン廃止
★ 1954年7月 :保安隊→自衛隊

【自衛隊は軍隊か?】
 『自衛隊は専守防衛が任務だから軍隊では無い』と言うのが、歴代内閣の公式見解です。自衛隊の実力は世界の十番以内に入る、強力な軍隊です。幾ら厚顔な政治家や外交官でも海外で『自衛隊は軍隊では無い』とは言えなくなっていると思います。

 正直に申し上げると、私は殆ど自民党に投票したことが有りませんが、国会で自民党の大臣が「自衛隊は軍隊では無い」と言う答弁をされているのを聞くと、何時も気の毒でなりません。こんな苦しい答弁をしなくていい様に、憲法を改正すべきです。(多分他国の人は、「自衛隊は強力な軍隊なのに何を言っているのか?」と不思議に思われて来たとのでは?)

【軍隊は必要と思いますか?】
 堀江貴文氏は、TV番組で「中国が尖閣諸島を欲しいというのなら、戦争するよりは上げた方が良い」、「沖縄もくれと言うのなら、上げたら良い」と言っていました。自衛隊が無かったら、とっくの昔に、中国は尖閣諸島に軍事基地を建設していたと、私は思います。

 軍事的に弱小のウクライナから、ロシアがクリミヤを奪ったのは(つい最近の)2014年の事です。ロシア人が多く住む、ウクライナの東部では、ロシアの支援を受けた独立運動/内戦が続いています。

 日本共産党は昔は軍隊を持つことに反対していましたが、近年は方針を変えて、在日米軍を撤退させ→全ての国と友好関係を築き→軍隊を持つ必要が無い状況にした後に→自衛隊を解散させると主張しています。(夢物語では有りますが、そんな時代が来たらいいですね!)

【兵器の進歩と専守防衛】
 近年の兵器の進歩は目覚ましいです。然し、専守防衛のための兵器が開発されているのでは無く、「如何に遠くの安全な所から、敵を攻撃するか?』が開発の主眼なのです。戦闘機などが搭載するミサイルを例にして、現状を示します。沿岸から約22km沖までが領海で、44㎞までが接続水域、370kmまでが排他的経済水域です。その外が、航行自由な公海です。

 第二次世界大戦では、零戦が機銃で敵の戦闘機と空中戦をしましたが、現在は空対空ミサイルで戦う時代になっています。現在、射程距離が最も長い空対空ミサイルはロシアのKS-172で、400kmも有ります。日本が保有する最長射程距離の空対空ミサイルはAAM-4で、およそ100kmです。

 最近、防衛庁が開発した空対艦ミサイル”ASM-3”の射程距離は200kmも有りますが、この性能では不十分な状況になり、急遽、400kmの開発に着手した様です。射程距離が400km有れば、公海の上空を飛んでいる戦闘機が、敵国の軍港に係留する敵艦を攻撃出来ます。

 アメリカから導入するF35ステルス戦闘機に搭載予定の空対地ミサイル(JSM)の射程距離は300kmと言われています。アメリカ軍の所有するALCM-Bは2,500kmもあります。(自衛隊員の命を守るためには、世界標準以上の射程距離を有するミサイルが必要です。)

【兵器のコストパフォーマンス】
 攻撃用ミサイルの方が迎撃ミサイルよりも、ずっと安いのです。北朝鮮は、日本を攻撃出来る弾道ミサイル(ノドン)を既に150-200発保有していると言われています。

 弾道ミサイル”ノドン”の価格は不明ですが、もっと高性能な巡行ミサイルのトマホークの価格は2億円程です。ノドン対策として自衛隊が2基導入を予定している、イージス・アショアに搭載する迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」は1発30億~40億円もします。1其に8発しか格納できません。2基の総額は6,000億円以すると言われています。(それでも、百発百中とは誰も言っていません。)

 北朝鮮は、更に配備数を増やす恐れがありますが、迎撃システムを拡充するよりも、発射地点を狙って巡行ミサイルを発射する体制を取った方が、ずっと安くなります。

【国連の平和維持活動(PKO)に派兵すべきだと思いますか?】
 内紛の続いている十か国以上に、現在も国連はPKOを派遣しています。私は、状況を熟慮して、自衛隊を派遣したら平和の維持に本当に効果が有ると判断したのなら、派遣に賛成します。戦死の可能性だけでなく、隊員が精神に異常をきたす恐れが有る事も考慮して派遣の有無を決定して欲しいと考えています。

 ”円”と金は、何故か?紛争や問題が起こると高くなりますね!概ね、日本の経済は平和な時は発展します。特に東南アジアの安定が重要です。平和を維持するために、強力な軍隊を派遣する必要があるのは、悲しい現実です!

【国際的なテロへの対策が必要と思いますか?】
 アルカダ、イスラム国(IS)、タリバン等の国際テロ組織が存在し、これらの組織を壊滅させる事は不可能だと思います。彼らは、警備の手薄な国や都市で事件を起こそうとしています。オリンピックと万博が開催されますが、今までの警察は各県から警察官を動員して、開催地の警備を増強しました。私が、国際テロ組織の幹部だったら、手薄になる地方で事件を起こします。

 ビッグイベントの時は、手薄な所が出来ない様に自衛隊の力を借りる必要があります。私が防衛大臣だったら、警備を行う時用に、(若い人達が”カッコイイ”と思う様な)特別の制服と武器を準備します。自衛隊をPRする絶好の機会になります。

(余談) 2010年前後に勤務していた会社での話しです。二十歳代の男性社員が異常なほど兵器が好きで、遠方の自衛隊の公開イベントにも出掛けていました。彼は、時々韓国に行ってピストルの射撃を楽しんでいました。韓国には旅行客でも入れる射撃場が有るようです。日本に武装した過激派集団が誕生したら、彼は参加するのでは?と心配しています。

【同盟国を増やすべきです!】
 21世紀になって、中国が軍事強国になって来ました。日本だけで中国と対陣するのは不可能になっています。アメリカの相対的な力は、年々低下しているので、”世界の警察”の役割を果たすのは難しくなっています。

 日本はアメリカに頼るだけでなく、考え方を共有できる国々と同盟を結ぶべきだと思います。中国には日本が敵でない事を認めてもらい、言うべき事ははっきり言うべきです。中国と対等な友人にはなれません。中国は、今後も経済が発展し、軍備を拡充し、日本との差を広げていくと思われるからです。戦後、長い間、日本はアメリカに”ノー(NO)”と言えませんでした。中国には、慇懃無礼では無く、堂々とした態度で接していくべきです。”ノー”は小声で言うのでは無く、はっきりと”ノー”といいましょう!

(余談) 私の知り合いに、今でも本家と分家の習慣を続けている方がおられます。正月に土産を持って本家に挨拶に行くと、高価な土産を頂くのだそうです。昔は、日本と中国は朝貢外交をしていました。何時、何をどれだけ持ってこいとは強制されませんでした。使節を派遣すると、帰りには沢山土産を頂き、何よりも文明を吸収させて頂きました。将来、中国が超大国になっても、朝貢外交にはならないと思われます。無理難題を要求する様になるかも知れません。


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