チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

テツのこと

2011年01月22日 06時39分52秒 | 日々のこと

晴れ、12度、67%

 

  私のブログにコメントを寄せてくださる方のブログを拝見すると、2年ほど前、飼っていた犬をなくされたご様子。コメントの返事の折、立ち入って次の犬を飼うつもりはと、お聞きしてしまった。その方のご主人が、次は成犬か問題のある犬をと考えていらっしゃるとのこと。

 そのお返事を読んで、テツのことを思い出した。パグ犬モモは私が結婚して飼った3匹目の犬。実家は、犬や猫が絶えることなくいて、動物がそばにいるのは当たり前だった。

 結婚して初めて飼ったのがテツ。我が家にやってきたとき、5歳くらい。 その頃、私たち家族が住んでいたのは、美観上生垣しか作ることを許されない町だった。テツはこの生垣をくぐってあちこちの家でえさをもらっていた野良犬だった。かなり大きい。我が家にもある頃から立ち寄るようになる。夕飯時、窓の向こうにテツのしっぽが見える、チーズやハムやミルクと少しでもあげていた。野良犬といっても、町の人にえさをもらっていて、優しく穏やかな犬だった。

 私が堆肥を作ろうと、落ち葉を梅の木の下に集めていたら、日の当たる時間帯はその上でゆっくりと休むようになった。

 そんなある日、静かな住宅街で、私が小さい頃見た、大きなひもの輪を持った男の人たちが走って何かを追いかけているのを見る。とっさに、テツのことが頭をよぎる。幼稚園帰りの息子に先に家に帰るように言い、私も彼らに付いて走る。どうにか逃がそうと思ったのだ。間違いなく彼らは、テツを追いかけている。追いかけている人間は生垣をくぐることは出来ない。テツは見事に追いかける保険所の人たちを巻いた。その日以来、定刻に我が家に寄る事はなくなる。会うたびに優しかった目が険しくなる。ただ、あちこちでえさをもらうので痩せはしなかった。

 見ない日が続くと心配だが、梅ノ木の下の落ち葉の山のくぼみを見ると、留守のあいだ立ち寄ったことが分る。そうして冬になった。27年ほど前、東京に大雪が降ったときのこと。

 雪の中、我が家にやってきたテツ、寒さもあり、いよいよ私たちも気持ちを決める。えさを与えながら玄関に入れた。それ以来、テツは我が家の犬となる。

 伊豆にキャンプに行くときも、どこにも一緒だった。朝の散歩は息子の幼稚園のお見送り。時には多摩川に入って鳥を追って、川崎のほうにまで行きかけたり。そして、24年前、香港に発つ私たちは、香港では犬を飼える状況ではないため、テツともう一匹の犬を、私の実家に預けることにした。

    香港に発つ前の写真。息子ももう32歳、この写真を載せること許してくれると思う。推定で14歳ぐらい、最期は私の母が見取ってくれた。テツは、実家の大きな楠の木の下に今は寝ている。


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4 コメント

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大寒に (おばはん)
2011-01-22 17:19:52
テツくんは、なかなかの面構えの男子ですね。
後ろ足の筋肉のはりもすごい。
写真を拡大しなんども拝見しました。

ふとした心の隙にはいってきた豆は
しっかりと家の中に根をはり
新年あけ、
初めて春の日差しを感じた日の午後、
すっと旅立ってしまいました。

命との出会いと別れは
自然なものなのだなあ、
一日一日を大切にしなくては、
と感じました。

今の土地へひっこしてきたとき、
横を通るたびに
怒り狂った形相で
ほえかかっていた垂れ流し犬は
家人の最高最愛のパートナーになりました。

テツくんの話のおかげで
あの年の大寒から節分明けの日々を
思い出すことができました。
本当にありがとうございました。




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ハンサムでした (mana)
2011-01-23 08:01:58
 いつもデスクの横にあるテツの写真ですが、なんだか久し振りに見たような気がしました。

 よく見ると、重い鉄の鎖。まだ、軽いものがなかったころです。野良犬で、自由にこんな重いものをしないで暮らしていたテツ。

 すまなく思っています。幸せだったかな?とも思います。

 若かったので、命を私たちに預けてくれているという意識が、当時はありませんでした。

 モモと暮らし始めて、命を預けられていることを感じます。年齢ですね、私の。

 私たちも若く、今ほど余裕もない中で飼ったテツです。主人は、テツたちに出来なかったことをモモにしてやろうといいます。
 実は昨日から、今までそばにいてくれた犬猫のことを思い出していました。

 私こそ、ありがとうございました。
返信する
色々思いました (abbie-hk)
2011-01-23 23:44:25
こんにちは。

スラッとして男前犬ですね。
私は毛の茶色い犬が大好きなんです。
テツ君は体も大きいし、強い感じがいいですね。

現在働いている旺角の会社の近くには沢山放し飼いの犬や飼い犬だけど自由に暮らしている犬が沢山います。
周辺住民も受け入れている感じで、危険も無く普通に暮らしています。
私はこの景色が大好きです。

動物を飼うという事は命を預かること。
香港で動物を飼うことはやってみたいのですが、まだちょっと気持ちの区切りがつかないので無理かなと諦めてます。
テツ君みたいな犬が欲しいのですが・・・

息子さんは私と同じ年齢なのですね。
たぶん、一生懸命に世話をしたのでは??と。
弟みたいに扱う感じに。

モモちゃんに会う日が来るかな・・・?
会ってみたいですね。


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会ってやってください (mana)
2011-01-24 10:07:45
 テツとモモ、大きさも犬種も違うのに似ています。人にとても可愛がられるのに意外にそっけないのです。そっけないというか、人の媚びないというか。犬に対しても、自分から何か仕掛けることが少ないと思います。

 ただ、テツは世の中で一人で生きてきたので、その生きていく知恵を身に付けた犬でした。

 モモは、リーシュを放せば、動けなくなります。ジッと立ちすくんでしまいます。大きな違いですよね。テツとは。

 旺角のどの辺りでしょうか?以前は山に入れば香港も沢山の野良犬がいました。市場に行くと必ずそこの主のようないぬが闊歩してますよね。

 お休みのとき、ご連絡ください。
 私もお会いしたいです。
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