鞄やご主人は言う。
「子供たちに、家、やってしもて帰ってくればいいねか。都会なんか住むとこだねえ、あんなごちゃごちゃしたところ」
うん、まあ。
薬局ご主人は呆れる。
「えっ、おめ、バスであんなとこ行ったのん。信じられんが。よう行くなあ」
実家行き来をしているとはいえ、どこかいくらか旅人気分が残っているから、酔狂にもバスで1時間以上も揺られて、
山野草見つけて雄大な風景眺めて、バスの便がないからまたすぐ引っ返して帰って来ることができるんだろうね。
日々の生活を営んでいる人に対してそれが少し後ろめたくもありで。
3月21日朝、佐渡外海府内海府の紺碧の海。全てを圧倒する。
バス車窓から。