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音楽の喜び フルートとともに

フルート教室  久米素子 松井山手駅 牧野駅 090-9702-8163 motokofl@ezweb.ne.jp

I先生のマスタークラス

2017-01-11 22:00:34 | レクチャー、マスタークラス

昨日、お散歩途中に来てくれました。
まだ、子犬です。

Mさんの犬です。3人兄弟の末っ子Rくんのいい遊び相手。
Rくん.早速、渡した羽子板を噛ませようとして、叱られていました。

週末I先生のマスタークラスでした。
先月キーに貼ったテープのせいか、ほとんど音程の注意は無くなりました。

しかし、スケールの後、「ちょっと見せてもらえる?」と言われたので、渡したら、前に貼ったままのテープを見て、「ちょっと移動してるね。この1番上の小さなキーは、もう少しかぶった方がいいよ。これで、穴が少し下になった効果があるからね。」
新しいテープを切って、貼り直して下さいました。
「色がちょっと違うけど、」

「変形できるシリコン樹脂で塞ごうかと思っています。」
「キーの縁から浮き上がらないようにね。
キーを外してつけたらいいからね。」
「前のフルートの時は自分でやっていたのですが、これは、怖くって。」
「大丈夫、1番上の節のところで一部だけ外せばいいから。」

「レジンでもいいですか?」
「それは、何?」
「シリコンより硬い樹脂です。」
「硬いほうが、それはいいよ。」

確かに普通に吹いて、音程が合いやすいとその方が、やっぱり自信を持って吹くことができますし、スケールや、レガートもやりやすいです。

今日は、ガリボルデイの14番。
タンギングの時に唇が動かないこと。
スタカートの前のスラーの最後の音は切ります。
装飾音の頭は、しっかりタンギングすること。最後の16分音符は、拍の初めの音以外は、レガートでpで吹きましょう。

今日は、Hdurのスケール。
A#は、A#とHが並んでいるので、ブリジアルキーはつかいません。
クロスフィンガリングになるので、人差し指も、使いません。
Aisレバーを使いましょう。

高音のG#は、右34を押さえると音程が、安定します。このかえ指はロングトーンも使えます。

高音のF#は、中指を使ってもいいですが、速い時に使いましょう。ロングトーンは、音程が悪いので使いません。

アルペジオ。高音のF#Hに移動する時は薬指を使わないで、中指を使いましょう。

D#Hに移動する時は、右4の指を離さないで滑らせましょう。

I先生の音質への、取り組み。真摯さ、集中。
まだまだ、学ばないといけません。



I先生のマスタークラス

2016-12-19 21:18:46 | レクチャー、マスタークラス

土曜日は、I先生のマスタークラスでした。
帰りは久しぶりに梅田から淀屋橋まで歩きました。これは、大江橋です。

先月調整したばかりですが、その効果も切れて、フルートをクルクル動かさないと音程が取れません。
すると、やっぱりI先生の耳はごまかせません。
「ちょっと貸してごらん。」とおっしゃると、カバンの中から黒いピンセットを出し、マスキングテープで

本体のトーンホールの一つ目、裏側のトーンホールを2㎜弱ほど、ふさぎました。
さらに、

足部管の一つ目のトーンホールも。

「吹いてみてごらん。」
…あれだけ悩んでいた、音程が大丈夫です。それに、口をあちこちに移動して吹かなくて良いので、思いっきり鳴らせます。

「イギリス人は皆やってるよ。貼ったり削ったり。」
「フルートに合わせて金色とか銀色のマスキングテープも売ってるよ。」
「僕はネットで注文するんだ。」

これだけ違うと、やってみない手はありません。
今も貼ったまま、調子いいです。
まだまだ、新しいことに出会えて、幸せです。
フルートの世界は、奥が深いです。

御堂筋のイルミネーションはまだ点灯していませんが、

夕日がビルに反射してきれいでした。

I先生のマスタークラス

2016-11-14 22:51:22 | レクチャー、マスタークラス

土曜日、I先生のマスタークラス。
レッスンの後、梅田三番街のお店で720円の野菜カレーランチ。
毎月来るけど、目まぐるしく変わっています。
隣に座った年配の女性が、「近くに住んでて歩いてよく来るけれど、すぐわからなくなるの。」と、話しかけてくれました。
「子どもたちも独立して、夫も亡くなって1人。初めは、寂しくて…。買物したら、何人分も買ったりしてね。でも、気楽でね。1人でもそれなりにいいことはあるのよね。」
と、にっこり。
笑顔がかわいらしくて、いとおしくて。

