03/03 頭の体操 (72) 漢字クイズ
『これまでのカタカナ語句』には、
カタカナ部分のみが 各回ごとに載っており、
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『頭の体操 漢字クイズ』 カテゴリーでは、
『問題・解答』の全文が直接ご覧になれます。 こちらは
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12/26 ~ 01/04 に登場した外国語の人名、地名、用語が、
カタカナ表記で (1) ~ (19) に、登場した順に並んでいます。
また、(A) ~ (S) に並んでいるのは、それぞれを漢字で
表記しようとしたものですが、どう読めばいいでしょうか?
(1) テロリスト (2) バリカン (3) ギガ バイト (4) ヴェルヴェット
(5) パイル織物 (6) ヴェロア (7) ベックメサー (8) ビューロー
(9) バイロイト (10) ピンセット (11) トスカニーニ (12) コレクション
(13) ユーロの切手 (14) エキサイト翻訳 (15) マルチ翻訳
(16) オンライン翻訳 (17) アレグレットの曲
(18) アラ ブレーヴェ (19) ナポリタン
(A) 冬露 (B) 馬履環 (C) 増餓人 (D) 減汚空 (E) 屁酌餌
(F) 貧干支 (G) 名複単 (H) 粗無礼屁 (I) 周地本焼
(J) 凝句詩詠 (K) 遊炉軒亭 (L) 馬色異頭 (M) 入檻母呑
(N) 照男一覧 (O) 偽河馬医徒 (P) 父子母兄似
(Q) 駅際徒叛焼 (R) 吾脚冷殿清 (S) 遠雷音本屋苦
[解 き 方]
・ 漢字を読み、主にその音を用いて、原語での発音を表わそうと試みた
ものです。
・ 音読み、訓読みが混ざっています。 必要な場合は、濁点(゛)、
半濁点(゜)、送り仮名を補ってください。
・ 従来のカタカナ表記による読み方とは、必ずしも一致しない場合が
あります。
・ 音ではなく、単語の意味を外国語に置き換え、その発音を用いる
こともあります。 「星 → スター」、「太陽 → サン」のようにです。
今回は3ケ所あります。
・ 口語的、俗語的にくだけた読み方をすることもあります。
(例) 「汚 → きたねぇ」、「社長 → ボス」。
今回はありません。
・ 漢文もどきに、順番を入れ替えて読む場合もあります。
(例) 「不読 → よまず、よまん、よまない」。
今回はありません。
・ 人名漢字の中には、“姓”、”名” ともに含まれている場合もあります。
姓に加えて "first name" をご自分で補ってください。
(例) 「ヨーゼフ・シュトラウス」。
今回はありません。
・ 音や意味とは無関係で、漢字から連想しないと解けないものも!
今回はありません。
・ 厳密に見るといい加減なものもありますが、そこは冗談の世界。
お見逃しくださいませ。
解答
↓
以下、「12/26 頭の体操 (65) 漢字クイズ/解答」より
(1) テロリスト (N) 照男一覧
こんなリストはごめんですね。 今の日本では、それほど
差し迫った脅威は感じられませんが、それが却って恐ろしい
世の中です。
"照れる男" のリストなら、ここにありますよ。 ほら、真っ先
に書いてあるのが、私の名前です。 信じてね…?
(2) バリカン (B) 馬履環
床屋さんへ行くとお世話になる、このバリカン、名前の
由来は?
上記のサイトには、「日本に初めて持ち込まれた物が、
フランスの Barriquand et Marre (バリカン・エ・マール製作所)
製だったから」…とあります。
知らなかった。 調べ上げた金田一京助博士も凄い
ですね。 もっとも、「調査はお手の物」なのかな?
私の幼少時は、ちょうど "電気バリカン" が使われ始めた
頃でした。 でも刈るスピードが速すぎるのか、床屋さんが
扱い慣れなかったのか、何度も "虎刈り" にされて家へ帰り
ました。 母親がそれを見て憤慨。 私はまた一緒に連れて
行かれて、床屋に文句を言う母を眺めていました。
最近では、家庭用バリカンを自分で使っています。 でも
気を付けないと、また馬乗りじゃない、虎刈りに…。
ところで、"とらがり" と打ち込んでも、文字がちゃんと変換
されません。 出るのは "虎狩り" だけ。
今や "虎刈り" より一般的なのかな?
