YB&YBRダイアリー

中国ヤマハのYB125SPとYBR125でバイクライフを満喫するブログ
(自己責任を伴う整備・改造を多く含んでいます)

改造配線の整理(製作編)

2013年12月16日 | YBR電装系

前回の改造配線の整理(作業編)で個々の作業イメージを紹介したので、今回は実際の製作について
書いてみるよ。
その前にYBR本体のワイヤーハーネスの電線についてちょっと判明した事があるのから前書きするよ。

さて、この電線の比較画像をみてみて!

電線って中身の導線が見えないと、被覆の太さでおおよその判断をする場合があると思うのだが・・・
この画像の例だと市販電線Bが一番太く、その次はYBRの電線、最後に市販電線Aが一番細いから、
市販電線B>YBRの電線>市販電線Aの順で導線が太くて電流容量もこれに準じてると思うでしょ?

ところが、実際の中身は・・・

ごらんのように、被覆が一番太かった市販電線BとYBRの電線の導線が同じ0.5sqで、市販電線A
のAVS電線だけが細い被覆なのに、ひとまわり太い導線0.75sqなのだw

車用品店やホムセンのカー用品売り場でよく見かけるエーモン工業の電線は、自動車用電線規格の
AV電線
を発売しており、バイク用品で有名なDAYTONAのガレージシリーズは、さらに絶縁体被覆を
AVより薄くしたAVS電線をバイク用に発売してる。
軽量化と、まとめた時の細径化、また柔軟性などを考慮するとバイク用品のデイトナはいい所に目をつけてる
と思う。
俺の場合はホムセンの切り売りでVSF電線を買ったけれど、実際に作業を進めてるうちに被覆の厚さが少し
邪魔になりだしたので、次回はデイトナかエーモンの電線で工作しようかと思う。

ついでにバイクでよく使う太さの電線に関して資料をまとめてみた。

前出の例にあげた太さ0.5sqの例では規格上10A(12Vで120W)もの許容があると思われがちだけど、
実際にはハーネス内で複数まとめられたり、閉鎖空間に閉じ込められて許容電流が減ってしまうのだ。
さらに安全マージンを考慮すると、さらに半分程度と考えられる。
計算例で5Aと算出されても連続動作による導線自身の発熱により、さらに低くなる場合もある。
また、家庭用のAC100Vによく使われるコードなどはさらに絶縁被覆が厚くて蓄熱しやすく、しかも安全性
確保の関係で表よりも許容電流を低く設定してる。
よく目にするYBRの例で言うところ、ホーンの配線がACC動作で都合が良いからとグリップヒーター
のような電流を多く消費する追加アクセサリを繋げると、配線が参ってしまうかも?
実はYBRのホーンの配線は0.5sqなのだ。w

真冬で周囲温度が低いからギリギリ我慢してるはずだろう。

だから、俺は今紹介してるように配線を別にした強化ACC(アクセサリ)配線を実装することで余裕を持た
せている。

それでは本題の製作編。
回路図各部の番号にしたがって製作し、車体への取り付け順も同じにすると迷わない。

採用したリレーとヒューズホルダは入手のしやすさを優先し、リレーに関しては出先で故障しても店に駆け
込んで購入・交換を可能にしてるから、日本1周などの長期間ツーリングの方にもお勧めできる。

各部の図面を書いた。
寸法は配線の切り寸法で2~3回やり直しても大丈夫な程度の余長を含む。





この場所に関しては1.25sqを必ず守ってください。
これ以上細いとYBR全体の電装に影響する。
太い分にはかまわないけれど、分岐側のギボシ端子オスの圧着で苦労するだろう。
0.75sq300mmはリレーコイルの消費電流が少ないから、0.5sqでもいい。


