今 日 の 出 来 事

今日あった出来事、感じた事を綴ります…

紫陽花と日本三奇橋

2016年06月22日 | 旅行・レジャー・ドライブ
今日は〇ベー君の希望にほぼ沿う形で安近短な鉄旅である。彼が仕事上がりで駆けつけるため、集合場所が特急かいじの車内という、非常に時間タイトなスタートとなった。なんと今回は交通費と弁当代は彼の驕りという大変有り難い、拝みたくなるような行楽だ。発車ベル直前のギリギリセーフで飛び乗って合流成功。もし乗り遅れたら一人旅になる所だった(汗)

途中で買ってきたさぼてんのヒレカツ弁当と自前のサンドイッチを発車とほぼ同時に御開帳。今日は中央線の「猿橋駅」で降りるが、特急は停車しないのでひと駅先の大月で下車して戻る形となる。という事で今日は猿橋ぶらり旅だ。

今まで車で来た事はあるが、電車で来たのは初めて。なので駅の改札を通るのも初めてだ。前回は手前の梁川駅界隈を探訪したが、今回の猿橋は見所がある、ちょっとした観光地なのだ。駅名の由来となった日本三奇橋のひとつ「猿橋」がここにはある。
かいじは高尾を過ぎると車窓の山々がグンと近づいてくる。不安定な天気だけど雨が降らないのは嬉しい。山上も靄がかかって幻想的な風景を楽しめる。
やがて大月に到着して、既に隣のホームに居る普通列車に乗り換える。

乗り換えはスムーズだったが、ここで在来線に遅れが出ているため足止めを食らってしまった。割と分刻みのスケジュールなので若干痛い。

6分ほど遅れて大月を出発。一駅戻るだけだが、都心の一駅と違って駅間が結構長い。新宿~代々木間の何倍あるんだろう?←と思って調べたら駅間は2.5㎞だそうだ。となると5倍ぐらいかな…。
程なくして猿橋駅に着いた。平日の昼下がりで降りたのはウチらだけ。島式ホームは意外と幅が狭いが、留置線があるので敷地は広々としている。

初めて降り立つワクワク感で改札を抜けたが、人の往来はなく閑散としている。まあ朝夕はそれなりに混むんだろうな。ウィキペディアによると、ここは無人駅ではなく業務委託で有人だ。創業は1902年(明治35年)とかなり古く、最初は「さるはし」ではなく「えんきょう」と呼んでいたが、今でも地元の人は「えんきょう」と呼んでいるそうだ。

1997年に出来た駅舎。ちょっと下がって全景を収めると、どうも猿橋をイメージしたデザインに思えてくる、なかなか洒落た景観だ。広い駅前ロータリーには山梨中央銀行のキャッシュコーナーがポツンとあるだけ。隣には都留信用組合と金融系だけだ。せめてコンビニの一件でもあるかと思ったら何もない。

北口駅前から並走する国道20号線までは少し歩くので、ショートカットで線路脇の細道を歩いた。こういう時ハンディGPSがあると見当が付き易いから実に重宝だ。猿橋駅から東京方面に戻る形で歩き、やがて国道20号線に出る。名勝の猿橋までは約1キロほど歩く。途中で国道20号線から反れて猿橋公園を抜けるルートを選んだ。桂川に降りていく道は結構級坂で国道とは思った以上に高低差がある。

高低差のある道行は結構堪える。雨が降らないのが何より嬉しい。もっと嬉しいのがカンカン照りにならない曇り空だ。お陰で汗だくにならずに済む。でもこの微妙な湿度は些か厄介だ。せっかくのぶらり散歩だから、目に心地よい物をと、猿橋公園の「アジサイ遊歩道」を通って猿橋に行く事にした。
その前にちょっと下って桂川の河原に出てみた。広々としたゆるい流れにアユの管理釣り場があって、その先は突然両岸の岩が険しくそそり立って桂川渓谷を形成し、猿橋の景観に一役買っているのだ。

アジサイ遊歩道とはよく言ったものだ。看板に偽りなし!見事な紫陽花のオンパレードである。

かつてこんな凄い群生を見た事がないほど沢山の紫陽花。強いて言えば鎌倉の明月院ぐらいだろうか。

これだけ紫陽花だらけだと、どこにレンズを向けて良いか迷ってしまう。時期的にもうそろそろ見納めだろうか?

