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大阪府新知事、橋下徹氏に垣間見えた“ポピュリズム”の芽 2008/1/29

2008年01月29日 22時57分14秒 | Weblog
橋下徹氏が約183万票を獲得して圧勝した大阪府知事選。私は自公VS民主という組織戦を想定して接戦になるだろうと予測し記事も書いた。だが、結果は違った。タレント候補を当選させる大阪のおよそ100万票といわれる「お笑い票」が実は健在で橋下氏が票をかっさらった形だ。あやふやな論評をしてしまいお詫びしたい。

 その上で橋下氏に垣間見える「ポピュリズム」の芽について触れておきたい。朝日新聞によると浮動票ともいえる「無党派層」の半数が橋下氏に投票していた。「大衆」の支持を見事に獲得したわけだが、それは橋下氏が選挙戦で展開したまさにポピュリズムを地でいくような演説内容、態度が功を奏したのではないだろうか。

 選挙期間中の1月12日、大阪市内でも若者が多数行き交う北区梅田の富国生命ビル前での演説は若者層の心を強く揺さぶるような演説だった。「みなさんのことを君たちと言ってしまうかもしれない」。そう切り出した演説では「歴史を変えるのは君たち」「歴史が変わる立会人になろう」などと繰り返し、新知事誕生に歴史的な意味合いを持たせた。そして「もう僕らの世代なんです」と絶叫すると若者たちの中には手を突き上げて「ウォー」というような声を発する人がいた。

 同19日の昼、吹田市での演説はマニフェストの主要政策に掲げた子育て世代に対する内容に変わっていた。おりから近くの会館でPTAの集会が開かれた直後で、その帰途に演説をぶつけた形だ。自らの生い立ちを語りながら子どもの成長の大切さを訴えた。中心話題は教育問題。入試教育について公立学校でのサポートをぶちあげお母さん方に訴えた。演説後、多くの若いお母さんと子どもたちが握手を求めていた。

 選挙戦終盤の25日、JR高槻駅前は演説10分前になってもまばらだった聴衆が開始直前になると歩道橋の上まで人があふれていた。知名度で勝ったことは否定している橋下氏だが、その知名度の高さをここでも見せつけた。「府職員をけちらす」と右足を高く上げる仕草は聴衆を鼓舞するかのようなアクションだった。

 ポピュリズムは必ずしも批判的な意味合いだけで用いられるわけではないだろう。それが間違ったナショナリズムや強権政治につながっていく場合に警戒されなければならない。民主党の鳩山由紀夫幹事長は、熊谷貞俊氏を府知事候補として紹介した先月の政治資金パーティーで「ポピュリズムに大阪府を任せるのではなく、知性に大阪府を任せようではないか」と話して橋下氏をけん制した。熊谷氏も選挙演説の中で橋下氏の大阪を笑顔にするという主張について、「朝から晩まで笑っていていいのか」と批判的にとらえた。

 そうした主張は府の有権者の隅々までは行き渡らなかった。当選後に寝る間を惜しんで在阪の民放テレビ局に相次いで出演した橋下氏は「マスコミにはどんどん批判してもらいたい。徹底した情報公開で府民にもチェックしてもらいたい」という内容を繰り返した。地方自治体の首長には強大な「権力」が集中する。これまでの発言の内容を遵守して、権力を悪い意味でのポピュリズムに用いないよう、まもなく就任する新知事には強く望みたい。


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