コロナ自粛でお休みしていた御酒印の集まり、まだ微妙だけど休日変更が難しいので強行する事にした。今日は久しぶりの中央線沿線ネタなので、朝G君と合流して新宿で乗り換え、快速で高尾へ向かうのだが通勤時間帯でかなりの混雑だ。でも途中駅の乗り降りで奇跡的に座れたので寝落ちで体力温存。
終点高尾駅でC君がギリギリセーフで合流してようやくスタートを切った。でも今日の目的地は高尾ではなくその先の上野原なのだ。長年この路線を行き来してるのに上野原で下車するのは今回が初めて。
山梨県の東端に位置する上野原駅は桂川の河岸段丘の縁に在って、北口駅前・ホーム上・南口駅前で其々高低差がある三段構造なのだ。そんな特殊な造りのためかホーム上に改札があろのが面白い。
近くに高校でもあるのだろうか、降りた時は学生だらけの通学ラッシュだった。
さて駅前からは路線バス移動となる。今日のミッションは上野原最強パワースポットと言われる軍刀利神社参拝である。そこまでのアクセスは本数が少ない「井戸行き」に乗るのだが、乗車の9:47を逃すと15時まで無い、時刻表ならぬ正に地獄表なのだ。
目的地の終点井戸バス停までは30分もかからないが、バスは市街地を抜けてどんどん山間部に分け入って行く。これは散歩レベルではなくハイキングだと言いたくなる程バスは高度を上げて一同唖然・・・
「ちょっと~!どんだけ山奥なんだよ」と非難堂々。自分もこの秘境感にドン引きだった。というのも帰りのバス時間をチェック出来なかったからで、もしアクセスが悪かったら徒歩移動も視野に入れていたのだ。
でもこの壮絶な距離を時間内に歩くなんて不可能に近い。往路から早くも絶望感を抱いて終点に到着。
すぐに時刻表をチェックすると井戸から上野原駅行は14:31とある。微妙・・・
お目当ての神社はバス停からスグという訳ではなく、県道522号(棡原藤野線)を暫く歩く。陽射しが出て汗ばんできたので早くもバテ気味(笑)・・・しかし神社への道はこんなもんではなかった。
暫く歩くと集落の分岐にようやく神社の案内看板が現れ、軍刀利神社と彫られた立派な石柱が立っている。ここが神社のポータルでいよいよ神域に歩を進めて山谷に分け入って行く。ここからはずっと登り勾配という過酷な散歩だ。
やがて一ノ鳥居が視界に入ってきた。一礼して暫し休憩をとる。
しかし鳥居から先、延々と続く急勾配の登り坂に一同テンションが凍り付いた(汗)
ネット地図の予習でおおまかな距離感は掴んでいたが、登り下りの高低差までは頭に入ってこない。
健脚や若い人ならどーって事ない距離だろうけど、50過ぎた不健康者には拷問だった(爆)
ストリートビューで坂道だというビジョンは認識していたけど、実際こんな凄い坂だとは。考えが甘かったね。もうこれはハイキングレベルじゃなくて登山だ(笑)
暫く登ってヘトヘトになった頃ようやく神社っぽい建物が見えてきた。でもこれは神社ではなく社務所で、神社の例大祭など祭礼の時以外は閉まっている。
恐らく時期的にまだ御朱印授与はやっていないかもしれない。しかし御朱印がダメでもここに参拝で来れただけでも有意義である。でも一応御朱印の最新情報はないかとスマホを出したら圏外だった。3人とも別々のキャリアで何処も・あ~う~・犬オヤジ3社圏外で全滅だった。繋がらないって結構高度上がってきたんだろうなぁ。位置的には山梨県の一番端っこ、東京神奈川山梨の三境にある生藤山の中腹に在る。神社まではあと一息だが社務所の縁台で暫く休憩する事にした。陽射しはあるが風もあるので居心地が良い。見えるものは深緑のみ。そしてストロングな急坂一本。こんな景色は都心には絶対無いのでエンドレスで眺めていられるが、そう長居もできないので渋々腰を上げた。とは言っても社務所での休憩1時間強、さすがに足腰は癒えたので登坂続行。社務所から5分程でようやく神社の二ノ鳥居に到着。時刻はちょうどお昼、振り返るとまぁよく登ってきたなこんな道・・・
いや、来た道よりも鳥居を見て一同絶句・・・更に傾斜が急な石段が上に伸びていた!
