YB&YBRダイアリー

中国ヤマハのYB125SPとYBR125でバイクライフを満喫するブログ
(自己責任を伴う整備・改造を多く含んでいます)

ノーマルキャブいじり

2012年11月16日 | YBR125改造

俺のYBR125は強制開閉型のVM22が純正で、アクセルワークと直接連動する動きなので自分の好みに合っている。
ノーマルで1年間走り込んでおおまかな癖や弱点が見えてきた頃、ちょっと欲(スケベ心)が出てきてキャブ内のジェット類を色々な組み
合わせで交換して遊んだ時期があったので紹介しよう。

ノーマルのキャブ内はこんな感じのジェット構成

純正はMJ:#97.5、PJ:#15、PS戻し回転1・1/2基準値である。
MJはキタコとか武川から三国・丸型・大として発売されてるし、PJもVM26/28用が使えるので補修や変更などに便利だし、近所のN〇PS
とかラ〇コランドで該当部品が売られているで、なんとなく試してみたい事を実行してみた。

PJ:#15→#17.5 一段濃くする。もちろんPS(パイロットスクリューも合わせて調整 1・3/8で落ちつく)
利点:寒い朝、始動直後の安定性向上。低速トルク向上。
    全体的にトルクが増した感じで坂道をドコドコ登るようになる。
欠点:アクセル開け始め~1/2開までの加速が鈍くなる。ダルい・・・湿度が高くなる梅雨~夏はさらにダメ。w

やはりセオリー通りで、純正セッティングの狙いがよく分かったよ。
しかし、せっかく始動直後の安定性が向上したんだからもったいないので、今度はMJも変えてみた。(PJは変更のまま)

MJ:#97.5→#95 一段薄くする。

利点:欠点になったアクセル開け始め~1/2開までの加速不良改善。
欠点:アクセル1/2~全開までのトルクが減り、ちょっと薄い。緩やかな上り坂で走りにくい。

意外だったのが低速域でもMJの影響がハッキリ出る点だ。
一般論でよく語られるPJやMJの動作(影響)領域みたいなハッキリした敷居がなく、お互いに影響しあいながら総合的な特性が決定され
るわけだ。
素人がちょっといじった程度で恐ろしく良くなるほど甘くはなく、やはりメーカーの開発力の結果がノーマルの良さだろう。
特に四季や気温・湿度・海抜の高低差のどの条件でも一応に安定してる純正の優秀さを思い知ったので全てを純正に戻して半年ほど
走りこむ。


ある時、またよからぬスケベ心が発生する。
店でなんとなく眺めた他社のJN(ジェットニードル)が事の始まりだった。
YBRのキャブはミクニ製だがジェットニードルのテーパー(円すい角度)を選ぶ手段として社外品が見当たらない。
しかし、見かけたケイヒンPWK28用のJNは色々なテーパーが設定されており、しかもお手ごろ価格だったので、純正の寸法と若干
違うけど、まあ出たとこ勝負で1本買ってみた。

入手したのはケイヒンPWK28用ジェットニードル(N68J)
相違を調べてみる微調整用のEリングクリップの厚さが純正よりも薄いので、クリップもPWK用を用意しなければならない。
また太い直線部分が0.1mmほど太く、全長は約5mm長い。
長さ合わせはニッパーでバサっと切ってヤスリで仕上げてみた。

そのままではバルブピストンに収まらないので加工する。
太さ合わせは0.1mmほど削ればいいのだが旋盤なんか持ってないので、とにかく手持ちの工具で加工してみることにした。
太い直線部分のおかげでバルブ穴と純正樹脂シムが通らないがたった0.1mmの違いである。
配線用の太い電線の被覆を使い、ドリルチャックに固定してもキズつけずに済ます。
そして、ジェットニードルを回転させながら直線部を布ヤスリで少しずつ削り、樹脂シムとバルブが通るギリギリの太さまで
削って(磨いて)、最後にピカール+ウエスで表面を均して加工完了。


さて、これからが一番大変だった。
どのクリップ位置が適正なのか探るのに色々な条件であれこれと段数を変えてみた。
通い慣れた道、雨天や高地、いつでもどこでもクリップ位置を変えながら少しずつ良い方向を探ってやっと出た結論。
上から2段目+樹脂シム間に0.5mm厚のシム(3mm穴・小丸平ワッシャ。ラジコンカー用0.5mmシムでも可)の組み合わせだ。
PS戻し回転数は1・1/2で落ち着く。
以下の順番が組み込み順番です。

このセッティングで四季を通しても安定し、2000mの高地では力不足になりつつも息継ぎせずに走らせられるようになった。
さて、この改造の効果は?

利点:とにかくアクセル開け始め~1/4開までの加速が良くなり、トルクアップしたおかげで左折小回り後の
    立ち上がりが楽になる。
    峠道、上り坂での3~5速間のギアチェンジ頻度が減り舗装林道では4速オートマ的になったw
    8の字を描いてみると立ち上がり速く、失速しにくいので円滑な小回りがしやすくなった。つまりUターンが
    楽になる
    楽しくてついつい引っ張ってしまう。
    アクセル開度の傾向が純正の半分程度で十分加速する感じ。
    トップスピードは変わらず(興味ないので深追いしてない)
   ☆なぜか冬季の始動直後の安定性が向上した。(やはりJNテーパーも極低速域にわずかながら影響するんだな)


欠点:部品入手と加工が面倒。
    ギアチェンジを早めにしてゆっくり走らせれば燃費は純正とあまり変わらないけど、面白がってガンガン回すと
    約3~5km/Lほど純正よりも燃費が悪化する傾向になった。それでも40km越えなので致命的とは思わない。

昔の125cc4ストMT車ってこんな感じの加速感だったかなと思い出したほど、俺にとってはノーマルキャブでのベストセッティング
になった。
この状態で約1年間走らせてるけれど問題は発生せず、プラグの焼け具合も正常で元気に走ってくれている。

そんなこんなでみなさんお分かりの通り、純正キャブレターは実によく調整されたものなので安易にジェット類を変えない方よいだろう。
どう逆立ちしたって素人はメーカーのこの手の開発力に勝てない。
ジェットニードルのテーパー変更は俺好みのセッティング例であって、決して理想的な状態とは言えない。

なおキャブの分解組み立ての詳細を書かなかった理由は、初心者が安易に触って元に戻らなくなると困るだろうからわざと書かなかった。
ノーマルVMキャブレターは繊細だから、調子いいなら触らないのが一番の維持管理方法だと思うよ。

じゃあ、前出のVM26をどうして入手したか?
あはは、興味本位だよ、遊びだよ、あ・そ・び。(ちょっと思うところがあってねw)


    



 



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