I先生のレッスン。
ロングトーンの音のはじまりから、終りまで、クレッシェンドして、ディミニュエンドして、消えるまで、ビブラートを均等にかけること。
音程、音質にも意識を向けながら、

E durのスケールは、5線内のC#の音が高くならないように、滑らかに。
高くなり過ぎるようなら、右手の3 4を押さえましょう。
高音のF#は、右手の4ではなく、3を使うと滑らかに移動できます。
高音のEは、スラーで昇る時は、音が出にくくなる時があるので、そういう時は小指をあげましょう。
指は、押さえていない時もキーのすぐ上において、バタバタしないようにしましょう。
スケールの高音部分。Hは小指を押さえたままの方が滑らかに移動できます。

先生は、特別なことは何もおっしゃりません。
あたりまえの基本奏法を、あたりまえにできているか?
そのことをすごい集中力で、聴いておられます。
ちょっとしたゆらぎや、乱れもすぐにわかってしまいます。
とても、緊張します。
それでも勇気を持って演奏します。
音楽は、表現すること。
表現者は、失敗しても、成功しても吹き続けていく勇気が大事。

I先生のマスタークラス

2016-10-12 22:43:43 | レクチャー、マスタークラス

土曜日は、梅田でI先生のマスタークラスでした。

Es-durのロングトーンの途中で、先生のアルタスと私のパウエルを並べて「キーの位置が、違うでしょ。これだけ違うと音程に気をつけなくては。」

五線上のC# は、高い。Bも少し高い。
Esは低い。

Esdurのアルペジオは、微妙な調整をしながら吹きましょう。

スラーは、息を切ったり、舌を動かしたりしないで、一本の息で、できるだけ滑らかに吹きましょう。

滑らかにに吹かないということは、作曲家の意図に反しています。

指は、キーに対して立てて、指の腹ではなく、指先でキーの穴を塞ぐようにあてましょう。

書いているアーティキュレーションは、必ず守りましょう。

先生の耳は、どんな音のブレも逃しません。
自ずと集中し、慎重に演奏することになります。

諦めないで、練習しましょう。その集中を持って。



I先生のマスタークラス

2016-07-18 21:19:21 | レクチャー、マスタークラス

土曜日は、I先生のマスタークラス。
何か特別なやり方や、難しいことをするのも、しっかりとした基礎があってのこと。

初めにするのは、ロングトーン。
Ddurのスケールを、1音ずつ。
lentで、4拍伸ばします。クレッシェンド、ディミニュエンドで、ゆっくり音が消えるまで、吹きます。消え終わったら、息をたっぷりとって次の音。

美しい音であること、正しい音程、深く均等なビブラート、大きな音でも、小さな音でも均等なビブラートをかけること。

先生はじっと聞いておられて、1項目でもうまくいってなかったら次の音に進むことはできません。

ビブラートは、場所により使い分ける必要がありますが、まず、均等に吹けること、コントロール出来る状態を作るための練習です。

本当にドキドキします。でも、緊張し過ぎると、上手く吹けません。メンタルのコントロールが、1番大切かもしれません。

リラックスして喉を開いて行うことが、いい音の第一歩です。

あたりまえのことをあたりまえにできるようになること。

その先に全ての技術が、乗るのです。



ジュゼッペ・ノヴァマスタークラス

2016-05-09 22:53:42 | レクチャー、マスタークラス

7日土曜日は、ジュゼッペ・ノヴァさんのマスタークラスを受講しました。
曲はテレマンのファンタジー2番 a-moll  通訳は山本純子さん。

その日の一人目、会場はドルチェ楽器の9階アーティストサロン。
1時から練習できるということで、吹きながら待っていると、20分前にお二人が入ってこられて、ご挨拶すると、「こんにちわ。」と日本語で言われ、ちょっと待ってくださいと荷物を置いて外に出て行かれました。
外で談笑されているので、またひとりで練習。
今度は、時間の2時にぴったり入ってこられて、にこやかに名前を聞かれました。

