晴、12度、74%
家の表通りに面したモミジの木の下に甕をおきました。甕に水を張ってほてい草を入れメダカも入れたのは昨年の5月です。メダカ屋のお兄さんに甕の大きさを話しました。お兄さんはほてい草は3つで十分だと言います。ところが主人が足りないと言い、後にほてい草を買い足しました。お兄さんが言ったように、ほてい草は大きくなりました。そして見事な藤色の花を咲かせました。 ほてい草の花を見たのは初めてです。ところが道ゆく人が皆さん、「ほてい草の花は初めてです。」とおっしゃいます。咲き始めたのは暑い盛り、順々にひとつまたひとつと11月ごろまで咲きました。ほてい草の綺麗な花の命は1日です。
花が咲き始めた頃には、根も十分に張り、根を掻き分ければどうにかメダカの存在が確認できました。朝、餌を与えます。11月ごろからはメダカの姿が見えなくなりました。寒さの訪れと共にほてい草はみるみる枯れてしまいました。雪も被りました。寒いので触る気もしません。甕の上には枯れたほてい草が惨めに見えました。確かメダカ屋のお兄さんは「ほてい草の冬越しは難しいですよ。」と言っていました。
4月になって、気温が上がりました。黒っぽいほてい草の枯れ草の間に小さな緑が見えました。日に日に緑の数が増えました。そして見る間にあのほてい草の浮き袋まで。ほてい草は生きていたのです。ほてい草らしい形になった頃、水に手を入れてひとつ一つを点検しました。古い大きな根は真っ黒です。枯れた葉っぱや溶けそうな根は全部取りました。新しい真っ白な根も見えます。数にして10個、昨年より2、3個子別れしたようです。大きな根を取られ不器用に浮かぶほてい草です。メダカの姿は見えません。新しく10匹入れました。 甕の掃除をしていると、ゆっくりとした動きの貝を見つけました。枯れたほてい草と共に冬を越したのでしょうか。タニシのようです。
小ぶりなほてい草、この夏も大きく成長して花をつけてくれるのか楽しみです。さほど大きくない甕の中ではほてい草とメダカとタニシの世界ができました。温かな時間は水辺に出て来て泳ぐメダカたちが見られます。水面をじっと見ているとゆっくりした時間が流れます。