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木綿のハンカチーフ・・・2021-08-29

2021年12月18日 | I LOVE M&S 

最近、よく耳にするのが

木綿のハンカチーフ。

ストーリー性のある歌詞のため

最後まで、歌われるのが常である。

考えてみれば、もう40年以上前の歌であるのと

自身もふけたことで、

その当時、なんとも思わなかった歌詞が

違って見えてくることに気が付いた。

歌詞の作りは

男女の問答歌のようになっている。

******1

(男)

恋人よ 僕は旅立つ
東へと 向う列車で
はなやいだ街で 君への贈りもの
探す 探すつもりだ

(女)
いいえ あなた私は
欲しいものはないのよ
ただ 都会の絵の具に
染まらないで帰って
染まらないで帰って

*******2

(男)
恋人よ 半年が過ぎ
逢えないが 泣かないでくれ
都会で流行(はやり)の 指輪を送るよ
君に 君に似合うはずだ

(女)

いいえ 星のダイヤも
海に眠る真珠も
きっと あなたのキスほど
きらめくはずないもの
きらめくはずないもの

*******3

(男)
恋人よ いまも素顔で
口紅も つけないままか
見間違うような スーツ着たぼくの
写真 写真を見てくれ

(女)

いいえ 草にねころぶ
あなたが好きだったの
でも 木枯しのビル街
からだに気をつけてね
からだに気をつけてね

********4

(男)

恋人よ 君を忘れて
変わってく ぼくを許して
毎日 愉快に過ごす街角
ぼくは ぼくは帰れない

(女)


あなた 最後のわがまま
贈りものを ねだるわ
ねえ 涙拭く
木綿のハンカチーフ下さい
ハンカチーフ下さい

*********

なんだかね~~~~。

3番までの(女)側の歌詞を見る限り

全て、否定なんだね。

少しでも、「恋心」を伝えたい(男)に対して

ーいいえー

ーいいえー

ーいいえー

なにか、「嬉しいわ。想っていてくださるのね」って、気持ちが前に出てこず

無くしたものー昔のあなた を引っ張り出しては

前のほうが良かった。と、文句を垂れているように見えてくる。

決定的なのは

いいえ 草にねころぶ
あなたが好きだったの

深読みすれば、ここで、彼女は

彼をふっている。

もう、違うあなたになってしまってるのよね、

今のあなたは、もう好きじゃないわ。

と。

そして、彼にすれば

都会で生活し、将来を考えているわけだから

乙女の感傷に付き合っている場合じゃないし

逆に、彼女にー今の自分ーを全否定されたようなもの。

ここで、二人の「恋」の本質、正体が暴露されている。

ー過去ーと決別できない彼女は

ー昔の恋人の幻影ーを

今の彼に突き付けてくる。

*********

そして、このあと、しばらくして

「大阪で生まれた女」がヒットしたと思う。

*********

大坂で生まれた女やさかい

大坂の街、よう捨てん

大坂で生まれた女やけど

あなたについていこうと決めた。

*********

よく似た話が、実際に在った。

被差別部落出身だった「女性」が

過去、交際相手の会社ぐるみで、交際を反対された。

交際相手は、

彼女と交際を続けたいなら、この会社を辞めるか

この会社に居たいなら、相手の女性と今後一切かかわらないか

と、いう「むごい」選択をかされ、

結局、彼女が身を引いた。

そんなことがあったので

「女性」は、次に知り合った「恋人」からの求婚に対し

ー私は被差別部落出身者ーである、と、告げた。

もしかしたら、男は逃げ出すかもしれない。

悲しい結果が待ってるかもしれないが

土壇場になって、崩れ去るよりはよほど良い、と

覚悟を決めたのだろう。

(個人的には、そんな偏見に負けるような相手と一緒になったって、

ろくなことにならない。困難があるたび、のりこえていかなきゃなるまいに・・・)

すると、相手の方は

「僕は(被差別)部落と結婚するんじゃないよ。

君と結婚したいんだ」

と、偏見?困難?

なんや、それ?

と、いうくらい、胸のすくような返事だったそうだ。

**********

大坂で生まれた女も、「大阪」という土地と

「あなた」という人間とを

量りにくらべていたところから、

一転して、大坂から「例えば、東京」に、変わるのでなく

大坂 から「あなた」という、立ち位置、視点変換を行う。

大坂魂(商品名ではないwww)のまま、大坂人らしく生きていこうと決めたら

「あなたについていこう」となる。

見事といってよい、生き様を指し示すわけだけど・・・

一方の木綿のハンカチーフ。

なんで、この娘、彼を追いかけないの?

と、思ってしまう。

最低限、自分を想ってくれる恋人の気持ちを追いかけないの?