電線自体はヒューズホルダからすでに出てるから、これに圧着するだけ。




⑤・⑥に関しては保護用のコルゲートチューブに通すので、2sq900mmを先にチューブに通してから
各部の圧着作業をする。

完成画像がこれ。

フレームとステアリング間を渡る配線なので柔軟性のあるコルゲートチューブを使って保護するのだ。
YBRのワイヤーハーネスも同じ方法なので見かけた事があるだろう。


最後に⑦のリレーコイル用のプラス極側だけど、YBRのどこから分岐接続するかが問題だ。
俺の例ではリレーの設置場所は後のメンテナスや修理交換などを考慮して、ウインカーリレーの上に
あるフレームにタイラップで固定してる。

一番近くで分かりやすいのがウインカーリレーの電源線・茶色だろう。


また、タンク下にあるレクチファイヤ・レギュレータの上段・真ん中も使える。

ただし、ここはレギュレータの制御用なので、もしも加工によって弱くなって断線すると異常電圧になるから
あまり使いたくない。
また、年式によってはここの色が違う場合があり、電気的には使えるけれど気持ち悪いから避けた方がいい
だろう。w

俺のYBRの場合、CDIの電源線を利用したキルスイッチ改造をしてる関係でCDIの電源線・茶が余ってる
から、ここへリレーコイルのプラス極配線を繋いだ。

遊ばせておいた時にギボシ端子メスを付けてテープ巻きしてたから、実装は本当に簡単だったよ。
以上の説明から分かるようにウインカーリレーに届く程度の長さの0.75sqを用意すればいい。

今回も絵がいっぱい、説明はおおざっぱ、分かる人には分かる程度のハーネス製作の回でした。
次回は作った配線類を実際に車体へ実装する話だよ。

もうお腹いっぱいな感じ。



4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
詳細レポート (uiui)
2013-12-18 00:56:42
すばらしい!詳細な大作レポートお疲れ様です
配線の長さまできちんと書いてて、これなら誰でもAux.ライン作成できますね
お疲れ様でした
電装系に造詣が深いとお見受けしました

このレポート最大の欠点は、5sqの丸端子を手で圧着出来るような工具は素人は持ってないってこった(笑)

きちんとした圧着工具買いたいんですが、初心者用電工セットのおまけでなんとかしのいでます
電気疎いのでこれからも初心者向けシリーズお願いします~
返信する
圧着ペンチについて (雷太)
2013-12-18 20:15:16
安物で実際は事足ります。
ただ、私が使ったエーモンの1452は、丸端子に関してちょっと5.5sqで圧が足りない気がします。
かえって普通の工具セットの形のほうが良いかもしれません。
1452は端子の種類と大きさの守備範囲が広いので買ってみたのですが・・・w

圧着ペンチは他の用途に使えるので、とりあえず1.25~5.5の丸端子、各種オープバレル端子に使える物ならなんでもいいでしょう。
0.5~0.75sqに関しては対応してなくても“折り曲げ”で太らせてなんとかなります。w
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電線 (電線)
2021-05-16 11:36:17
被覆厚さと芯線の太さ、それに電流容量と奥が深いですね。更に言うと、同じsqであっても一本一本の太さが違い、何本を束ねて目的のsqに仕上げているかという点も重要ですよ。YBRに比べてDAYTONAのは一本一本が細く見えませんか?その一本が太い電線を使うとハンドル周りでは断線し易くなります。
音響機器の分野で日本ではカナレ電気のケーブルが有名でして、マイクケーブルですと一本一本は産毛のように細いです。動き回る事を前提としているケーブルだからですね。
動かないけれど細くしたい。大電流を流したいという用途では、フッ素樹脂被覆のケーブルなんてのもあります。被覆が丈夫で耐熱性があり、ワイヤストリッパを使わないと被覆が剥けないほどです。
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入手性 (雷太)
2021-05-16 14:17:28
この話題を書いた理由は外から見ても太ければ電流を沢山流せるだろうと思い込みが起きるのを防ぐためでした。
素人作業で起きる車両電気火災の多くは絶縁不良、接続不良と共に電流容量不足があげられます。
色々難しいですね。
なお耐摩擦と動態を考慮した産業用ロボットに使うロボットケーブルなる物も存在しますが、マイクケーブルと共に入手性に乏しく、車両への流用には太いためにあえて書かなかったです。

電線は突き詰めると奥が深くて答えが出しにくいですね。
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