暇人に見て欲しいBLOG

別称(蔑称)、「暇人地獄」。たぶん駄文。フリマ始めました。遊戯王投資額はフルタイム給料の4年分(苦笑)。

嘘日記 6月21日(6.19を回顧する。その1)

2005年06月21日 17時55分00秒 | 日記系
 2005年6月19日。
 この日は、世間的には「父の日」であったが、僕にとっては災難の日となった。

 早朝、5時起床。
 母の誘いでとある宗教団体の神聖な行事に付き合わされることになっていた僕は、目覚まし時計の音で目を覚ました。
 会場が県外のため、出発が早い。
 母の友人が車で迎えに来てくれる手筈(てはず)であった。
 5時45分。
 予定通り、母の友人が家に到着。
 僕は英語のワークブックとメモ帳とサイフ、そして島田壮司先生のデビュー作『占星術殺人事件』文庫版を持って車に乗り込んだ。
「おはようございます」
 そう声をかけられて驚く。聞き覚えのない声であった。助手席に見知らぬばあさんが座っていた。僕はとりあえずお辞儀をした。
 車は高速道路を走った。道中、ばあさんと母の友人そして母の3人は始終マシンガントークであった。話題がなかなか変わらず同じようなことばかり言って馬鹿笑いしている3人は実に滑稽であった。
 勝手におしゃべりする分には構わないが、僕にまで発言を求めるときがあり、正直困った。
 と言っても、僕はたいてい話を聞かずに自分のやりたいことをやっていた。ときどき話をふられても、会話が成り立つように自動的に返事をしていた気がする。
 最初は英語のワークブックをやろうとした。翌日に再テストが控えていたからである。本テストで19点しかとれなかったので、とにかく頑張って勉強しておかねばならなかった。
 しかし、3人の声がうるさくて挫折。
 次はメモ帳に小説の続きをつづろうとした。しかし、車の振動で思うように字が書けず、これも断念した。
 最後に小説を読もうとした。これはなんとか成功した。しかし説明的な文章ばかりが続いていて、あまり面白くなかった。
 途中、サービスエリアに寄った。
 しかし「あんた、私と歩き方がおんなじやね」と母に言われて、むっとした。以後、気をつけよう。
 高速道路を出てすぐのところに会場があった。7時半、到着。
 手続きやら、お祈りやらで時間がかかった。8時になってようやく朝食を食べることとなった。
 食堂に入ると、大勢の信者たちがひしめき合っていた。空席はなく、床で食事する者さえたくさんいた。
 宗教というのは行儀を重んじないのであろうか、と思った。
 仕方なく、3人は唯一空いていた商品陳列棚の真ん前に座った。僕は棚と棚の間にできた隙間(すきま)に座した。背後には壁があり、僕は穴にすっぽりはまったような状態になった。
 顔の隣には代金箱があった。どうも、良心市のようなシステムらしい。つまり、自分が買った分の代金をその代金箱に入れるのである。
 誰かが物を買うたびに、僕に向かって「すみません」と言って代金を入れるという動作がおこなわれた。人間嫌いの僕としては、いささか不満な位置であった。軽く地獄のようだった。
 突然、スカートとそこから伸びる脚が視界に入ってきた。しかも2人分。2人組の女子高生がすぐそばに座ったのだった。
 僕は内心、さらなる地獄がやってきたのか、と嘆いた。僕は人間嫌いであると同時に、女性恐怖症でもあったからである。特に若い娘さんには漢字の意味通り、弱い。その2人がいる間中、僕の心を支配していたのは呪いの言葉だった。
 僕は女性の恐ろしさを再確認させられ、とにかくつらい時間をすごした。この世に女なんて要らない、こんなもの消えてしまえ、とさえ思った。
 さらに悪いことに、僕の足先数センチのところにスカートがあった。ふとした瞬間、触れてしまいそうなった。もし触れてしまって、痴漢と誤解されたらどうしようかと真剣に悩んだ。しかし幸い、そのようなことはなかった。
 2人組がすぐに立ち去ったのは僥倖(ぎょうこう)であった。もしもあのまま1時間も経過していたら、僕は狂っていたことであろう。それこそ、女人完全排除運動などと銘打って世界中の女という女を駆逐しようとしていたかも知れない。
 午前10時。ついにイベントが始まった。信者がホールに集い、全員でお経のようなものを斉唱するのである。
 僕はこれまでにも何度かそのお経を読んだ経験があり、かなりスラスラ音読することができた。ただし、「般若心経」はふりがながふられていなかったため、途中、間違えた。それでも一般人よりはマシに読めたはずである。
 そんなことはどうでもいい。読経が終わり、今度はスピーチが始まった。お偉いさんがテレビの中でしゃべっていた。
 ふと気づくと、僕の目の前に女が一人座っていた。
 おぃおぃまた女かよ勘弁してくれよ頼むから、と思った。
 女はちょうど、僕とテレビ画面を結んだ直線上におり、見たくなくても見てしまうという理不尽な状況であった。女性は勘がするどいから、痴漢と誤解されてしまうんじゃないか、と心配した。
 スピーチは長く、僕の緊張の糸は長く張り続けられた。あぁくそ、なんで俺ばっかりこんな目に……と嘆くよりほかなかった。
 そもそも僕が女性恐怖症なったのは、普段の生活に女性と接する機会が無かったからであった。つまり、免疫というやつが無いのである。
 それが一転、こんなに沢山女性がいるところに連れてこられてしまったのである。それはもう、地獄でしかなかった。
 出会いに飢えている世の若い男性諸君に譲ってやりたい思いだったが、当然、譲れるものではなく、僕は苦しむしかなかった。

 まだまだ話は続くのだが、今日はもう疲れたのでこの辺で終わり。
 さて、続きはいつになるのだろうか。リクエストがない限り、続きはないと思われるのだが……

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