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MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

頭の体操 (81) 漢字クイズ 問題/解答 より

2011-07-13 00:00:01 | 音楽演奏・体の運動

07/13    頭の体操 (81) 漢字クイズ



 これまでの音楽演奏・体の運動』目録 です。




(4) アゴーギク  (L) 悪語訊苦



 「テンポの変化による音楽表現」、「テンポやリズムを意図的
に変化させる」…とありますが、実際に行うには、細心の注意
が必要です。



 まず、ピアノの独奏曲ならばいざ知らず、演奏者の人数が多く
なるにつれて、行なうのは困難になります。

 したがって、オーケストラを前に指揮者がこれを断行する際に
は、種々の障碍をクリアせねばなりません。 「口で伝えて楽員
に頼む」だけでは不充分。 自分の動作、作品に対する共感と
熱意、自己の音楽作りに対する周囲の信頼、そして自然である
こと。

 "自分のクセ"、「テンポ感覚が悪い」ために起こっていないか
どうか? これを厳格に吟味する必要があります。 演奏者は
まず、正確な "in tempo" (一定のテンポをキープする) 能力を
備えていなければなりません。 それが "意図的に変化させる"
と書かれている理由でしょう。



 いつも室内楽をやっていて思うのですが、「喋るのは、出来る
だけ少ない方がいい。」 もちろん、仲間に注意を喚起し、提言
する際には言葉が必要ですが、それも最低限で済むに越した
ことは無い。 自分の反省です。 「ただ一緒に弾いているだけ
で解ってもらえる。 無言のうちに…。」 そんなことは、果して
可能なのでしょうか。

 そうなると、まず「自分の音のみでどれだけ表現できるか」…
が重要になってきます。 全員で、"In tempo" や正確なリズム
を目指すにせよ、テンポを微妙に動かすにせよ、また、強弱や
音量バランスに注意を促すにせよ。

 音を出さない指揮者も、基本的には同じ。 「居てくれるとやり
やすい」、「一緒に音楽をやりたい」…と思わせる存在かどうか。



 また一部の演奏者は、テンポの変化を「自分の売り物にして
いる」嫌いがあります。 大事なのは、「作品の内容を伝えるの
に、それが相応しいかどうか」です。 やるならば、その効果を
厳密に判断しなければなりません。

 たとえば、「クレシェンドと一緒にアッチェレランドをする」…と
します。 興奮の度合いや、切迫感を高めるために。

 でも聴く側からすると、それが「演奏者の、人間の器の小ささ
を感じさせる」ことにもなりかねません。 「あっ、また "クセ" と
"売り物" だな…」と思われたら、もはや説得力など持ちません
から。

 たとえば、長大な Bruckner の交響曲。 部分的な効果しか
感じさせないようなアッチェレランドだけに頼っていては、作品
全体の持つ大きな "うねり" は表現できないでしょう。

 また Mahler の交響曲では、作品自体の中に "速い部分" と
"遅い部分" とが、作曲者によって、すでに細かく描き分けられ
ています。 真に共感が得られるような演奏をするためには、
それぞれの部分を "一貫したリズム、テンポ" で演奏できる
"技術" を備えていなければなりません。 「それをどう生かす
か」…は選択の問題ですが。



 "悪語訊苦" とは、まず一旦距離を置くことをお薦めします。
正確な "in tempo"ユニヴァーサル (普遍的) な美しさ
繰り返し体験して身に付け、それでも「作品が必要としている」
…と、内面から感じられるようになるまでは。




