従業員が50~60人の会社の話です。創業70年ほどになりますが、ほとんど赤字になった事のない、一見優良企業に見える会社です。
先ずは、この企業の良い点から始めます。従業員の50%程が女性のパート社員で、皆さん黙々と・生き生きと働いている様に見受けられます。
大手電機メーカから、比較的単純な形状の種々の部品が大量に発注されます。パート社員は入社後2~3週間すると担当する部品を決めてもらいます。大手電機メーカは直接担当のパート社員に注文数量、納期を連絡します。(正社員がほとんどタッチする事なく、)パート社員は自分で加工するだけで無く、素材の手配、加工の一部を依頼する協力会社との調整など全て行います。
納期確保が難しくなったら、自主的に深夜まで残業しますので納期が遅れる事はほとんど有りません。責任は重大ですが、何でも自分で決められるので、勤務時間中に無駄話をしている様な光景はほとんど見られません。
パート社員の時給は法定額より少し高く、残業の割り増し賃金もきちっと支払われます。パート社員の定着率は非常に高く、旦那さんの転勤などの理由以外で辞める人は稀でした。
悪い方の話になります。先ずは、社員が「閻魔帳」と呼んでいる社長の手帳の話です。
社員が1~2か月後に辞めさせて下さいと申し出たら、社長がその社員を呼んで手帳を取り出し、「君は〇〇年〇月〇日にミスをしたため会社はこれだけの損害を受けた」と何件も挙げ、損害の合計金額を計算して、給料から差し引くと言い渡します。(ほとんどが、でっち上げです。)
従って、退職を申し込むとその後の給料はほとんど貰え無くなります。長く務めた社員は覚悟していますが、比較的短かった人は、退職後に労基署に訴えたりします。
労基署は経営者の見方をすると思われがちですが、担当官も(人間ですから)見かねて、この会社に年に1~2回注意に来ます。社長は法律なんか何とも思っていない様子で、聞く耳を持っていません。担当官は10分もすると声を荒げます。毎回1時間ほど、社長と担当官は現場でも聞こえるほどの大声で怒鳴りあいます。
社長が勝手に天引きした給料を「支払え」と言う命令は裁判所しか出せません。労基署はどうする事も出来ないのです
次は、正社員を辞めさせる手段についてです。この会社には文書による有給届の制度は有りません。上司に口頭で申請し、口頭で許可をもらいます。現場の正社員が残業すると残業時間を積み立て、暇な時に休みを取らせるのが原則です。 辞めさせたい社員がいると、社長が社員とその上司を呼んで、「君は残業時間が溜まり過ぎているから、休みをとれ」と言い渡し、数日から10日程の休む日を決めます。何日かすると、次のような会話が続く事になります。
社長がその上司に :〇〇を最近見ないが、どうなっている?
上司 :休んでいます。
社長:無断欠勤はけしからん懲戒免職にしろ。
結局、〇〇氏は懲戒免職処分を受ける事になります。
再就職のため〇〇氏はハローワークに行って、懲戒免職処分になった背景を説明する事になります。この会社には過去にも同様の事が有ったため、ハローワークが〇〇氏を疑う事は有りません。
毎回、ハローワークの所長が会社に注意に来ますが、労基署の時と同じで怒鳴りあいが暫く続くだけです。
気に入らない社員を辞めさせる別の方法です。
この会社では自分が使う道具は自前が原則です。パート社員でも、スパナ、ドライバー、レンチ等々、もちろん、作業服、安全靴等も自前です。
大手電機メーカ(顧客)から定年前の社員が1~2名出向していますが、出向者に(嫁入り道具の様に)百万円を超える工具や精密測定工具を持たせるのが常です。数年務めたあと、それらの工具を残して退職するようでした。
◎◎氏は他の方の倍以上の高価な嫁入り道具を持って来られました。真面目な方で、黙々とミス無く仕事をされていました。
1週間~2週間に一度、社長の気の向いた時に朝礼が行われます。辞めさせたい社員がいる時は、毎日朝礼をして、大声でその社員の悪口を、延々とします。数日続けると、大抵は自分から辞めます。◎◎氏の場合もそうでした。
社長は当然、◎◎氏が嫁入り道具を残して辞めると考えていたと思われますが、◎◎氏は何も残さないで辞められました。拍手!
