オンタリオ州ロンドンの中心部から少し西に行った、Dandas St.とYork St.に挟まれた一角にWESTERN FAIRと呼ばれる場所があります。 いったいこれは何なんだろう、というのがこちらに来てからのちょっとした謎 でした。 中には競馬場あり、IMAXシアターあり、スロットマシーンだけのカジノあり、スポーツセンターあり、宴会場(ホール)あり、展示会場あり、広大な駐車スペースもあり、あまりにも多目的で妙に広大な空間なのです。 そもそもWESTERN FAIRという名前の由来も言葉からだけでは何だかよく分かりませんでした。
毎年晩夏に数日間大規模な移動遊園地がここにやって来ます。 ロンドン市民がみんな楽しみにしている一大イベントで、大勢の人で賑わいます。 昨年のこの催しに夕涼みがてらに出掛けてみて、初めてWESTERN FAIRの意味が分かりました。 WESTERN FAIRは毎年恒例の「収穫祭」だったのです。 それがこの場所の名前そのものにもなったようです。 入り口にはWESTERN FAIR 130THの文字がありました。 130年も続いているのですね。 元々ここの施設は、農産物品評会場でもあったようで、移動遊園地で華やいでいる一角には、コンテストで優勝したらしい牛、羊、鶏なんかもちゃんと展示してありました(勿論、生きているヤツです)。
移動遊園地には何ともいえない風情があります。 浅草の「花やしき」みたいな、華やかで賑やかなんだけれどちょっとうらぶれていて物悲しい、といった日本的な「侘び寂び」でしょうか。 少し前の映画ですが、トム・ハンクスの「BIG」なんかにもこんな感じの移動遊園地のシーンが出てきます。 分解してトレーラーに積んで運んでくるらしいのですが、ジェットコースターや観覧車、 大人になっても懐かしく思い出されるんでしょうね。
WESTERN FAIRの施設の中で、IMAXシアターはなかなか迫力があって、お勧めです。 シアター自体は市民たちの寄付でできたようです。 残念な事にIMAXの本社では、こういうシアター向けのプログラムの新規製作は中止してしまったという話も聞きますが、これまでの膨大な映像資産がある筈なので、まだ上映は続くと思います(これを書いた後で、昨年11月に閉鎖となってしまった事が分かりました。 残念)。
私がこちらで勤務している会社では、昨年、一昨年のクリスマス・ダンスをここで行いました。 1500人もの人がディナーを食べて、踊りまくる巨大パーティなのですが、ホールには十分なスペースがあります。 競馬やスロットも一回は経験してみるのも面白いでしょう。 WESTERN FAIRでは年間を通して、色々なイベントが行われています。 中にはゲイ・パレードみたいなものもあるようですが、これはちょっと引いてしまいますね。