YB&YBRダイアリー

中国ヤマハのYB125SPとYBR125でバイクライフを満喫するブログ
(自己責任を伴う整備・改造を多く含んでいます)

タンクキャップの呼吸口の話

2018年09月02日 | YB&YBR関係雑記

 雨で暇だから燃料タンクのキャップの話を書いてみるよ。

国産ヤマハ車にも使われている伝統の形。w

さて、環境対策法関係でこのキャップに呼吸口がある年代と
排除された年代が存在するわけだけど、中古車体や修理などで
旧型に新型のキャップを付けると不具合が起きるのだ。

 旧型の構造。

キャップに呼吸口が有り、内部気圧を外気圧と同じにすることで
燃料排出を円滑にすると共に、真夏の高温で蒸発するガソリン蒸
気を大気に放出させてタンク内の圧力が上がらないようにしている。
これが昔の方法。

 新型の構造。

EURO3規制車体からはガソリン蒸気の大気放出を禁止して、活
性炭のキャニスターを介して燃焼させる機構が義務付けられた。
よってキャップには呼吸口が無くて密閉構造になったのだ。

いったいどんな構造差があるのか気になってたから、この目で
確かめてみたくなって調べてみたよ。

 旧型セット。

YBR時代に買い置きしていた予備のキャップ・メインスイッチ・
サイドカバーキーの3点セットを取り出してみた。

 比較してみた。

う~ん、さっぱりわからんw
ところが良く観察すると違いがあったのだ。

 こんな所に穴が!

旧型には穴がある!
ここは傘の裏みたいな位置で外気側になるのは確かだね。

 旧型をそのまま分解してみた。

ロック機構はこんな感じ。

 さらに分解を進める。

ここまで分解可能だと分かった。
謎の穴付き部品がある。

 新型であるYBのキャップも分解してみる。

穴が無い!
 旧型の謎部品の右側が偶然にも外れたので観察。

やっぱり穴を通じてタンク内とタンク外を呼吸できる構造になって
いたよ。

 実は何名かの方が中古YBRなどを入手したけど、タンクキャッ
プを新しい物に交換したら不調になった話があり、規制年代をま
たいで旧型に新型キャップを使うと呼吸困難になってガソリンが
キャブへ流れにくくなる症状が出るのだ。

タオバオでセット購入する時などは年代や車種を特定限定して入手
しないとならない。
しかも果たして呼吸口付きが本当に来るのかも不安要素。w

 対策案。

要は穴を開ければよいので、この位置に1.5mmの穴をドリルで
開ければ済む。
サイドスタンド駐輪時に大雨が降ると右側Aに多く雨水が流れる
関係もあるので、BとCのみ開ける考えもあるね。
正規旧型のAの部分がスチールボールのワンウェイバルブ構造に
なっていたのは、この関係だと想像する。
AやBに穴開けしたら、そこにスポンジ片でも埋めて防塵構造に
すれば良いかな?

 穴あけにはピンバイス構造のドリルが最適。

ダイソーでこんな精密ドリルが売られているので、ゆっくり開け
表の金属カバーを貫通しないようにすれば良いと思う。
樹脂構造体と金属カバー間の隙間が呼吸路になれば良いわけだ。

 組み立てにコツがあった。

ロック用爪とスプリングはグリスを仮止め接着剤として使う。
こんな感じの乗せておく。

 固定部品を被せる。

パッキンスプリングまで押す感じに押さえてからネジ止め。
一回成功すればコツが分かって二回目以降は簡単だったよ、

というわけでタンクキャップに関しては

・2011年式以前のYBRは旧型で呼吸口付き。
・YBR125Kは全て密閉式。
・キャニスター付きモデルの2011年式以降のYBRやYB、YX、
 中国版XTZ、YSは新型。
・旧型に新型を使う事情が発生した時は穴を開ける事。
・新型に旧型を使っても不具合は起きない。
・新型のキャニスター機構を外す事情がある場合は旧型を使う
 か穴開けするか、キャニスター配管を大気解放構造にする。

こんなまとめでした。

 余談だけれどガソリン給油時に注意が必要。

車体を水平にした状態で給油する時は2の位置以上に入れてはい
けないと指定されているよ。
たくさん入れようと赤線まで給油すると、サイドスタンド時に
漏れ出したり、キャニスターへ容量オーバーになって始動性が
悪化する場合があるのだ。
メーカー指定の方法は守る方が良いでしょう。

 以上、暇つぶしのタンクキャップのお話でした。



5 コメント

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Unknown (ぼんさん)
2020-03-19 22:06:34
返信ありがとうございます。ここ数日悩みに悩んだモヤモヤがスッキリしました!
キャニスターの記事楽しみに待ってます。
返信する
大気解放でOK (雷太)
2020-03-19 18:28:32
ガソリンタンクに繋がるワンウェイバルブを抜きとれば良いです。
タンクからの短いゴムホースは放置という感じです。
なお転倒などでガソリンが少し漏れるのは旧型仕様のキャニスター無しでもキャップから漏れるから結果が同じなので、気を付けるしかないですね。
満タン時は漏れやすく、減っている時は運が良ければタンク内のパイプが沈没せずに漏れないでしょう。

私個人はキャニスター機能をそのまま使ってますが、丁度良い機会なので記事のネタとして採用し、早ければ明日にでも公開しようと思います。
返信する
Unknown (ぼんさん)
2020-03-18 13:50:12
はじめまして、YB125に乗ってるものです。
この度リアを18インチに換装した関係で、トルク不足を補う為に社外キャブ武川vm26に換装予定なのですが、そこでキャニスター配管をどうすれば良いか悩んでいたところ。ここに辿り着きました。
キャニスターの配管をタンクの根本から引っこ抜いて蓋をすれば良いのかと考えてたところ、この記事を見る限りタンクの内圧が危険だとわかりましたが、ガソリンキャップをそのまま利用する場合は蓋をせず、ホースをそのまま大気開放で宜しいでしょうか?
転倒した場合はそこからガソリンが流れ出るの解釈で宜しいでしょうか?ご教授よろしくお願い致します。
返信する
ようこそ (雷太)
2018-09-03 18:42:41
不調の原因が必ずしもタンクキャップが原因とは限りませんが、不安要素は排除しておくと良いですね。
YBRは燃料コックに立派なフィルターが装備されていて、タンク内の錆の粉は底に溜まる経路になっています。
たくさん溜まっていなければキャブ内の詰まりの原因にはならないでしょう。
とりあえず両方のキャップでどう差が起きるか試した後、EURO3 型キャップに穴あけしてみてください。
返信する
初めまして (Jun)
2018-09-03 11:14:10
初めまして、6月にボロいYBR125を手に入れ、
いろいろ楽しんでいる者です。
いつも参考にさせて頂いており、ありがとうございます。
タンクキャップの件、まさにEuro2にEuro3のをつけてエンストさせましたw

タンクが錆びてるせいかと思いましたが、
空気穴のほうが主原因ですね。

今後ともよろしくお願いします。
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