香川県を踏むのは2度めだが、瀬戸大橋を渡るのは初めてのこと。
金刀比羅宮の階段を上がったのは、30年前の雨の日。
その時はフェリーで移動したから。
新車への乗り換えを機に、家族で1泊2日の遠出をこころみた。
天気は上々、ドライブ日和だ。
瀬戸内海の島々が浮かぶように点在するさまに、小柳ルミ子の「瀬戸の花嫁」を、つい口ずさんでしまった。
誰の歌なん、と娘に突っ込まれつつ。
昼前に香川入りし、まずは坂出でランチタイム。
地元人が絶賛する「びんび三昧」へ向かう。
看板は回転寿司だが、定食も豊富にあり新鮮な刺身や天ぷらがいただけるらしい。
入店すると、回転ずしか定食かを尋ねられ、すかさず「定食」と答えた。
店の半分ほどが定食コーナーで、そのテーブル席へ。
海鮮定食が、昼時は曜日を問わず超破格値の1050円。
刺身と天ぷらの合体定食とでも言おうか。
ネタは、さっきまで泳いでたんとちゃうか~くらいの鮮度抜群。
初っ端から、こんなにいい思いをしてええんかなぁ。
ほっこりしたところで、次なるは・・・ニューレオマワールド初来園にテンションアップの面々。
子供連ればかりで浮くかと思ったが、そうでもなく安堵する。
笑って、はしゃいで、飛び跳ねたって、大人気ないなどとは微塵も感じさせない。
童心地に返れるのが、遊園地の魅力のひとつでもある。
「スペースシップ2056」を体験しようと、ドーム型の建物に入場した。
屋内を乗り物で巡るみたいだ。
コースターの座席に着くと、係員が安全バーをおろしつつ注意をする。
『暗闇がダメな方は?
カバンは下に置いて、足でしっかりと挟んでください。
帽子は飛んでしまうので取ってください。』
・・・帽子が飛ぶって・・・?・・・不安がよぎった。
帽子を取ってカバンに入れて・・・そうこうしているうちにスタート。
もう、後戻りはできない。
星空みたいな空間に入り込んだ。
どんな光景が続くのかなぁ~その余裕は束の間。
急加速し暗闇に吸い込まれた。
急カーブの連続で、その度に激しく横揺れするものだから、身体が左右にぶつかる。
痛いのなんのって、強打の数だけ悲鳴をあげたはずだ。
帽子どころか、身体ごと振り落とされそうな恐怖に耐えるのみ。
死のロードのやっと終点。
身体が強張り、すんなり立ち上がることもできず、「恐怖のドーム」としてインプットされてしまった。
覚束ない足取りで館をあとにし、パンフレットを確認すると、
暗闇の中を疾走し、スリリングな宇宙旅行が楽しめる屋内型ジェットコースター
などと記されている。
これを読んでいたなら、絶対に拒否もんだ。
だが、終わってしまえば、吐き出すようなそれぞれの事後報告に、みなで大爆笑。
打撲の大腿をさすりながらも止まらぬ笑いに、涙までこぼれる始末。
エネルギーを消耗したあとは、観覧車でのんびり。
娘は若さゆえ有り余ったパワーで4回もジェットコースターに乗り、超ご機嫌。
私は、眺めているだけでもハラハラドキドキなのに。
遊園地なんて何年ぶりだろうか。
楽しく羽目をはずして、気持ちが若返った。
「レオマ」の名前の由来がおもしろい。
当時の社長が大西さんで、
「レジャーは大西にまかせろ」の頭文字をとったものだとか。
有名な話らしいが、まったく知らなかった。
さぁて、夕刻までに、ひと山越えて宿にチェックインだ~。
=つづく=