(3) ギガ バイト (O) 偽河馬医徒
ギガは、ご存じのとおり 10億。 自分には縁が無いと思って
いましたが、ハードディスクの普及と共に、"テラ (一兆) バイト"
なる単位も目にします。
さらに上には、"ヨタ" なんてのがあるんですね! 単位の
"じょ" は、京 (けい)、垓 (がい) の上で、見たこともない漢字です。
でも自分にはこのヨタ、ぴったりなようです。 いつもヨタヨタ
してますから。 飲み過ぎじゃないよ。
ところでこの "じょ" ですが、もう漢字は見たくもありません。
なぜなら、この項目(3) の作成に当り、一旦は漢字の方を
入力しました。 コピペで。 ところが、ちゃんと保存された
はずの下書きが、すべて跡かたも無く消えているのです、
数時間後に開いてみたら! それも、ちょうどこの漢字の箇所
から、以下が全部です…。 そんなことが二回もありました。
これ、なぜ? お蔭で何時間も無駄をしてしまいました。
喪失感と無力感で、もうオタオタするばかり…。
(4) ヴェルヴェット (C) 増餓人
まるチャン? 「一日の食事を5回にしてくれ」って言うけどね、
ここんところ食品の価格が暴騰してるんだ。 電気も、ガスも、
石油も。 それに世界中にはね、飢えで苦しむ人が10億人
以上いる。 僕だって外食は減らしてるし、一日2食のこと
だってあるよ。 先日なんか、「低血糖ですね、昔で言えば
栄養失調ですよ」…なんて医者に言われちゃったよ。
だからね…?
…聴いてない…。 寝てるの? さてはタヌキ寝入りだな。
同じイヌ科の動物だけに、さすがだね。 大したもんだ…。
(5) パイル織物 (M) 入檻母呑
これ、もし収監されるときの状況だったらエライこと
です。 どういうわけか母親が連れて来られ、一升瓶
を片手に…。
"Neglect" なる英語が、虐待や育児放棄の意味で
用いられる現状には、何とも言葉がありません。
もちろんキチン ドリンカーも褒められたものでは
ありませんが…。
(6) ヴェロア (D) 減汚空
[地球温暖化教室]のサイト中、[大気汚染]ページに
は、「以下を心がけることが大気汚染の防止につながる」
と書かれています。
省エネ。 待機電力の削減。 節水。 資源回収。
ゴミの減量。 適正温度(冷暖房)の設定。
私に解りにくいのは、このうち節水。 「それに伴う
エネルギー消費が減る」ということなのでしょうか。
我が家でも利用している、水道の浄水器。 使い始めて
最初の感想は、「使うのと同量の水が無駄になるな…」
でした。 アルカリイオン水を作ろうとすると、酸性水も
出来てしまう。
「これじゃ水の無駄になる」と感じてしまった私。 その
酸性水を、捨てずにペットボトルに溜め、トイレなどで使う
ようにしています。 お蔭で家じゅう、ボトルがごろごろ…。
「それじゃ行き過ぎ…。 で、水道代、どのぐらい減った
の?」…と家族には呆れられていますが、はて…。
「無駄な水が出来ても止むを得ない」…なる発想のまま
製品化してしまう、メーカーが悪い… (負け惜しみ)。
(7) ベックメサー (E) 屁酌餌
楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』に登場する
憎まれ役です。 おまけにこんな当て字表記まで被って
しまいました。
この字句をアップした翌日のこと、メトから打診がありました。
「最近は新演出のネタが尽きたので、ぜひ採用させてほしい」
というのです。
「よかったら、晩酌のシーンを設け、エキストラの酔っ払い役
で登場させてやる」とまで言われたのですが、丁重にお断り
いたしました。
「それだけは止めてよ、ボク、恥ずかしいワン…」と懇願
されたので。 ウチのまるチャンに。
一緒に出演させてやろうと思ったのに…。
(8) ビューロー (A) 冬露