逢えないが泣かないで、

と、言っているのに

ー逢えなくて、どうにもならない物事をひきあいにだしてきてー

いいえ 星のダイヤも
海に眠る真珠も
きっと あなたのキスほど
きらめくはずないもの
きらめくはずないもの

ー思い出の中の恋人に「恋している」彼女ー

ーさみしいだろうと、気遣う彼氏ー

二人の想いに、温度差を感じる。

********

彼にすれば、

恋人にうけとめてもらえない「今の自分」と

自分を肯定してくれているだろう「今の環境」

そのはざまに立てば

彼女の幼いメモリーの中に生き続ける困難や息苦しさが見えてくる。

自分を肯定しようとスーツの写真を渡せば

頑張ってるんだね。ではなく

草に寝転ぶあなたが良い。と・・・

これまた、否定となれば

身体に気を付けろというのは

いずれ、帰っていったときに

草に寝転べるような丈夫な体で居てくれ・・・

と、いっているようにさえ、聴こえてきて

「あなた」を思うより

「自分のメモリー」をどうにか、復活させたいという風にさえ、見えてくる。

そりゃあ、これだけ畳かけられてしまえば

むしろ、彼女を思う気持ちから逃れたい、と思うようになるだろう。

踏ん切りがつかないままでいた、

「彼女の自分への想い」が、「もうなくなってしまった過去への追慕」でしかないと

気がついたら

受け入れられない苦しさにもがくより

かつ、彼女の幼さをうらむより

「この場所で生きよう」としている自分であることを表明するしかなくなる。

彼女のきれいな想い出を傷つけないように

彼女の幼さが別れる理由だといわずに

恋人よ 君を忘れて
変わってく ぼくを許して

と、自分が悪いと告げる。

忘れられるようになってしまう、そんな思いしか送れなかった彼女のほうに

原因があるといえるのではなかろうか?と、思う。

**********

そして、彼女もある意味、さばさばしてる。

あなた 最後のわがまま
贈りものを ねだるわ
ねえ 涙拭く
木綿のハンカチーフ下さい
ハンカチーフ下さい

 

最後のわがまま・・というのだから

今まで、ずっと、わがままをいってきた

と、いう自覚はあったという事だろう。

と、いうことは、

彼女は、計画的に

「もう、今のあなたじゃ、無理だわ」っということを

つきつけて、最後にとうとう、男に自分が悪かった。と言わせることで、

決着をつけ、幕を引きたかった。

その幕切れへの感傷が起きることを

「私は泣くわよ」と、ハンカチーフください。という言葉で宣言している。

さばさばしているというのは、そこらへんかな。

あくまでも、男が悪いということにすると

木綿のハンカチーフをねだる。

正直、いやみったらしい行動にもみえる。

「死んでやる」と、いわないだけ、したたかなのだろう。

可愛い女というイメージをのこしきったまま、

ふりストーリーが終わる。

現実的に考えれば

ハンカチーフが送られてきてから、泣くか?

それとも、ずっと、ハンカチーフが届くまで

涙もふかずに、ただ、なきつづけるのだろうか?

 

なんとなく、男にとって、

嫌なタイプであろうと思うのに

初恋を胸にひめてしまう「男のロマン」にうなづいてしまうのだろうか?

それも、これも、太田裕美のもつ舌足らずのキュートさが、

「嫌なタイプ」を覆い被せてしまったようにも見える。

多分、彼女だから、

いまだに、歌詞が新鮮で、せつなく思えるのだろう。

 

昭和後期というと、なにか、悲惨というか陰惨なイメージの歌詞が多くみられた。

ー花さえも咲かない二人は枯れすすきー

ーこの町を追われ、いっそ死のうと思ったー

ーあなたと別れた雨の夜は、公衆電話の箱の中膝を抱えて泣きましたー

ー生きてることが悲しいことだとー

無論、明るい歌もあった。

が、反面、年月がその歌をひっくり返す。

ー僕の髪が肩まで伸びて・・・結婚しようよー

三角桂子との結婚だったろうか?

そして、離婚。

瞬時の感情・思いを歌うのだから、

現実と一緒にしちゃいけないが・・・

妙なエレジーを肯定してみたりした半面

生きざまの甘さを柔らかく美しくオブラートに包んでしまったり

色んな時代背景・生活背景があるわけだから、

ー裸電球ーー雨が続くとキャベツばかりをかじってたー

同じ線上では語れないことが多いのは無論だが

若かりし頃に聞いた木綿のハンカチーフに何か、違和感をうすらぼんやりと感じていたのは事実。

 

それが、なぜなのかは、

上に書いたこととはちょっと、違う気がする。

強く、たくましい女性とはかけ離れた女性像に

男性はハートを盗まれたかもしれないが

女性側は・・・

はたして、どうだったのだろう?


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