今回はちょっとマニアックな話題です。 興味の無い人には???かも知れません。
「ロンドン国際空港」でちょっとだけ紹介したロンドン航空ショー。 残念ながら今年は資金難で中止になってしまったようですが、北米でも結構名前の知れたメジャーな航空ショーでした。 会場のロンドン国際空港は元々空軍基地だった関係もあって、滑走路も長く、敷地も広いので、航空ショーの会場としてはうってつけです。 9.11事件の後、保険料が大きく跳ね上がってしまったそうで、特段のスポンサーのいない ローカルなショーの運営が困難になってしまったのは本当に残念です。 と、いう訳で昨年の様子をご紹介したいと思います。
まず、何といってもショーの中心は、カナダ空軍。 主力戦闘機のCF-18 Hornetの展示 は当然の事、昨年はVIP専用のピッカピカに磨かれたCanadia Challengerも展示されていました。 日本の政府専用機がボーイング747なのを考えると、カナダのVIP専用機は何て質素な、とも思いますが、何しろ国土が広いので、首相がどこかの州をちょっと訪問するにも車や列車という訳にも行きません。 この程度の日常のアシ代わりの小型の機体がちょうど良いのかも知れません。 その他にもカナダ陸軍のCUH-1Nヘリコプターの展示もありました。 隣国のアメリカからは海兵隊のF-18E Super Hornetの参加。 CF-18とF-18Eではちょっと見同じように見えるものの、全くの別物。 特に並べてみるとその違いは歴然です。 年代モノの複葉機や軽飛行機の展示もありますが、変わったところではロンドン市の救急ヘリSikorsky S-76。 確かに市内のビクトリア病院やWestern Ontario大学の大学病院ではヘリポートが完備されていて、たまに着陸する様子を見ることがあります。
全体として、どこかの航空機メーカーが何かを売り込もう といった様子も無く、ロンドン市民の憩いの場的な、何かほのぼのした航空ショーです。 見ている人たちも、ピクニック気分です。 シャッターチャンスを狙って、目を吊り上げて殺気立っているマニアの姿もあまり見かけません。 別にそんな事をしなくても、撮影スペースはどこにも十分 あります。 退役軍人らしき爺さんたちが、空港の脇にある空軍協会のクラブハウスでのんびり古本なんか売っていました。 古そうな建物なので、結構歴史があるのだと思います。
そして、ショーのハイライトはカナダ空軍の誇るアクロバットチームのSnowbirdsの展示飛行。 機体は、CT-114 Tutorという1961年から使用を始めたかなり古い、ちょっとパッとしないジェット練習機です。 然し、一旦空に舞い上がると、これが大変な迫力。 先ず、チームの特徴は 一度に飛ぶ機体の数が多い事。 基本的に11機のチームなのですが、この日は9機が飛行しました。 2機は予備なのかも知れません。 これだけの数の機体が一糸乱れずに飛行する事自体驚異的です。 いくつもの華麗な演技を披露した中で、真正面から衝突ギリギリのところですれ違う「ジャックナイフ」を見た瞬間は本当に鳥肌モノでした。
航空ショーそのものとは全く関係ありませんが、駐車場で意外なものを発見しました。 「SUZUKI RE5」。 この名前を知っている人はかなりのバイク好きです。 日本のスズキが1975年に発売した世界で唯一のロータリーエンジン搭載の市販バイクです。 デザインはイタリアの名デザイナー、ジウジアーロ。 発売後2年にして生産中止になった為、 超希少価値。 世界でいったい何台残っているだろうというくらいのモノです。 これが何気なく、駐車場にポツンと停めてあったのです。
何はともあれ、来年こそはロンドンの市民航空ショーの復活を願うばかりです。