さて、本題。

装飾 スラー

バロック時代は、アーティキュレーションを書く習慣がなかったので、少し柔らかい感じにしたい。スラーデつけます。4つの音譜が続く時は、後の3つをスラーでつなぐとか。この時代は、演奏者と作曲者が一緒だったので、全部を書く必要がなかったので、楽譜にくわしく書いていません。2回目は何か別のものを加えましょう。

ファンタジーは、幻想的という意味、イマジネーションすることが大事。
即興という意味もあります。12個のファンタジーをイメージしましょう。
「メソジックソナタ」という曲がありますが、初めにテレマンがテーマを書き、その後そのテーマに装飾されたバリエーションが続くというものです。それをやるとどうやって装飾を付けたらいいのかがわかります。

例えば、はじめの4分音符に装飾えを付ける。2、4小節目スラーで、9、10に向けて展開。少し柔軟性を持って

タンギングの練習

ダブルタンギングの1つ1つの音を少し長めに、ゆっくりと練習するといいと思います。
舌の動きは絶えず音の動きを阻害するものなので、舌は常に最小限の動きでクリアーな音を出す方法を探さなくてはなりません。
シンプルに、話すように、考えすぎて動かそうとすることで、何か違うことを入れてしまわないように、
ダダダダと言うように、
バイオリンのアルコのように、唇の上に人差し指をダダダダと当てて、これと同じ力が中からあたっているように練習して、それに加えて行く。

テンポ記号の意味

イタリア語では、Vivaceはテンポ記号ではなくて、vi vivo 生き生きしたという意味です。子どもがじっとしていられなくて、あちこち駆け回っているような感じ。

Adagioは、単に遅くという意味ではなく、ad agio 心地よい感じ。すごくゆっくり演奏してしまうと、気持ちよくなくなってしまうので、気をつけてください。
5小節目からのフレーズは、符点を2拍目にもつけます。

Allegroは、単に早くという意味ではなく、明るいという意味があります。テンポだけでなくキャラクターを考えてふきましょう。

繰り返し

人と会話する時、同じ言葉を繰り返しても、1回目とは変えます、2回目は声を小さくしたり、ゆっくり話してみたり、音楽も同じで、繰り返すときは何かを変えましょう。
最悪なのは、同じ調子で繰り返すことです。キャラクター、ニュアンスを変えてみましょう。


Grave 6小節目からのフレーズ下のD、下のEの大事な音を少し大きめに、長めに吹きましょう。レガートで
8小節目のアルペジオは、タンギングで切るのではなく歌手のように、息で歌いましょう。
下降形になった時に顔も下向きにならないように。音程も悪くなるので

vivace 7小節目、15小節目、22小節目の8分音符の後が、フレーズの終止です。

adagio2小節目の休符まで1つのフレーズ。
6連譜の次の音が目的地
ヴァイオリンは1つの弓でフレーズを弾くように、5小節目のトリルは上の音をはっきりタンギングしてから動かしましょう。

Allegro 2小節目のG# 4小節目の下のG#は倚音です。
スラーをつけて解決音に向けてディミュニエンドしましょう。
10小節目の8分音符の半音階は音を切らないで、方向性を大事に。
38小節目に2拍目の頭の8分音符までがフレーズで終止。後は、アルペジオです。

私の演奏について、
ソノリテ、音質はとてもいいと言われました。
タンギングを考えすぎないこと、先生が言われたことを繰り返し反芻しながら練習していると、少しつかめた気がします。長年考えながら行き詰まっていたところに希望が出てきました。
まだまだ私も成長できそうです。
これだから、音楽はおもしろい!


