MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

年齢計算しか能が無い…

2010-12-21 00:00:00 | 私の室内楽仲間たち

12/21 私の音楽仲間 (242) ~ 私の室内楽仲間たち (216)



           年齢計算しか能が無い…



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               行列の出来るモティーフ




 Beethoven の初期の作品の中に、弦楽四重奏曲 ニ長調
(Op.18-3)
があります。



 この "作品18" は、いずれも1798年から1800年にかけて
書かれたといいますから、作曲者の28~30歳の年に当たり、
1801年に出版されています。

 この 18-3 は、6曲の中では最初に作られています。 上記
の解説サイトには、「のどかな曲想を持ち、ごく古典的である」
と記されています。



 確かに 「雰囲気は古典的」かもしれませんが、実は様々な
創意工夫の跡が見られます。

 この点については、また改めて、ご一緒に見てみましょう。




     [音源ページ ]  [音源ページ




 さて、この日のメンバーは以下の四人でした。

 Violin は私、Uさん、Viola が I さん、チェロ Mさんです。



 そして、この曲をリクエストしたのは、「Uさんか Mさん
ではないか?」 そう私は想像しています。



 いや、ひょっとすると、四人のうちの "誰でもない!"
かもしれないのです。




 実はこの曲の当初のメンバーは、この四人ではあり
ませんでした。 Viola はSさんのはずだったのです。

 ところが数日前に体調を崩され、参加不能になって
しまいました…。

 Sさん。 もう回復されたでしょうか…?



 お世話係のSaさんが懸命に連絡を取りました。 そこで急遽
ピンチを救ってくれたのが、I さんだったというわけです。

 I さん、この日の前後はかなり多忙だったはずなので、曲の
練習や研究は満足に出来なかったはずです。




 ところが I さん、豊かなアンサンブル経験をお持ちなのが
幸いしてか、代役だと言うのに、まったく危なげ無くこなして
くれました!

 お蔭で、助かったのは私たち三人です。 ひょっとして
I さん、この曲は何度か弾いておられるのでしょうか?



 尋ねてみると、「いや、初めてです。 これで "作品18" を
全部弾いたことになります!」というお返事でした。 すごい!



 私は Violin のUさんにも、同じ質問をしてみました。

 この曲は以前にも…?

 「ええ、何度か!」



 …そうですか…。




 "私自身は?" と言えば、今回は "1.5回目" になります。

 正確に言えば2回目ですが…。



 ところが前回のときは、パートは Viola でした。 それも
数えてみると "37年前" になります。 曲全体の記憶も、
ほとんどありません。

 お恥ずかしい限りですね…。




 そこで自分の年齢を逆算してみると…。 ちょうど、この
"大天才" の作曲当時の年齢と、そう変わりません。



 では「私自身は今、何歳か?」と言うと…。

 (28~30) + 37 ± 10 } 歳になります。



 …これじゃ、解らないでしょ? 全然。 ハハハ…。




 元より、大天才と年齢を比べようなんて、もっての外。 それは
もちろん、「自分の至らなさを思い起こすため」に他なりません。



 それでは Beethoven は、"弦楽四重奏曲の処女作" とも言える
この作品に、どのような創意工夫を凝らしているのでしょうか?



  (続く)