この会社には、とんでもない話がまだまだ沢山有りますが、馬鹿馬鹿しくなって来ましたので、このくらいにしておきます。
先ずは、この企業の良い点から始めます。従業員の50%程が女性のパート社員で、皆さん黙々と・生き生きと働いている様に見受けられます。
大手電機メーカから、比較的単純な形状の種々の部品が大量に発注されます。パート社員は入社後2~3週間すると担当する部品を決めてもらいます。大手電機メーカは直接担当のパート社員に注文数量、納期を連絡します。(正社員がほとんどタッチする事なく、)パート社員は自分で加工するだけで無く、素材の手配、加工の一部を依頼する協力会社との調整など全て行います。
納期確保が難しくなったら、自主的に深夜まで残業しますので納期が遅れる事はほとんど有りません。責任は重大ですが、何でも自分で決められるので、勤務時間中に無駄話をしている様な光景はほとんど見られません。
パート社員の時給は法定額より少し高く、残業の割り増し賃金もきちっと支払われます。パート社員の定着率は非常に高く、旦那さんの転勤などの理由以外で辞める人は稀でした。
悪い方の話になります。先ずは、社員が「閻魔帳」と呼んでいる社長の手帳の話です。
社員が1~2か月後に辞めさせて下さいと申し出たら、社長がその社員を呼んで手帳を取り出し、「君は〇〇年〇月〇日にミスをしたため会社はこれだけの損害を受けた」と何件も挙げ、損害の合計金額を計算して、給料から差し引くと言い渡します。(ほとんどが、でっち上げです。)
従って、退職を申し込むとその後の給料はほとんど貰え無くなります。長く務めた社員は覚悟していますが、比較的短かった人は、退職後に労基署に訴えたりします。
労基署は経営者の見方をすると思われがちですが、担当官も(人間ですから)見かねて、この会社に年に1~2回注意に来ます。社長は法律なんか何とも思っていない様子で、聞く耳を持っていません。担当官は10分もすると声を荒げます。毎回1時間ほど、社長と担当官は現場でも聞こえるほどの大声で怒鳴りあいます。
社長が勝手に天引きした給料を「支払え」と言う命令は裁判所しか出せません。労基署はどうする事も出来ないのです
次は、正社員を辞めさせる手段についてです。この会社には文書による有給届の制度は有りません。上司に口頭で申請し、口頭で許可をもらいます。現場の正社員が残業すると残業時間を積み立て、暇な時に休みを取らせるのが原則です。 辞めさせたい社員がいると、社長が社員とその上司を呼んで、「君は残業時間が溜まり過ぎているから、休みをとれ」と言い渡し、数日から10日程の休む日を決めます。何日かすると、次のような会話が続く事になります。
社長がその上司に :〇〇を最近見ないが、どうなっている?
上司 :休んでいます。
社長:無断欠勤はけしからん懲戒免職にしろ。
結局、〇〇氏は懲戒免職処分を受ける事になります。
再就職のため〇〇氏はハローワークに行って、懲戒免職処分になった背景を説明する事になります。この会社には過去にも同様の事が有ったため、ハローワークが〇〇氏を疑う事は有りません。
毎回、ハローワークの所長が会社に注意に来ますが、労基署の時と同じで怒鳴りあいが暫く続くだけです。
気に入らない社員を辞めさせる別の方法です。
この会社では自分が使う道具は自前が原則です。パート社員でも、スパナ、ドライバー、レンチ等々、もちろん、作業服、安全靴等も自前です。
大手電機メーカ(顧客)から定年前の社員が1~2名出向していますが、出向者に(嫁入り道具の様に)百万円を超える工具や精密測定工具を持たせるのが常です。数年務めたあと、それらの工具を残して退職するようでした。
◎◎氏は他の方の倍以上の高価な嫁入り道具を持って来られました。真面目な方で、黙々とミス無く仕事をされていました。
1週間~2週間に一度、社長の気の向いた時に朝礼が行われます。辞めさせたい社員がいる時は、毎日朝礼をして、大声でその社員の悪口を、延々とします。数日続けると、大抵は自分から辞めます。◎◎氏の場合もそうでした。
社長は当然、◎◎氏が嫁入り道具を残して辞めると考えていたと思われますが、◎◎氏は何も残さないで辞められました。拍手!
この会社には、とんでもない話がまだまだ沢山有りますが、馬鹿馬鹿しくなって来ましたので、このくらいにしておきます。