I先生マスタークラス

2016-04-18 22:39:48 | レクチャー、マスタークラス
またしても、地震。

亡くなられた方を悼み、お悔やみを申し上げます。そして、被災された方々に、お見舞い申し上げます。
どんなにか、怖かったでしょう。またなお続く余震の中で、不安な気持ちでお過ごしのことと思います。どうか、お気を強く持って乗り越えて下さい。

私も何か、必ず、何かできることをやります。


土曜日は、I先生のマスタークラスでした。楽器屋さんに行くと大ニュース。大阪にも巨匠マクサンス ラリューがやってきます。80歳超えてますます輝いているフルーティスト、東北の震災時にもいち早く福島でのコンサートを開催しました。10月12日いずみホール6時15分開場、7時開演。
ピアノ蒲生聖子、きらめきフルートオーケストラとの共演です。今から楽しみです。

I先生には、基本奏法を徹底的に見てもらっています。
今日はDdur Hmoll
スケールで、一音ずつロングトーン。
pから一定の間隔でビブラートをかけ、クレッシェンド、ディミニュエンドで、消えるまで吹いた後、次の音。
前回までは、一拍=40で6回の、ビブラートで、4拍、最後はフェルマータで、消音。
今回は、音の始まりは、ビブラートをかけず、しばらくしてからかけ、最後まで音が消えるまでかけ続けます。
先生は、じっと聴いておられて、少しでもぶれたり、ビブラートが均一でなかったら、やり直します。

アルテの音階準備練習。
1オクターブずつ切って、スラーで2小節でクレッシェンド、ディミニュエンド。
なめらかに、ひずみなく。

アルペジオもクレッシェンド ディミニュエンドで、高音のF#は、ここでは薬指でおさえます。
スケールでは、中指を使います。なめらかに移動するのが目的です。
Hmoll
A#は;^_^A#レバーを使います。
このレバーを押さえる時には、人差し指の第一関節辺りでおさえます。
高音のHG#は、小指を上げることを忘れずに、下り中音のC#は、右34を、おさえ、小指を上げます。
アルペジオのF#は、中指で押さえます。
変え指を使うのは、音程や、なめらかに演奏する合理的な場合です。

先生の鋭い耳で、聴かれると、どんなごまかしも、曖昧さも見抜かれてしまいます。
教わったテクニック以上に、その集中、音1つ、1つに向き合う真摯な姿勢から、学ぶことが大きいです。

他のコンサート情報



I先生のマスタークラス

2016-02-15 22:43:44 | レクチャー、マスタークラス

日曜日夕方から、暖かい風が吹く中、新大阪でI先生のマスタークラスでした。
急ぎ足で向かっている途中、突然曇り空から、陽が差して背の高いビルだけが光っていました。
偶然ですが、そこがレッスン場となるビルでした。


自分だけのただ一つの身体と感覚、感性を使って、自分で自分を導くしかない手探りの音楽の道を、明るく輝く灯火を高く掲げ続けて行く道を照らし続けてくださるI先生。

自分の身体をどちらに向けるかは、私次第。
どこにでも行けるということは、樹海の中で迷うように、自分の身体と目や脳の癖で、歩き続けることもあるということ。
左右の足の長さは、人間は均等では無いそうです。
人は何もないところで一人で迷うと、真っ直ぐ歩いているつもりで、短い足の方を内側にして円を描いて同じところを回り続けるそうです。

考えも同じ。一人でいると何を読んでも、何を見ても自分の思考と感覚の癖で解釈するので、自分の中でぐるぐる回るだけで、なかなかキャパは広がらない。

子どもが短い間に成長するのは、他の人の言うこと、見ることを自分の中に真っ直ぐ取り入れ、すぐに使ってみるからです。使う前に批判したり、判断したりしないからです。

科学者のような態度、思考が、自分の世界を切り開きます。

私の癖を私が自分で見抜くより、ずっと早く、たくさんI先生が見つけてくれます。
当たり前ですが。
マスタークラスの間、いくつ見つけることができるか?が、先生と私の鍛錬。
魂の交流する時間。
こういう深い交流は、滅多にありません。

 


I先生のマスタークラス

2016-01-19 21:02:10 | レクチャー、マスタークラス

17日、日曜日はI先生のマスタークラスでした。
枚方で特急に乗り換えようとしたら、トーマス号でした。
外側はすっかりトーマスですが、中のトーマス感はこのシートぐらいです。

トーマスクイズになっていますが、全部わかります。息子たちにたくさん絵本を読んだりテレビを見たり、かつてお世話になりました。


子ども騙しと馬鹿にしないでください。こんなことで、元気が出るし、ワクワクするんです。

ワクワクする時って、脳が活発に動いているんですって。
しかめっ面して仕事に取り組むより、笑ったほうが能力が出るらしいですよ。
かけっこだって、笑って走ったら数秒早くなるそうです。
笑い顔を作るだけでも能力が上がるんだから、心からワクワクしていれば、もっと能力が上がります。

