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杉本博司さんのアートスポット『江之浦測候所』その3 茶室・春日社

2023-04-16 09:07:51 | 建築物

そもそも杉本さんは、測候所をなぜこの地に建てようと思ったのか。
杉本さんにとっての最初の記憶はこのあたりの海辺の風景だったとのこと。
幼少の頃、湘南電車に乗って、真鶴駅と根府川駅の間にあった「めがねトンネル」を抜けるとき、
連続した窓から見える風景が、そしてトンネルを抜けるといきなり広がる大海原と
その水平線、その風景に導かれるようにここに測候所を建てることになったということだそうだ。

そして「持ってる現金はみんなここで使っちゃおう」という勢いで作ったとか。
お金が無くなったらここから写真撮って売ろうか、なんて言ってらした。

ギャラリーでも美術館でも公園でもない、海を、自然を、天空を展望するための特別な場所を
「五千年後に遺跡としていかに美しく残るか」と考えているという。
構想建築に20年を費やしたのは、そこまでを見据えてのことだったのね。

さてと最後です。
ギャラリー横の円形石舞台を敷石に沿って竹林エリアの方に歩いて行くと、


内山永久寺十三重塔 この塔は近隣の豪族の家に移存された塔
日曜美術館で杉本さんが話していたが 石はバラバラで見つかったそうだ それが13個ぴったりとあったと


旧奈良屋門 箱根宮ノ下にあった旅館「奈良屋」別邸に至る門


明日香石水鉢 茶室「雨聴天(うちょうてん)」の蹲として据えた


茶室「雨聴天(うちょうてん)」

山形県小立部落にある石鳥居に準じて組み立てられた石造鳥居
この下をくぐり 茶室「雨聴天」に


茶室「雨聴天」 千利休昨「待庵」の本歌取りとして構想され 待庵の寸法を一分の
違いもなく写したそうだ 実際小窓からのぞいてみると 2畳とはかくも狭いものかと
驚く この部屋でお茶を嗜んだのかと利休、秀吉を想像して見る

屋根は蜜柑小屋のさびたトタン屋根を使用 雨音を聞くに相応しい 沓脱石は光学硝子
茶室の躙口からは春分秋分の陽光が日の出とともに床に差し込む ここでも春分秋分の陽光

竹林エリアに


数理模型0010 


五輪塔 鎌倉時代




道標 二丁信貴山 江戸時代


出湯仏 三体 鎌倉時代 後ろの石垣からひょっこり筍が顔をのぞかせている


被爆宝塔塔身 南北朝~室町時代 原爆投下時爆心地近くにあった石造宝塔の塔身部分
原爆の破壊力の凄まじさこの石に刻まれている


甘橘山 春日社 奈良・円成寺の春日堂を採寸し、写したもの
2022年春に春日大社より御霊を勧請したとのこと

竹林エリアから各施設を見上げる

いったん終わりにしますね。
というのも、重要な石のことはほぼほぼすっとばしていますのでそれはいつかまた。
長いお付き合いありがとうございました。
「江之浦測候所」機会がありましたら是非お訪ねくださいませ。

おまけ ぶらぶらのHPからお借りしました。これが一番分かりやすい(泣)


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