フォレストパーク神野山の鍋倉渓を見上げる。
岩石の流れが、山腹への架け橋みたいに続く。
それと並行する木製の遊歩道を上がるのが一般的だ。
しかし、高みへの挑戦を大いに好む娘にとって、目前の奇景は誘惑そのもの。
うずうず、待ってられましぇ~ん。
ひょいひょいと足取りも軽く、岩を捉えてゆく。
ここらで、ちょいとポーズ。
遊歩道を下る女性に、気を付けてと声をかけられ笑顔で答えている。
余裕だねぇ。
私も、娘の背中を追った。
前回は、もっと足の運びがスムーズだったように思う。
二つ歳とっただけなのに、明らかに慎重度が増している。
山頂のツツジは、まだ蕾が小さく一分咲きくらいの僅かな開花。
新緑が断然優勢だ。
中でもたくさん開いた枝にレンズを向けた。
山斜面が赤く染まるころには、人出がピークを迎えるのかな。
その日は曇天の上、いっときの小雨に慌てたが、カサは杖替わりとなる。
展望台まで上がると、風があり肌寒い。
上着を重ねて、おにぎりを頬張った。
たとえ寒くても、何ら変哲のないおにぎりでも、空の下で食べるのは美味しい。
下りは危ないから遊歩道を歩こうね、と言い聞かす。
でもねぇ、岩場が気になるらしく、ふらっと逸れてゆく娘。
突然の小さな叫びに注目すると。。。
歓喜に満ちた面持ちで、何やらおもむろにカメラを定め、はいチーズとシャッターをきっている。
貴重な写真が撮れたって、とても嬉しそう。
わぁ、カニじゃない。
岩石の下の水流から這い上がってきたようだ。
岩石群を背にして、駐車場へ戻る時にやっと気づいた。
八重桜が散りつつも、豪華な美を誇っていることに。
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