気軽にオートバイで出かけるにはまだ寒い。
しかし何かやらないと気が済まないのでYB号のエンジン整備
をしてみたよ。
普通はやらない排気のスタッドボルトの整備。
実はかなり重要な整備箇所なのだ。
マフラーのエキパイを固定している排気ポートのスタッド
ボルトの固着防止処理なのだ。
早速スタッドボルトを抜いてみる。
YB125SPの純正スタッドボルトはM6の六角穴付きボルト
なんだけど、我がYB号は写真のような両切りスタッドボル
トと袋ナットに変更している。
そしてナットを緩めたらボルトも供回りして抜けてきた。
ボルトとナットが固着していたのだ。
ボルトにM6ナットを二個噛ませてロック状態にしてから、
袋ナットを外した。
少し固着していた程度で大事には至らなかったよ。
もう一方の袋ナットは素直に抜けて、スタッドボルトは
ダブルナットで抜いた。
抜けたボルトの山はワイヤーブラシで掃除する。
袋ナットの穴の中のネジ山はM6×1.0のタップで錆落とし
とネジ山修正をする。
ゴリゴリしてて固着の原因が錆だと分かる。
穴はパーツクリーナーで切り粉を排出する。
面倒でもちゃんと処理するのだ。
スタッドボルトのネジ山はM6×1.0のダイスで掃除。
綺麗なネジ山は固着防止になる。
エンジンヘッド側のネジ穴もタップで掃除。
本当はマフラーを外した方が作業が楽なんだけど、軽く
回ったので指先でタップを回して作業した。
もちろんパーツクリーナーで汚れを追い出す。
焼き付き固着防止グリスのスレッドコンパウンドをネジ
山に薄く塗る。
ちょっとした処理なんだけど、これが長年に渡って固着防
止になるのだ。
スタッドボルトのネジ込みは指先トルクのみ。
ここは下手に工具で締めるより軽い固定の方が後々噛み込
まなくて都合が良い。
ネジ山にスレッドコンパウンドを塗る。
少量で十分なのだ。
袋ナットを左右交互に少しずつ締め込む。
これも軽く硬くなったら深追いせずに締め付け終了にし
た方が良い。
出来ればスタッドボルトはその都度新品交換が良い。
以上、たった二本のスタッドボルトなんだけど、ここを
整備する人はめったに居ない。
そして何年も経って噛み込みや錆で固着しているのに気づい
た時は手遅れなのだ。
固着するとどれだけ大変なのかは以下の動画を見れば分かる。
Broken & Siezed Bolt Removal, DR 650 Cylinder Head
ショップに頼むと数万円は下らない。
暇つぶしやマフラー交換時にネジ山整備やボルト交換で
固着を未然に防ぐ事をお勧めする。
車体の掃除よりもよっぽど大切なのだ。w