黒い森の娘

この橋を中心に一廻り。

レオン　イェッセル（1871ー1942年

）ドイツ帝国シュテティーン生まれ、ドイツ国ベルリン没

商人の息子としてポーランド領に生まれます。

音楽楽長としてフライブルク、キール、シュテティーン、ケムニッツを転々とします。

1896年クララ　ルイーゼ　グリューネヴァルトと結婚。長女エヴァ　マリアが誕生します。

リューベックのヴィルヘルム劇場の楽長を務めた後、リューベック通商連合声楽協会の総裁になります。

1911年からベルリンに移り、1919年離婚して1921年アンナと再婚しました。

その頃からオペレッタ作曲家として精力的な活動をします。

彼のオペレッタやジングシュピールはベルリンで初演された後、ミュンヘンやハンブルク、ケーニヒスブルクでも上演されました。

中でもアウグスト　ナイトハルトの台本によるオペレッタ「シュヴァルツバルト（黒い森）の娘」は最大の成功作で1917年ベルリンのコーミッシユ　オーパー で初演された後、10年の間におよそ6000回もの公演を重ねたとみられます。

海外では1922年ブエノスアイレスのコリセオ劇場の舞台にかけられました。

1973年映画化では名ワーグナー歌手のヴォルフガング　ピンヴィトガッセンやカラヤンとの共演で知られるジャネット　ベリーが主演しています。

1921年オペレッタ「女郵便局長」が次に成功します。彼は初めナチスを好意的に見ていました。

ナチスの権力の掌握の後で、アルフレート　ローゼンベルク

ナチ党員、ニュルンベルク裁判で有罪、死刑になります
のドイツ文化闘争同盟に登録を求めます。

しかし、ユダヤ系であることを根拠に入会を拒絶された上、その後間もなく上演禁止され、1941年ゲシュタポ司令部に召喚されて逮捕されました。

逮捕の理由は1939年9年に家宅捜索の際に発見されました。

脚本家ヴィルヘルム　シユテルク宛てにウィーンに送られたイェッセルの私信から伺われます。

「私はひとときたりとも動くことができません。ユダヤ人嫌いの煽動家によって、人間関係を壊されてしまったからです。おぞましい運命がいつどこで私の扉を叩くやら見当もつきません。」

アレクサンダー広場の警察本部の地下牢に投獄されたイェッセルは虐待を受けたために重体に陥り、1942年1月4日ベルリン　ユダヤ人病院で亡くなります。

伝統的な民族衣装

「シュヴァルツヴァルトの娘」は1917年頃の黒い森のヴェルデンベルク州にある架空の村「サンクト　クリストフ」のお話です。

美人でモテる女性と、家政婦の女性の2人がそれぞれふさわしい相手とカップルになるまでのバタバタ劇です。