頭の体操 (71) 漢字クイズ 問題/解答 より

2011-02-20 00:00:01 | 音楽演奏・体の運動

02/20    頭の体操 (71) 漢字クイズ



 これまでの音楽演奏・体の運動』目録 です。




(1) コンパクト  (B) 困拍人

 はっきりしているのは、私が "金薄人" だということ。
いや、"金薄人" かな…? "婚迫人" ではありませんよ。

 アンサンブルでは、「足で拍子を取ってはいけない!」
よく指摘される注意です。

 困るのは、相手の足のリズムがずれている場合。 "僅か"
ならまだしも、ズレが一目瞭然のときには…。

 なぜって、悲惨な未来を簡単に予知できるからです。

 私にも。 このときばかりは。




(2) エグモント  (S) 絵具問答

 そんなときは、やんわり指摘してあげながら、その場を乗り
切りましょうね。 決して喧嘩を吹っ掛けないように…。



 昔オケに居た頃のこと。 隣りで弾いていた仲間が「明らか
に遅い。」 なのに、昼食の休憩時間に、逆に絡まれたことが
あります。

 時には、「わざわざ弓先で弾かなくたっていいでしょ!」
(でも、君の弓先と、僕の弓先は、違うんだよ、感覚が…。 相手は、さる
著名な Viola奏者でした。)


 吊るし上げに遭い、咬み疲れるのは日常茶飯事でした。
私も明らかに悪い事を、たくさんしていたけど…。

 それなのに、私の楽器ケースにはいつしか、プラスチックの
小札が貼られてしまいました。 これ、今もそのまま、剥がさず
にいます。



     



 こちらから咬みついたことは無いんですけどね…。

 ただの一度も。 では、なぜ??

 "絵問答" になるから、止めましょうね。 一つ言えるのは、
自分がまったく至らなかったことです。




(7) アレグロ  (Q) 悪例愚路

 この場でも散々書いた、Allegro、Vivace と、Presto の違い。
テンポはどうしても速い方へ、速い方へと行きがちです。

 自分で自分の首を絞めるばかりか、付き合ってくれている
アンサンブル仲間は、いい迷惑です。

 もっと困るのが、指揮者の場合。 2/2拍子を、「1、2…」と
振るだけでいい。 その間にオケの演奏者は、音符を8個も、
時には16個も正確に入れなければならない。 もちろん正しい
音程で。 「文句言うんなら、お前、代わりにやってみろ!」と
言いたくなる。

 さらに困るのは、悪意のある指揮者。 わざと速くしたり、
難しい箇所を選んで、パートごとにしごく。 それも、音楽的
にあまり意味の無いような箇所を挙げつらって。

 こうなると恐怖政治と同じです。 中には、アマチュアの学生
相手にこれをやるのまで居る。 堪ったものではありません。

 いい指揮者はそんなことはしません。 限られた時間内で、
最大の効果を上げるように工夫し、練習箇所や練習方法を
厳選して臨むから。

 学生さんたちはアマチュア。 相手は年上。 言う事を聞か
ないと、今後の運営にも差し障る。

 よほど団結して英断に踏み切らないと、悪例愚路は打破
できません。

 "悪霊愚弄" だね?




(13) ブラック ユーモア  (T) 符落君以上

 オケの弦楽器パートを、並んで弾く仲間同士の話。

 「ごめんな、俺、音程、悪くて。」

 「いや…。」

 「音、外すと、すぐ全体の音程が濁るだろ? 自分でも
解ってるんだけどさ。」

 「気にすんなよ…。」

 「しかし、君と並んで弾いていると、"音が濁った" 経験が
無いな…。 どうしたら、そんなに音程、良くなるんだよ?」

 「……、…。」

 「ひょっとして、音、出してねーな? おメェ。」



 昔々ある学生オケの合宿で、Violaパートの練習に付き合った
時のこと。 "謙虚" な性格の方ばかり、居るパート。

 練習場所としてあてがわれた部屋名が、"カスミ"。 よく出来た
偶然でした (霞み)




(15) マイン河  (G) 磨音変

 音を磨いて綺麗にする努力は、素晴らしいこと。

 でも、努力すればするほど解らなくなったり、以前は出来た
事が出来なくなったりします。 "音質が綺麗になった" ような
気がしても、音量が出なくなったりします。 「あちら立てれば
こちら立たず…」です。