狂喜乱舞に圧倒されながら遊歩道は続く。やはり察知した通りさっきの険しい渓谷に向かうとなるとキツイ登りが待ち構えている。

猿橋まではあと200m足らずだが、高低差を考えるとスンナリ行かないものだ。これが疲れ知らずの20代ならチョロイ所だが…。

遊歩道も息切れしながらようやく上まで昇って、そのカーブを曲がれば真打登場だ。日本三奇橋とは、山口「錦帯橋」・長野「木曽の桟」・山梨「猿橋」の3ケ所だが、諸説あって徳島「祖谷のかずら橋」を入れる場合もあるようだ。また日光にある「神橋」を上げたりとどうも定まらない。木曽の桟はもう存在していなくて名前だけなので、かずら橋を入れる説が有力のようだが、そんなに混乱するなら何も三でくくらなくても良いと思うんだが…。

今や両端を現代の橋が通り、ちょっと影を潜めた感があるが、その存在感は堂々としている。両サイドから迫り出した刎木(はねぎ)によって支えられている珍しい構造。安藤広重の「甲陽猿橋之図」でも有名な国の名勝だ。江戸時代から三奇橋と数えられていたそうだ。長さは31m、谷の深さも31m、こじんまりとした橋は向こうに渡っても民家しかないので結局戻ってくる事になる(笑)

敷地の端に喫煙所と公衆トイレがあって、意外と気付きにくいのだが、そのトイレの建物に隠れるようにひっそり「猿覚善大神」祀られている。由緒は昔身延山に向かう日蓮上人がここにさしかかった際、数百匹の猿が橋を造って日蓮を渡らせた伝説に因んでいるらしい。合掌。
ちょっと崖下に目をやると、水量豊富な八ツ沢発電所第一号水路橋が見られる。文字通り水を通すだけのために架けられた橋だが、これが国指定の重要文化財というから神々しい。

ちょっと戻って猿橋の橋上から見ると水路橋と国道20号線が通る新猿橋を拝む事ができる。橋の袂には猿王を祀る山王宮があった。思わず悪制退散を祈願した。

戦国時代は武田信玄が甲州防御の拠点として猿橋に幾度と陣を張ったそうだ。閑散とした名勝地もそう考えると実に奥深い。目の前の大黒屋は定休日で閉まっていたが、ここで食事をとってのんびり時間を忘れるのも乙なもんだろうな…。
国道20号線方面に進むと歓迎アーチがある。本当はこっちが名勝地の表玄関なのだろう。ウチらは公園側からひょっこり上がってきたのでプロローグが後回しになってしまった(笑)

という事でこれにて名勝猿橋探訪はオワリ。時計を見ると帰りの電車に間に合うか微妙な時間帯だが、逆算するとそう焦る程でもないようだ。来た道を戻るが公園のアップダウンは時間オーバーになるので、素直に国道20号線を駅まで歩いた。

帰路も来たルートと逆パターンで、大月まで出て特急で帰る形となる。
大月ではちょこっと駅前の桔梗屋東治郎でお菓子を数点買った。

早々に帰路だが、入線した特急かいじ116号は自由席が結構埋まっていて焦った。車内徘徊して奇跡的に並び空席を確保できたまでは良かったが…。

車内酒盛り用のお菓子は確保したのに、何故か肝心の酒を買うのを忘れてしまった(爆)…。よって帰りのお楽しみはポンジュース盛りだ。

帰りの車内は終点まで寝落ちナシ。記憶はハッキリしている。いや、それが普通なんだけど、パターンとしては激レアである!
という事で、今日の猿橋ぶらり散歩は、いつも通過点であるこの地を割とジックリ堪能できて有意義だった。できればもっとのんびりしたかったが、今回は時間的にこれが精一杯である。さて次回はいつ?何処に?出没するやら…。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする