YB&YBRダイアリー

中国ヤマハのYB125SPとYBR125でバイクライフを満喫するブログ
(自己責任を伴う整備・改造を多く含んでいます)

サイドギャッピングスパークプラグ改造

2019年12月29日 | バイク一般

 暇つぶしにYouTubeを時々徘徊しているんだが、車やオート
バイ関係で面白い物を見つけたよ。
点火プラグの電極を削って燃焼効率を上げる改造。

 spark plug side gapping(検索してごらん?)

普通のカッパープラグのアース電極を削るだけ。

 こんな効果が出るらしい。

中心電極の上をまたぐアース電極を短くすると燃焼が広がりやす
くなってピストンを押す位置も中心寄りになるためにパワーアッ
プも期待できるとの事。
色々な国の好き者達がサイドギャッピング改造を紹介していたよ。

理屈は分かるんだけれど、そんなに都合の良い構造ならば点火プ
ラグメーカーがとっくにやってるはずなのでオカルト系かな?と
思いながら調べてみたら、メーカーがすでにやっていた。

 NGKレーシングプラグ 5962

マジかよ?w

他に NGK JR8B。(読者様提供写真)

これも中心電極を少し露出させている。
スズキの油冷エンジン向けの設計らしい。

この形なら以前紹介して使ってた3極プラグも似たようなもん
だろ?って思うわけ。

ほらサイドギャッピングだ。
しかも3つもあるぞwww
ところが天下のNGK様も出している多極プラグは目的が違って
いた。

 NGK公開資料から抜粋。

「外側電極を多極仕様にする目的は、電極消耗を分散させて
 耐久性を確保することです。
 また、多極プラグは、放電特性(要求電圧を下げる)を改善す
 る効果があります。」

3極プラグでも若干のトルクアップや加速改善は体感できたので、
耐久性の他に燃焼効率の向上もあるんだろう。

とにかくサイドギャッピング改造に興味が沸いたので早速実験
してみたよ。
最近の冬型気候のおかげで始動直後がいまいち不安定だから、
もしも燃焼効率が良くなるなら変化は起きるかも?と期待した。
とりあえずYB125SPの標準指定プラグCR6HSAを使って、その
まま朝一に始動してみる。
やはり不安定でチョークやアクセルワークを駆使しながらエンスト
しないようにし、走行暖気へ移る必要時間は約5分だった。

 早速プラグを外して改造してみる。

これが無改造のNGK CR6HSAの電極。

 リューターや棒ヤスリで削り始める。

とにかく中心電極が露出する程度にすれば良いだろう。

 こんな感じに仕上げてみた。

高圧放電は先端が尖った箇所に集中しやすいので、若干傾斜を
付けてアース電極を先細にしてみた。

 横から見た感じ。

さて、上手く効果は出るかな?

 作業時間のおかげですっかり冷え切ったエンジンに付けて始動
してみたら不安定時間が短くなったよ。
2分程度で手放し暖気ができるようになって3分後には走り出せた。
思い出せばイリジュウムプラグに交換した時に似ている。
だけどお古の点火プラグの電極掃除効果なのかもしれないので、
エンジンが冷え切った後で今度は新品のプラグに付け替えてみる。

天下のNGKの新品ならば始動後不安定は改善するだろう。

結果は改造前の中古プラグと同じで5分くらい経たないと走り
だせない。
そしてサイドギャッピング改造プラグに入れ替えると安定。
一応効果は体験できた。

 なぜ標準プラグに採用しないのか?と色々考えみたら、市販車
用は中心電極の耐久性を確保するためにサイドギャッピングにし
ないと想像した。
レーシング用ならレース時間の間だけ最高のパフォーマンスを
発揮させれば済む。
市販車の仕様は意外と厳しい条件だね。w

さて、サイドギャッピング改造の注意点に電極間の隙間を車体の
仕様に合わせて確認・調整を必須としている。
YB/YBR/YX/XTZ125系エンジンの指定は0.6~0.7mm。
FiエンジンのYS125系は0.8~0.9mmが指定隙間。
シックネスゲージなどで確認して、範囲外なら要調整なのだ。

