チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

「もののあわれ」と日本の美 サントリー美術館

2013年06月21日 06時02分37秒 | 日々のこと

晴れ、27度、88%

 例年、わがままを言って年に一度東京に戻ることがあります。美術館を廻るためです。いい催し物が始まるのは、決まって夏休み前からです。今回の帰国はひと月程早めでした。催し物の一覧を見ても感じるものがありません。たった2日といえど、時間を作るのはお手の物です。サントリー美術館の催し物、題の付け方がちょっとね、と思い気にもかけませんでした。ところが出品目録の中に尾形乾山の銹絵染付金彩薄紋蓋物があるのを見つけました。 以前から見たかった焼き物です。乾山は琳派の陶工などと言われますが、私にとってはデザイナーです。色遣い、模様のデザイン化された様子にとてもひかれます。しかも、有田陶工のように寸部違わぬ筆遣いではなく、おおらかです。そしてあと一つ広重の隅田川の花火が見たくて、最終日、混雑も覚悟で出かけることに決めました。

 16日の日曜日、幸いなことに朝から雨です。六本木のミッドタウンのお店の開店は11時、この時間ミッドタウンに向かう人は、やはり皆さんサントリー美術館を目指しています。心配していた程並ぶこともなく入館出来ました。

 「もののあわれ」源氏物語、枕草子、日本人の感情の基調のこの言葉、高校の古文を思い出します。高校を出て、竹取物語は原文で読みましたが、源氏物語は、一巻で放棄したままの私です。

 時間列、テーマによって8つに分かれた展示でした。入ってすぐの絵巻物も初めてのものばかり、ふと後ろを見れば、川端康成の雪月花の書が静かに架かっています。達筆だったと聞く川端康成の書には、深く見入りました。

 雨のおかげで、人出が鈍っているようです。お目当ての、乾山の蓋物、中に書かれた染め付けと外のすすきの絵とのアンバランスが見事です。

 こうした催し物、思いがけないみつけものがあります。宣伝文には書かれなかった出品物、思わずあら?と声を上げたくなるものが今回も幾つかありました。川端康成の書もそうですが、尾形乾山のこの汁次に出会えるとは思ってもいませんでした。 昨年末この写しのしょうゆ差しを買ったばかりです。汁次は、柄がなくふた周り程大きなものです。これが本歌とは知っていましたが、まさかの巡り会いです。

 広重の隅田川の花火は、当時の青の色が、何で作られていたかと不思議に思う程、深くいい色が出ていました。

 そして最後のコーナーに入ったとき、またしても、思いがけずに鏑木清方の絵が3枚も架かっていました。私は、鏑木清方は画家としてでなく作家として初めて出会いました。その後、日本画家と知ってからは画集も求めました。時間があれば鎌倉の美術館に足を伸ばしたいと思い続けて15年程経ちます。 念願の清方の絵を初めて見ることが出来ました。

 思わない収穫に、とても満足でした。でも、ふと考えます、昔は「もののあわれ」という感覚を多くの日本人が持っていたはずです。果たして現代の子供たちはどう捉えるのでしょうか?言葉そのもの、何かがかわいそうなの?と聞かれそうですね。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
鏑木清方さんいいですね! (ボブボブ散歩)
2013-06-21 18:18:49
2年ほど前になるかと思いますが、やはりサントリー美術館で鏑木清方さんmの展示会をやりました。私も大好きなので見に行き本も購入してしまいました。いいですよね。又展示会があるようでしたらお知らせします。
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鎌倉の記念美術館 (manasmomo)
2013-06-22 07:39:13
宜しかったら、いつか鎌倉の記念美術館に一緒に行ってくださいますか?

行きたいと思いつつ、いつも都内で済ませてしまいます。ご一緒だったら、えいっと行くことが出来そうです。
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Unknown (ボブボブ散歩)
2013-06-22 11:57:09
是非ご一緒させて下さいます。楽しみにしています!
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ありがとう (manasmomo)
2013-06-22 14:15:55
楽しみが、また増えました。
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