まい、ガーデン

しなしなと日々の暮らしを楽しんで・・・

病室の人2

2007-04-12 10:29:56 | Weblog
ざっくばらんなおじさんは外泊中で、私たちが入室したときはいなかった。
おじいさん、何の病気かね、と声をかけてきたので、私も浅はかにもついいつもの調子で、
「泌尿器科って札がありますけれど、どうなさいました?」と聞いてしまった。
女の人にはないものだよ。手術したけれどとれなくてね。ま、悪くならないようにしただけさ。この点滴が合わなくて、吐き気がして食欲がないよ。
ここの部屋は隣もガンだよ、な。
といとも簡単に隣のベッド、チョイうるさ型おじさんに話しかけている。
「あれま、私、周りにいないものだからつい軽く聞いて・」
いいのいいの、俺気にしていない。どうなるものでもないから。
と心底明るくいってくれるから助かった。でも、やはり簡単に病名は聞いてはいけないことだと深く反省する。
おじさんは、また戻ってくるよ、と退院して行った。

で、うるさ型おじさん、俺、腎臓ガン。痛くてね、座薬で抑えているんだ、6時間おきに入れてるよ。とその割りに平気そう。
私はこのおじさんにも、つい気軽に、というやつをやってしまった。
「もうどのくらい入院しているんですか?」
100日越えたかな
「わあ、もう飽き飽きですね。」
飽き飽きってもんじゃない、長いよ、出たり入ったりだけれどな。
つい、いつもの口調で言うところが思慮が足りない。浅はか、おばか。
恥ずかしいでしょ!と突っ込まなくてはならないよね。

で、このおじさん、いい人だ、といおうか、面白い人生を歩んできていると、私は思う。おじさんも、俺は幸せだと言ってるものね。

若い頃は、どんなにいい男だったろうと想像させる風貌で、80才前後の方にしては、背もすらっと高い。姿勢もいい。
フレンチレストランを出していたそうな
パリ、リヨン、ニースと、フランスで修行したそうで
もちろん東京でも
福田首相のときにパーティを仕切ったとか浅丘ルリ子ノ妹の披露宴の料理を作ったとか
料理は、奥が深いよおーが口癖で

そして、24、5のお孫さんが洗濯物を持ってきて
「おじいちゃん、アメリケーソースの(これでいいんだっけ?)作り方教えて。」と、メモを出しているの。
「材料は、・・・エストラゴン・・・・ブーケガルニもいるよ。」
「なにそれ?」とかお孫さんは聞いている。
「作り方は、、、、、、えびを漉して、、、、2時間くらい煮込んで、、、」
「えーーーっ、そんなに時間かかるの?」
孫とこんな会話が交わせるおじいさん、ちょっとうらやましい。

俺も月曜日に退院しよう、秋田に行って来るよ、釣りしよう
まだまだ勉強しなくては、娘の方がフランス語も英語もぺらぺらだもんなと、どこまでもポジティブ。

やっぱり、病室はいろいろなことを考えさせてくれる。
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