いーちゃん。

　戯言シリーズの語り部、欠陥製品こと《いーちゃん》。
　その《いーちゃん》に似ていると言われました(笑)。
　そうですね。
　否定はできません。
　ボクは人間として生まれたけれどいろいろと欠けている欠陥製品ですからね。
　対人用記憶力なんて最低クラスですし(苦笑)。
　たいていの人には他人として接しますし。
　冷めてますし。
　人間味に欠けますから。
　あと《ぼく》と言うし敬語だし。
　戯言のような詭弁を吐く。
　嘘つきですし。
　まぁ、あと雰囲気が似てるんだろうなぁ。
　何と言うか、人の暗い部分を知っているような、受け入れるような感じとか。
　意外と懐は広いみたいな。
　でもね。
　ボクはいーちゃんよりずっと臆病者ですし、チキン野郎で、なんにもできないヘタレくんですよ。
　だから、いーちゃんのほうがいい奴です。
　誰かのために、自分のために人を殺せるいーちゃんほど、冷たくも残酷でもないですけれど。
　そうだな。
　非人道的なのはボクにも少しあるかもしれないです。
　非常識だと言われたことは数知れず、ですしね(苦笑)。
　特に昔はそうですね。
　そんなに死にたいならボクが殺してあげる、とまで言ったことがあるくらいですかね。
　もっとイッちゃってる発言も多々ありました。
　今のボクは、これでだいぶ丸くなったほうですよ。
　未成年のころは酷く酷かった。
　だからまぁ、少しは社会的な性格に治ったような気がします。
　この調子で善人を目指すか、屈折して偽善者になるか、それは前者であって欲しいけれど。
　もし作家になったら悪い方向に意識が行きそうで怖いですね(苦笑)。
　今書いてる作品が黒いですから。
　これでデビューしたら、ただの狂人ですよ、って感じの(苦笑)。
　黒い作品は意外と人気なので、そっちがボクのカラーになってしまっているような気もしますけれど。
　でも確かに。
　最初に書いたとき、ボクは黒かったなぁって。
　凄く思います。
　乙一先生みたいに「暗黒小説家」と呼ばれるかもしれません(苦笑)。
　でもそこまで変質的で偏執的でもないのですけれどもね。
　今書き直している奴を完成させたら、あったかい話も書いてみたいなと思います。思っていますとも。


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