現代に繋がる指揮者の元祖的存在です。 周辺に登場
する大音楽家たちを見れば、それだけで当時の音楽史が
一望できるほど。
逸話の一つに、「ベートーヴェンの第九を演奏した際には、
全曲をもう一度繰り返し、聴衆が途中で逃げ出せないように、
会場の扉に鍵を掛けさせた…」とあります。
凄い! やるな…。 そこで私のささやかな疑問…。
楽団員は、演奏料の割増にありつけたのかな? それとも…。
合唱団員は? ソリストはダブルキャスト? それとも…。
トイレに行きたくなった聴衆は、ちゃんと出して
もらえたのかな? それとも…。
もしトスカニーニが指揮していて、それで…。
止めましょうね…。
「12/26 頭の体操 (65) 漢字クイズ/解答」に
関連クイズがあります → (26)
(9) バイロイト (L) 馬色異頭
『日光を見ずして結構と言うな』なる諺。 もちろん徳川家康を
祀った、東照宮の豪華さを指します。
作曲家の聖地と言われるこの地。 日本からの "観光" ツァー
もすでに有名です。 『バイロイト詣でをせずしてワグネリアンと
自称するなかれ』…といったところでしょうか。 私は行ったことが
ありませんが。
(10) ピンセット (F) 貧干支
『貧すれば鈍す』と言います。 「貧しいと判断力が低下する」
ということらしい。 広い意味で。
しかし、貧しい人々や病んだ人々を生涯愛し、助け続けた
マザー テレサを見ると、それはほんの一面に過ぎないこと
が解ります。
以下は彼女が残した金言からで、"貧しい人" に関する
ものです。
「私の白いサリーは、貧しい人のなかで私も貧しい人の一人だ
というしるし、私の身なりも生活も、病に倒れた人や、骨ばかりの
子供とひとつになるための糧。」
「この世で最大の不幸は、戦争や貧困などではありません。 人
から見放され、「自分は誰からも必要とされていない」と感じること
なのです。」
「もし、貧しい人びとが飢え死にするとしたら、それは神がその人
たちを愛していないからではなく、あなたが、そして私が、その人
たちにパンを、服を、そして愛を、思いやりをあたえなかったから
なのです。」
「貧しい人の中で最も貧しい者は、自由で、幸福です。 この
人々にとって、"多くのことを常に欲し、望む人々" のことは何
でもありません。 第三世界の貧しい人は、私たちに、満ち
足りるということが、どういうことかを教えてくれます。 これは
西欧の人々が忘れているものです。」
「たくさんのものが必要なわけではありません。 ただ、微笑み
かけてあげるだけでいいのです。 だれもが微笑むようになれば、
世界はもっと素晴らしい場所になるでしょう。」
「大切なのは、どれだけたくさんのことをしたかではなく、
どれだけ心をこめたかです。」
「清貧の精神を保持することは、きわめて重要です。」
(11) トスカニーニ (P) 父子母兄似
ビューロー、トスカニーニと、驚異的な暗譜力を誇る大指揮
者が続きました。 他にそんな例は?
現代で言えばマゼールでしょうか。 初来日の『ローエン
グリン』では譜面をめくっていましたが。 何しろ、「暇なとき
には電話帳をパラパラ、片っ端から覚えて時間を潰した」…
と語っているぐらいですから。
自分の携帯番号さえ "うろ覚え" の私は、一体どうしたら
いいの…? まるチャン。
確か、最初は "まる、ハチ、まる" で、いいんだよな…。
(12) コレクション (J) 凝句詩詠
かと言って、詩を吟じ、句を唱える才覚も持ち合わせていません。
心配した同僚からは、「何か老後の楽しみがあるといいね?
音楽以外に。」…などと言われていますが、さて、どうしたもの
でしょう? 何しろ、音楽さえ、"極める" と言う境地にはほど
遠い状態ですから。
(13) ユーロの切手 (K) 遊炉軒亭
いっそのこと開放的になり、夜は出歩くといいのでしょうか?