「ちょっとさぁ~まだ登らせんのかよ~」と愚痴るのも無理はない。アラフィフとアラカンは心が折れた。唯一40代のC君が黙々と上がって行く。いやいやこの神社ハンパないわ(爆)
軍刀利神社は永承3年(1048年)5月創建と由緒沿革の案内板に記されている歴史の古い神社。かつて棡原村井戸地区の鎮守「軍荼利夜叉明王社」として信仰を集めていた。軍刀利の名は軍荼利明王に由来し、明治の廃仏毀釈で明王を廃し日本武尊を祭神として迎え入れたそうだ。鳥居傍らの手水舎で清めて石段にトライ。傾斜が急なので手摺が無いと危険かも・・・
ヒーヒー言いながら百段以上ある石段をクリアしてようやく到達!
無人の社殿ながらも例えようのないオーラのようなものを放っていた。ここまで来れた達成感も併せて脳天にグンとくるものが・・・あったかどうかは不明だが、疲労困憊の身体はネガティブモードじゃなくなった。色んな意味で凄い神社だ。でも残念な事に「コロナ感染対策のため当面の間御朱印授与は中止」との断り書きがあった。という事で苦労の甲斐なく御朱印は頂けない。でもここに来れただけでも満足である。参拝を済ませてミッション完了。ではなく、まだ続きがあって背後に「奥宮」が控えているのだ。ひと呼吸おいて奥宮へ向かった。神社本殿の脇に奥宮へ至る道が続いている。
少し行くと奥宮一ノ鳥居が見えてきた。参道は既に舗装が途切れて車も通れないダートの山道が続く。本殿までの過酷な参道ほどではないが緩やかな登り勾配。陽射しがキツイのと「熊出没注意」の看板に軽く危機感を覚えた。徒歩5~10分程で二ノ鳥居が見えてきた。これは凄い景色だった。
社殿はこじんまりとしていて、それと対照的な巨木「大桂」が聳えている。SNSのクチコミでも好感度はかなり高く、軍荼利神社参拝の際は多少の苦労はしても奥宮は是非行く事をオススメするのだ。
大桂は山梨県指定の天然記念物で推定樹齢500年、高さ33mで根回り14mの大木。インスタはやってないけど映える存在感だ。
御利益は延命長寿・縁結び・厄除け・招福等々。真摯にコロナ地球上根絶を祈願したのは言うまでもなく、併せて南無云々諸々で合掌して本日の参拝終了。・・・と思いきやまだ続きがある。本殿・奥宮ときて、この先山頂に山宮(軍刀利神社元社)が控えているのだ。これは元々神社があった場所で、聞くところによると延徳年代に山火事で現在の地に遷座されたそうだ。では向かおうと思ったが奥宮から1時間はかかるらしく、今回は尺の都合で断念・・・
参拝後癒しのパワーを戴いて深緑を目に焼き付けた。緑も深いが恐らく冬は雪も深くなるのだろう。
さて問題は帰りだ。駅までどうやって戻るか?・・・徒歩で行く気力ナシ。タクシー呼ぶにも無駄金ナシ。と思ったら時間的にもうちょっと休憩を取れば、井戸バス停の14:31発は射程距離に入ってきそうだ。
という事で暫くの間森林浴と神社パワーを存分に味わって13時過ぎに下山。
本日はガチで登山芸だったね。しかし尾根縦走でもないので帰路はピストンコースで来た道を戻る。よくもまあこんな坂を上がってきたものだと感心するやら呆れるやらで何とかバス停まで戻ってきた。
既に発車待ちのバスを見てようやく心配事が吹っ切れた。しかし凄い神域だったな。ここは御朱印まだだからまた参拝に来よう。往路にあれだけブーブー言ってた面々も、不平不満のまんま終わるかと思ったら意外や大絶賛だったので、今回の御朱印肩透かし苦行参拝は大成功。しかし大失敗だった事がある。昼飯がまだだった・・・
神社は大好評だったが今度は腹減ったコール連発。アレコレ議論した結果、ラーメン等中華系で話がまとまった。
という事で一同上野原から空腹を我慢して八王子へ。
十数年ぶりの八王子は様変わりしていて、さっきの深緑と同じ位衝撃的だった。
C君地元のオススメで一平に入ってご当地八王子ラーメンと餃子を頂いた。シメにビールで乾杯して無事流れ解散となった。てか県跨ぎってまだ解除じゃなかったの!?・・・ありゃまとんだ勘違いしてたゎ(汗)