まぁ、能力が上がらなくったって、辛い顔で時を過ごすより、笑って生きてたほうがずっといいなって思います。

I先生のレッスンは、マンツーマンで、私が吹くと、「ちょっと待って、そこはこんなふうに。」と先生が吹かれます。

私が、聞いたと思ったように吹くと、「えーっと、こんなふう。」とまた吹かれて、
私がまた吹くと「こんなふうになってるから、こんなふうに。」と、何度も吹けるようになるまで、次にはいけません。

言葉で、音を説明することはあまりされませんので、文章にするのは難しいです。

音程、ビブラート、指使い、タンギング、スラー、スタカート。
スラーとはどんな音になるのか?タンギングはどんな音なのか?
ここのタンギングはどういうタンギングが適切なのか?
言葉ではなく、音にして聞かせる。その方法は徹底しています。

初めての時は緊張もあって、違いがわかりませんでしたが、集中して聞いていると、だんだん違いがわかってきました。

音の幅の正確さ。タンギングの強さ、弱さなど使い分け。ビブラートのかけ方。
レガートのなめらかさ。

先生のもっておられる型の質の高さがひしひしと感じられるレッスンです。

かえ指の指使いも合理的で、適切です。
学んできたことはすべての曲を演奏する時に適応できるように、演奏してみます。

言われたところを全て気をつけて演奏できたので、もういいだろう、と思って持っていくと、次はもう一歩深めた奏法を教えてくださいます。

新しいページが開いたような気がして...おかげで、おもしろくてワクワクがとまりません。

実践的で、わかりやすい。・・・ただし書けません。
マンツーマンなら吹いてお伝えすることはできるのですが!


フィリップ・ベルノルドマスタークラス

2016-01-07 23:20:43 | レクチャー、マスタークラス

1月6日ドルチェ・アーティストサロンでフィリップ・ベルノルド先生の、マスタークラスを聴講してきました。
パリ高等音楽院、フルート科と室内楽の教授、数々の賞を受賞され、最近では指揮者としても活躍されています。


曲目はタファネルのミニョンファンタジー、同じくタファネルの「魔弾の射手」最後がライネッケの「フルートコンチェルト」

曲のことも取り上げられましたが、公開レッスンですので、みんなに応用できるような基礎的なことを多くお伝えしたいと思っていますとことわって、始められました。
なので、ここでも共通して使えそうなことをご紹介したいと思います。

イメージとパッション
どの曲も、その曲のイメージ、何を伝えたいと思って書かれたのか?意味を考え、イメージをしっかりと掴んで、そのパッションをもってはじめることが大切だと言っておられました。

たとえば、ミニョンなら、始まりは明るく、激しい感じ、魔弾は悲劇の始まりのような感じ、ライネッケなら、ピアノの重厚な音の後、少し何かに驚いたような感じで入り、レスタティーボ(ストーリーの本題ではなく、繋ぎや説明に用いられる独唱のような箇所)のような感じで、本題は28小節目から始まる。というような具合です。

そして始まりは、前に弾いていたピアノのエネルギーを取るような感じで始めましょう。

ブレスの取り方。
フレーズをあまりブツブツ区切りすぎないで、音楽的で適切なところでとりましょう。
魔弾やミニョンの導入部のように動きがあるところで、息が続かないという時は、タファネル&ゴーベールの1課の練習を2段続けてノーブレスでスラーで吹くような練習をしするのがいいでしょう。
歩きながら練習することもいいです。

そして、ブレスはそのフレーズが激しく早く動いているときは短く素早く取る、ゆったりとしたところでは拍に合わせて吹くなど、場所によってキャラクターが変化しているようにブレスも変えて取ることが必要です。

それから、初めのカデンツァの下りなどは、音量を変えたり、早さをゆっくりから早くまたゆっくりとすることで、息のコントロールができます。フェルマータも、場所によってはそんなに長くしなくてもいいところもあります。

ビブラート
ビブラートは、1920年モイーズの頃はずっと掛け続けるのが当たり前でした。こんなふうにと、すべての音にビブラートをかけて吹かれました。しかし、今はノンビブラートで吹くことを試してください。
ミニョンの30小節目からや60小節目からのメロディ、魔弾のアダージョなどを、ビブラート無しで吹いてみましょう。

ピアノは、ビブラートがつけられない楽器です。それでも素晴らしい音楽ができます。

バロック時代にはビブラートはありませんでした。ブラームスの曲もビブラート無しで素晴らしい演奏を聞いたことがあります。

ビブラートを全くかけないでと言っているのではありません。
フルートを習い始めた子どもは、全部ノンビブラートこんな感じ・・・と実演されました。棒吹き。
次は、成長してビブラートをかけることを覚えた時はこんな感じ・・・全ての音にビブラートをかけて、やはり棒吹き。
どちらも同じです。

大切なことはできるだけシンプルな音楽を作ることです。シンプルなものが、人の心を打ちます。
試してみてください。
ビブラートは管の中にあるとも言われました。

タンギング
タンギングは、tu du di など言われていますが、歯の間から舌を出し、唇の裏側でします。
練習するときには、こんなふうではなく(同じ調子で強く機械のように吹いて)、スラーとスタカート2つずつくくりながらスケールを吹いて、こんなふうに練習しましょう。
初めのようなタンギングは、曲の中では使えません。使えるようなタンギングを練習しましょう。
ミニョンの135小節目からのタンギングは、これは18世紀のゲーテの物語ですが、19世紀のトマがリメイクした物語です。あまり神経質にならず、軽快なタンギングで演奏しましょう。

ライネッケの210小節目のスラーの間のタンギングは、こんなかんじでと、田園の有名なフレーズを吹かれました。

アーティキュレーション
正確に、メトロノームでゆっくりから初めてください。
魔弾の70小節目。ライネッケの105小節目からなどの、アーティキュレーションは正確にそして、キラキラした感じで。

インターバル
何度も先生がインターバルと言われていたのですが、なんとなくわかったような気がするのですが、後で調べてみました。
インターバルというのは、英語では 間、へだたり、とか、幕間、休憩時間などと訳されます。
音楽用語でいうと、音と音の間の音程。音の差、距離、幅、関係。1度とか、2度とかいうことを言います。

インターバルを味わって演奏しましょう。という言い方をされました。
例えば、ミニョンの冒頭、中音Cのアウフタクトから高音のGに行く時、
29小節目の最後の8分音符二つ、Bから高音のDに飛ぶとき、大切に味わって、少し控えめのPから、クレッシェンドして次の音を出す。

ライネッケの29小節目のG#からC#、A#からF#、174小節目のC#からF# 175小節目F#からH、176小節目A#からF#など、ライネッケの場合はインターバルごとにだんだん高揚してくる感じ。
ロマン派の特徴です。
ライネッケの199小節目のEのオクターブは大きなインターバルです。fを書きましょう。

少し息の圧力を上げるとインターバルのあるときのレガートが演奏できる。といことも言われていました。

スケール
スケールの上行形では、息の勢いを頂点に向かって上げていく、下りはゆっくりしていく。
例えば、魔弾の185小節目の上りから、186小節目の下りのようなところです。

その他
メロディを歌ってみること、イメージトレーニングも大切。
コンチェルトはピアノ伴奏ではなくオーケストラなのでPと書いてあっても、そんなにPにはできません。聞こえなくなってしまいますから。
音に芯を作りすぎると音程が犠牲になるので、気をつけて。
ミニョンの111小節目のロングトーンは、クレッシェンドで終わってもいいと思います。長いし、そのほうが楽だし、オペラの感じがするので。

感想
文章にしてみると淡々としているように感じられるかもしれませんが、あちこち動いたり、指揮をしたり、オペラ歌手を演じてみたり、座ったり立ったり、とてもアグレッシブなマスタークラスでした。
音楽は伝えること。伝えることに先生の喜びと情熱を感じました。

また、通訳のJYさんはお弟子さんなので、実際に言葉にされていることの、本質、意味をわかって噛み砕いて通訳されていたので、とてもわかりやすかったです。素晴らしかった。彼女にも拍手を送りたいと思います。