 音には、他にも色々な尺度があります。 長短、軽重、輝き…。
まるで連立方程式のよう。 そうやって要素を増やしていくと、
一見複雑です。

 しかし実際には、却って全体像が把握しやすくなることも。
それらすべての根本に横たわる原則自体は、意外と単純
だから。

 根本原理に迫る、一つのアプローチです。

 


頭の体操 (70) 漢字クイズ 問題/解答 より

2011-02-13 00:00:01 | 音楽演奏・体の運動

02/13    頭の体操 (70) 漢字クイズ



 これまでの音楽演奏・体の運動』目録 です。




(8) ソリスティック  (D) 反杖

 Violin など、弦楽器の弓は長年使っていると、曲がって
しまうことがあります。 弓の毛を張ったままケースに入れ
るのは危険です。 また、注意していても曲がることが。

 一旦反ってしまった弓は、ソリスト向きでないどころか、
弾きにくくてどうしようもありません。 "独的" な音は
出るかもしれませんが。

 ただしその名の如く、どんな弓でも、有る程度のカーブ
が最初からあります。 元々反っているからこそ、毛を
引っ張ることが出来る。

 重さが必要なのも、実は張力が欲しいから。 重量と
いうより、むしろ質量と考えた方がいい。

 要は"効率"。 技術も道具も同じようです。




(28) ロウ ポジション  (X) 流追呆耳処無

 楽器演奏の用語、"lower positions"。 "ハイ" か "ロウ"
か、どっちかだけなら、まだ易しい。

 それぞれの位置における、運動の効率。 運動の無駄が
少なく、移動距離も最短で済むような構え方。 身体に易しい。

 …それらが、私の場合はキー ワードです。 もちろん音を
聴きながらですが、同時に感覚の "差" を比較し、考えるの
が、これまでも重要な作業でした。

 楽器を弾いている時間よりも、その感覚を思い出し、「なぜ
そうなったのか」、「どうしたら、より楽になるのか」…を考えて
いる時間の方が、むしろ長い。 ほとんど寝床の中ですが…。
私の場合、"たださらう" ような時間的余裕は、もう無い…。




頭の体操 (66) 漢字クイズ 問題/解答 より

2011-01-06 00:00:01 | 音楽演奏・体の運動

01/06    頭の体操 (66) 漢字クイズ



 これまでの音楽演奏・体の運動』目録 です。




(8) ヘアゴム  (F) 減顎無

 これ、私が Violin などを弾く際には欠かせない品です。

 きっと驚かれるでしょうね? 私も、数年前までは想定
もしていませんでしたから。

 「いつか」…と思いながらも、詳細をこの場でご披露する
勇気が、なかなか湧きません。

 とにかく試行錯誤の毎日。 "減顎無"、いや、顎当ての
無い状態が何年か続いています。

 今にカオナシになっちゃうのかな…。




頭の体操 (63) 漢字クイズ 問題/解答 より

2010-12-06 00:00:01 | 音楽演奏・体の運動

12/06    頭の体操 (63) 漢字クイズ



 これまでの音楽演奏・体の運動』目録 です。




(28) ハイ ポジション  (b) 八一歩似四四

 この言葉、私たちは主に、「弦を押さえて高い音を取る」
意味で用います。 弦を押さえない "開放弦" は、その
弦の最も低い音が出るので、手指がその位置にあると
"ロウ ポジション" ということになります。

 あちらでは、"higher positions"、"lower positions" になる
のでしょう。



 Violin などでは、「ハイ ポジションの方が難しい」と、一般
的には言われます。

 もちろん、「高い音程を取るのが易しい」とは言いません
が、だからと言って「ロウ ポジションが易しい」とも、決して
思いません。 左手が、最も遠くにあるからです。

 初心者用の教則本では、"ロウ ポジション" からスタート
するようですが。 "当然のこと" として。

 「左手が遠くにあるのと、近くにあるのとでは、何が違って
くるのか…?」 これ、考えてみると、非常に重大な問題を
含んでいるように思うのですが…。