
晴れ、21度、79%
チーズが安かった頃の香港を思い出します。日本から来たばかりの頃は、種類こそ少なかったけど、お値段は日本の半分ぐらい、このチーズとはプロセスチーズではなく、ナチュラルチーズのことです。当時はイギリス領でしたので、イギリス系のチーズが主流でした。イギリスから来るものより、オーストラリア、ニュージーランドから来るものの方が多かったように思います。たとえ、オーストラリアのチェダーでも美味しいと思ったものです。あの頃は香港人が、まだそうしたチーズに嗜好を感じていなかった時代でした。
この10年ほどのチーズの値上がりは、目を見張ります。特に、普通に食べていたナチュラルチーズの値上がりです。ところが、チーズの市場が拡がって、香港に入ってくるチーズの種類は、世界中から様々です。チーズ専門の店もできました。チーズのケースに顔を付けてどこの国のなんというチーズか選ぶのにも苦労するほどです。挙げ句に、私など臭わせて頂戴、などとわがままを言います。
ゴーダチーズはオランダのチーズ。やや硬めですがくせの無い食べ易い、牛乳からできたチーズです。ワックスがかかったこのチーズ、熟成させると微妙に味が違ってくることを何かの本で読んだ覚えがあります。チーズの棚の前で、真剣にチーズと向き合っていた私の目に留ったのは、X.O,やV.S.O.Pと書かれたチーズです。ブランデーに漬けたチーズかしら?匂いますがお酒の匂いはしません。裏を読むとゴーダチーズです。ゴーダにしては色が濃いめです。まずは、X.Oを試してみることに。
ワックスはこんな色です。
一口口に含むと、ゴーダのまろやかさよりももっと濃厚な味がします。しかも、ホロッと崩れるほどの固さです。ここで初めて、もしかしたらこれが熟成を重ねたゴーダではと思い、調べてみました。
Reypenaerは、ゴーダチーズを専門に作っているようです。この、X.Oは、2年半寝かしたゴーダでした。V.S.O.Pは2年寝かして作るのだそうです。寝かしているうちに水分が飛ぶので、硬質なチーズになるのでしょうね。
濃厚な要するにゴーダを煮詰めた感じですが、決してくどくない、チーズにもこんな表現が当てはまるとしたら、ナッツのようです。
お値段は高くなりましたが、珍しいチーズが手に入る香港です。今からクリスマスにかけて、イギリスからは陶器に入ったスチルトンブルーが入ってきます。
フランスでは同じ産地のチーズとワインが合うと言われているそうです。さて、このゴーダどこのワインといただきましょうか。
アメリカもチーズは色々とありますが、正直、ヨーロッパのチーズほど「美味しい!」と感じるものに出会った記憶がありません。やはり牛乳、乳牛の食べる草とその土壌、気候などが微妙にチーズの味に違いを出すのでしょうか。
スティルトンの壺、集めてしまいそうです!笑
今度、雲南地方のチーズを食べてみようと思ってるけど、20年以上思い続けているだけで、勇気がわきません。笑