
前回のクロック・マジックを紹介した際に、一緒に紹介したかったのですが、ブログの文字数制限のため、書くのを諦めたカードマジック、スライディーニ氏の「モンゴリアン・クロック」を紹介します。
スライディーニ(Tony Slydini[1901-1991])は、20世紀を代表するイタリア出身(アルゼンチン育ち)のクロースアップマジシャンです。スライト・オブ・ハンドやミスディレクションの名手で特にラッピングがすごいマジシャンです。代表作としてステージにあげた観客の前で紙玉が消える「Papaerball over the Head」や強く結んだ結び目がするっとほどける「Slydini Silks(Slydini's Knotted Silks)」などがあり、テレビなどで多くのマジシャンも演じていますよね。スライディーニについて紹介しているマジェイアさんのページを示します。
さて、このスライト系のスライディーニのマジックの中で、非常に珍しい、ほぼセルフワーキングであるマジックが今日紹介する、クロック・マジックの「モンゴリアンクロック(Mongolian Clock)」です。
上口龍生氏の実演映像を示します。
ちょっと話に無理があり(;^ω^)、観客が下に回した後、演者が下から配る点などが少し気になりますが、準備がいらない点や、かなりしっかりグチャ混ぜしているのに見つけ出し不思議な点など、名作だと思います。
私は、90年代後半にマジェイアさんのページで知りました。
このページの最後に追記でKarl Fulvesが書いた"THE BEST OF SLYDINI ...AND MORE"に見つけられなかったとありますが、この本にちゃんと記載されています(2章の「2. Easy Routines and Moves」の中の1つ)。ただし、このマジックは説明用写真が無く、解説も1ページくらいとさらっと書かれています。このマジックがあのスライディーニの「ベスト」マジックの一つとして入っていることからいかに有効なマジックであるかがわかります。
ちなみにこの本は2冊セットでテキストと写真が別れた構成となっています。ビデオの解説がまだ主流で無い時代に、1000枚以上の写真を使ってわかり易く伝えようということなのでしょう。定価は60ドルくらいだったと思われます
が、今はもう作られておりませんので、中古の本として、海外では150ドルから300ドルくらいで取引されています。その中でマジックファンタジアさん2号店で3300円で売られていたのは驚きです(;^ω^)
というわけで、30000円くらいあれば海外から中古で購入できる本なのですが、時々紹介しているLybrary.comでは30ドルでダウンロードできるので、リアルな本に拘らなければこちらがお得だと思います。
もし、モンゴリアンクロックだけに興味がある場合は、この本でなくて知ることはできます。最もお値打ちなのは、先程示した動画の解説を見ることです。400円で学べます。
ただ、ちょっとそれはもったいなく、このコンテンツは「超初心者のためのカードマジック入門」の1つとしてあり、全体をまとめて購入すると13のマジックが980円で購入できるので個人的にはこちらがお薦めです。さすが上口さんでよいマジックの選択だと思います。「超初心者」とありますが、私のレベルではこれで十分です(笑)
また、このマジックは「図解 カードマジック大事典 新装版」にあります。「読心術 / Mindreading」の分類です。非常にサラッと書かれています(^◇^;)
麦谷氏のMasquerade(マスカレード)でも取り上げていたようです。読んでみたいですが、私は残念ながら持っていません
最後に紹介するのはmML Vol213の「ジャパニーズ・クロック」です。『スライディーニのモンゴリアン・クロックという名作を基にアレンジしたもの』とあり、だいぶ違う印象を持たれると思います。ジャパニーズ・クロックなので、モンゴルの話は一切出てきませんしね(笑)
演技動画のURLですが、うまくリンクがはれませんでした。
https://www.youtube.com/watch?v=9Ik2LYMg4E0
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モンゴリアンクロックは、全く即席で準備無しでできますし、最後のダイナミックな当て方といい、素晴らしい手順だと思いますので、気に入られた方は演じられてみてはどうでしょうか。とお勧めしつつ、私は前回紹介したトリックをレパートリとしていてこちらは滅多に演じないのですが(;^ω^)
いろいろ紹介しましたが、これが本当のモンゴリアン・クロックですね(;^ω^)



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