 こんな便利なツールも売られている。

プラグギャップツール。
輸入工具屋さんでも150円くらいで買える。
表面はインチ表示、裏面はミリメートル表示で隙間測定が簡単。
アース電極を広げるためのギャップオープナーも付いているのだ。
使い方はYouTubeの動画を参考にすると良いだろう。
https://www.youtube.com/watch?v=1PksSeTdWuc
「簡単に出来る!スパークプラグ点検」

 手元にツールが無くても代用できる方法があるよ。

ホムセンでよく見かける金具の穴を利用して、栓抜きのように
アース電極を広げる。

 ペンチやウォーターポンププライヤーで広げる方法。

掴みのギザギザに引っ掛けて、広げ過ぎないよう慎重にやれば良い。

間違っても中心電極とアース電極の間にマイナスドライバーを
差し込んでこじってはいけない。
中心電極がたわんだり周囲の絶縁ガイシにヒビが入って破損する
可能性が高いのだ。
アース電極だけを曲げる方法が適切だよ。

 狭まったプラグギャップを広げる他に、広がったギャップを
狭めるのに幾つかの方法があるよね。
少し走行距離が進んで消耗したプラグの延命措置にも使える。

 一番簡単なのはプラグを手で持って何かでたたく。

金づちだと強すぎるからドライバーの柄などでコンコン叩きながら
時々シックネスゲージで測れば良い。

 この方法は絶対ダメ。

中心電極を板や床に当てて上から叩くと中心電極内の構造体や
絶縁ガイシに衝撃が加わって破損する場合があるのだ。

 こんな工夫をすれば大丈夫。

衝撃をアース電極だけに集中させれば良い。

 Cレンチ(シャコ万力)を使うと衝撃波を与えないので更に良い。

写真は水道塩ビ管の13用キャップとM10丸大平ワッシャーと
組み合わせた例。
適当なパイプで先端を保護するのだ。

 こんな方法もある。

YouTubeで紹介されてた方法だけど結構繊細な握り加減だった
から臨時の方法かな?

 この方法はかなり特殊。

普段はめったに使わないだろうタイロッドエンドプーラーを持って
いるなら、この方法でもアース電極を狭める事は可能。

 M10丸大ワッシャーを入れておけば爪に引っかかる。

締め込み量はほんのわずか。
という感じで本題のサイドギャッピング改造の他にプラグギャ
ップの調整方法まで脱線した。

今回はネタ不足ゆえに標準プラグを改造して遊んでみたけれど、
意外と効果が出たから皆さんも暇つぶしに使い古しのプラグを
削って遊んでみてはいかがだろうか?
なお、2気筒以上の多気筒エンジンの場合は仕上がりを均一にし、
プラグギャップも全て揃えなければならない。
単気筒はこの点が楽だ。
標準プラグなら安価なので壊しても惜しくないし、効果を感じ
取れなければ笑い飛ばせば済む。

追記
 後日、調子に乗って削り込みをさらに行い、完全に中心電極を
露出させてみた結果、ギャップを適正化したにもかかわらず暖気
中の失火が起きるようになったよ。w

どうやら中心電極は半分くらい隠れる程度の削り込みで無いと安定
しないみたいだ。
あ~実験って変化が起きると面白い。

以上、今年最後のバイク関係改造ネタでした。
それでは良いお年を!



2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
明けましておめでとうございます (uiui)
2020-01-02 18:05:15
明けましておめでとうございます

プラグ加工効果あるんですね~
やり過ぎるところが素敵です
バルブの向きでインデクシングとかもありましたね

今年もいろんなネタよろしくお願いします
返信する
なんでだろう? (雷太)
2020-01-02 21:20:22
明けましておめでとうございます。
いやはや予想外というか想像通りと言うか、やりすぎは逆効果でした。w
不思議なのがYouTubeで公開されてる方々は大丈夫なんですよね。
多分キャブレターなどの燃調の違いか、あるいは「良い話」だけしてアク
セス数を稼ぐ感じか?
NGKの製品の場合、レース用としての特殊条件なので点火系が一般車とは
違って要求電圧や燃焼室内の形状が最適化されている条件下での使用なん
でしょう。
とりあえず削って遊んでみれば結果は出る暇つぶし改造でした。

YB号に関してあまり弄りネタが残っていないので、せいぜいメンテ記録程
度しか書けないけれど、今年も暇つぶしに閲覧をよろしくお願いいたします。


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