今では1年中道端や原っぱに咲いている気がするけれど・・・
遥か遥か昔、子供のころ。
北国の子供たちにとってはそれはそれは待ち遠しかった春。
実家のある夷は町中で、いくら道路が道路だったころとはいえ、背の高いタンポポなんて咲いていなかった。
シロバナタンポポ
そこで、その頃わんさかいた女子小学生が徒党を組んでタンポポ摘みに出かけたもの。
1年生から6年生までいたと思う、今私が自転車こぎこぎして出かける清々場所まで歩いた。
いやいや、よく歩いたものだと思うわ、しかもチビ連れて。みんな貧しかったから親なんて働くのに精いっぱいで、子供たちが何をしているかなんて知らぬ存ぜぬ。それをいいことにし放題。
今チャリンコこいでも15分はゆうにかかる場所、そんなところに女子小学生軍団が嬉々としてタンポポ摘み。
茎の長いタンポポを両手いっぱい抱え持って。
夕方にはみんなで意気揚々として帰って来る。
摘んだタンポポは何本かまとめて花首のところで縛って干す。
空洞だったタンポポの茎が干されて萎れてちょうどいい具合になると。
女の子たちはその茎に空気をいっぱい吹き込んで両手に持ち、歯でかんかんと鳴らす。
それをしたいがためにみんなして出かけたのよ。
ただただタンポポの茎を鳴らして遊ぶ。
いいわあ。
おまけ。春の贈り物。