雨のそぼ降る日でした。
いつも通る道を山の方へ少しそれていった所に、大きなお寺がありました。
(神照山廣泰寺、開創500余年になる曹洞宗のお寺)
ちょっと驚きました。
度会(わたらい)は江戸時代までの伊勢神宮領を管轄する地域で、
明治になって、天皇家の祖先神をまつる伊勢神宮が神道国教化の中核に位置付けられると、
神仏分離政策が積極的に行われ多くの寺が廃寺となり、
僧侶は失職し、建物や仏像や絵画などは壊されたり、焼かれたり、持ち去られたりしました(廃仏毀釈)。
なので、古い大きなお寺はあまり残っていないのです。
山門から本堂まで、モミジのトンネルの道が真っ直ぐ伸びていますが、
近寄るまで、本堂が見えません。
(立派な本堂なのに・・・本堂の写真を撮るのを忘れました。)
山門の脇に書かれた一言は「友人はもう一人の自分」。なんとアリストテレスの言葉だそうです。
七堂伽藍(衆寮、書院、大庫裏など)を回廊が繋いでいます。
宿坊?や座禅道場もあるようでした。
川や池をうまく利用し、建物と広い庭園の一体感が見事です。
鐘楼の天井に草花の絵が描かれています。こんな鐘楼初めて見ました。
山門の外側の、左の石垣にお地蔵さん。
「不許葷酒入山門」と石塔に掘られている文字のうち、
3番目の見慣れない文字「葷」。
調べてみたら、クンと読み、ニンニク、ニラ、ノビル、ラッキョウ、ネギなど、そして肉のことだそうです。
丁寧にお参りしていた男性に、声をかけたところ、
近所にお住まいの方で、月一でお参りして、心を新たにしているのだそうです。
そして・・・この寺は、もっと奥の方にあったのが、
昔、集落ごと引っ越してきた・・・と話してくださいました。
寺の周りは、今は、山になってしまった所も、昔は田や畑だった、そうです。
それがいつのことかはわからない、ようでした。
お寺の周辺のたたずまいも、良い感じでした。
山門の裏に立てかけてあった、ちょっと気になったスコップ