マリヤンカ mariyanka

日常のつれづれ、身の回りの自然や風景写真。音楽や映画や読書日記。手づくり作品の展示など。

「さき」と「あと」

2022-06-13 | book

『世界の辺境とハードボイルド室町時代』

高野秀行×清水克行(対談)著

集英社2015年

第2章「未来に向かってバックせよ」に

こんなことが書いてありました。

 

昔は、過去のことを「さき」と言い、

未来のことを「あと」と言った。

前は見えるけれど、後ろは見えない。

過去は見えるけれど、未来は見えない。

だから、未来の方向は?と問えば、今は「前」を指さすけれど、

中世までは見えない方「後ろ・背中側」だった。

 

未来へは、うしろ向きに歩く、走る、という感覚だったらしいです。

世界各地の人々が共通して持っていた感覚なのだそうです。

日本では16世紀ごろ、「サキ」という言葉に「未来」、

「アト」という言葉に「過去」の意味が加わって行ったそうです。

今も「前(さき)に、こんなことがあった・・・」のように「前(さき)」を過去のこととして使うこともあります。

先日、と言えば過去のことだし、後回し、と言えば未来の事、というふうに、「前・後」は文脈によって反対の意味になるのです。

おもしろいなー。

 

室町時代くらいまでは、世界(アジア、アフリカ)の辺境に暮らす人々と、

共通の感覚が多くあったのではないか、と、様々な観点から、

比較し、想像し、日本の過去へと、分け入る。

戦争、武器、独裁者、ならず者、

常識が、価値観がくつがえる・・・

*以前に「清水克行」の本『室町は今日もハードボイルド』をここに紹介しました。

またノンフィクション作家「高野秀行」の本『幻のアフリカ納豆を追え!』についても2年前に書きましたが、

この本は、その二人による、楽しい対談集です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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