贅沢にならない程度に。 もともとグルメじゃないから。
でも今度は、「老後の蓄えがあるといいね?」…って、言われ
そうだな…。 要するに、結局のところ "現状維持" です。
もうすでに "老後" に入ってるからね…。 "老境" なら、まだ
いいんだけど。
(14) エキサイト翻訳 (Q) 駅際徒叛焼
「デモ → (暴徒化 → 焼き打ち →) 治安部隊の無差別発砲」
…なるニュースが、世界を駆け巡っています。 どうか平安に
…と願うのみですが、興奮すると抑制が利かなくなるのが人間。
自分がその場に置かれたら、冷静でいられる自信がありません。
かつて私の学生時代ですが、新宿駅騒乱事件なるものが
ありました。 「デモ隊が駅構内に乱入、電車のシートに放火、
南口は炎上…」なる語句が並び、当時の新聞、テレビの報道
を思い出します。
"反戦運動" と "自らが暴徒化" との間には、えらい違いが
あります…。
(15) マルチ翻訳 (I) 周地本焼
こちらは権力による抹殺です。 憂き目を見たのは、人間
のみならず、様々な書物。 自分たちに都合の悪いものを
焼き払ってしまうのですから。
古くは焚 (ふん) 書坑儒、ガリレオの地動説、NAZISによる
ユダヤ人弾圧。 これにはメンデルスゾーンの作品まで巻き
込まれました。
言論、思想統制の厳しい国々は、私たちのすぐ傍にも…。
(16) オンライン翻訳 (S) 遠雷音本屋苦
今度は、インターネット書籍の販路拡大が本屋さんに及ぼす
影響です。
…などと言いながら、自分も楽譜をダウンロードしています。
もちろん版権切れのものを集めたサイトからですが。 楽譜屋
さん、ごめんなさい…。
(17) アレグレットの曲 (R) 吾脚冷殿清
"Allegretto" の速度表示を見て、"速い" と感じるか、それとも
"抑制" を先に感じるか? この場でも何度か問題にしてきました。
ヴァーグナによって "不滅のアレグレット" と呼ばれたのは、
あの Beethoven の第7交響曲の第Ⅱ楽章。
「老人が歩いて来て近づき、また去っていく。 私にはその
光景を振り払うことが出来ない。」 こう述べたのは大指揮者
フルトヴェングラー。
あの「ター、タタ、ターッ、ターッ」という、単調ながら独特の
リズム。 この楽章を常に支配していると言ってもいいでしょう。
確かに、これが駆け足のようになってはまずい…。
関連記事 『まだ見ぬ後継者』
楽章の冒頭と最後に聞かれる、あのイ短調の和音の塊。
私には "墓標の叫び" のように聞えます。
(18) アラ ブレーヴェ (H) 粗無礼屁
「イタリア語の "alla breve"。 かつては 4/2拍子を指し、
現代では 2/2拍子のこと。」…と、どこにも書いてあります。
でもなぜ、そうなったの? "Breve" は "短い" だけど、
"alla lunga" は無いの?
ラテン語で "brevis"、"longa" という音符が、確かに存在
していました。 400年ほど前までは。
かつて音符は、現在とは違う記譜法で書かれていました。
"Brevis" () もその一つで、黒 (くろ) 音符記譜法 (1200~
1450年頃) で用いられたものです。 白 (しろ) 音符記譜法
の時代 (1450~1600年頃) になると、これは中抜きの白い
長方形 () で書かれるようになりました。
"Brevis" は現在の "二全音符" () に相当しますが、
今では古い作品で見られるだけです。 積極的に用いられ
ることはありません。 ちょうど全音符 () の二倍の長さ
なので、2分音符 () 4個分に相当しますね。 それで
"alla breve" が、古くは 4/2拍子を指していたのです。
しかし "長い brevis" が徐々に使われなくなると、全音符
が最長の音符となり、"alla breve" は 2/2拍子を指すよう
になったと考えられます。
音符たちの形はこのような変遷を辿りましたが、休符の
方はほとんど形を変えていません。 1000年近くも。
これらが解り易く描かれているのが、[Flos Musicae]
の中のページ、[音符と休符]です。
「16分休符 () は、なぜ現在のような形なのか?」
「フランス製の印刷譜で、4分休符 () は、なぜ
8分休符 () の裏返しなのか?」
これらが一目瞭然の、素晴らしいサイトですね。
上記はいずれも五線譜で書かれていますが、古い
時代のものは、実際はほとんどが4線譜です。
なお "fusa" () は "紡錘" のことだそうです。
またサン=サーンスの交響曲第3番では、最後に 3/1 と
いう珍しい拍子が登場し、1小節内に全音符 () が3個、
全休符 () も3個、見られます。 キリスト教文化における
完全数 (3) を思わせ、オルガンの使用と相まって、独特の
色彩を放つ曲です。 全音符 (whole notes) の "全" は、
"完全" に通ずるのでしょう。
手短に書こうと思ったのに、"alla lunga" になっちゃった…。
ところで、****、食べたくなったな。 黒蜜、かけて…。
(19) ナポリタン (G) 名複単
硬い話が終ると、思い浮かぶのはスパゲティ。
これ、複数形で、単数形は "spaghetto"。 「食べるのが一本
だけなら、やはり単数形です」…と、いつかラジオ講座の先生が
大真面目に言ってました。 でも、まさかね…。
"Al dente" は、ご存じ "歯ごたえのある"。 ほどよい硬さを
表わしますが、地域によっても差があるそうです。
また硬くなりましたね、話が。 何でも "ほどよく柔らかい" の
がよろしいようで…。
お疲れさまでした。