前回は緊急で2011年式YBR125の話を書いたけど、実は用意しておいた次のネタがこれだ。
すでにYBR125のオーナー達は気づいてると思うが、純正のフロントブレーキは無駄に元気な
走り方をしない限り必要にして十分な制動力があるけれどブレーキレバーの握りこみ初期に
ブレーキホースが膨らんで効きが甘く、さらに握り込んでようやく強い制動を感じ取れるはずだ。
初心者が不慣れな時には初期制動がやさしくてありがたいけれど、パニックブレーキなどで
「ぎゃ~~止まらない!」と思い切り握ってしまった場合、膨らみ限界を越えた途端に制動力が急激に
増して、タイヤがロックしたり横滑りを起こして転倒する例が実は多いんじゃないかな?
ブレーキホースをステンメッシュタイプに替えると初期の膨らみが少なくなって握り込みの強さに
応じて微調整が効くようになるので、これに慣れておくと人間ABSのごとくスリップダウンする直前に
リリースして最短制動距離を得る事が可能だろう。
さて、YBR純正のブレーキホースの取り付け部分である通称「バンジョー(バンジョーアダプタ)」と
呼ばれる場所は以下の寸法だ。
代表的な物にグッドリッジ社タイプがこの寸法に適合するけどオーナー談によるとアールズ社タイプでも
実用できたとの事。
純正ブレーキホースの寸法は以下の感じでバンジョーの穴・中心間は840mmだ。
若干長さに余裕があるので社外品では800~860mmに収まればいいだろう。
社外品のホースを探す時にはこれを守れば間違いないけれど、ハンドルを別寸法の物に交換してる
場合は余長の部分も考慮しながら寸法を決めれば良い。
バンジョーアダプタの首の長さは約20mmあるため両端で計40mmだからホース本体の長さは
760~820mmで適合する。
あいまいな寸法しか記してない通販などでは800mm~820mmを選べばどうにかなると思うし、
純正と同じくバンジョーアダプタの首の角度が20度の物を選ぶとフォーミングがきれいに決まる。
俺の場合は純正のバンジョーボルトをそのまま使ったので、用意したのはステンメッシュホース760mm
と20度バンジョーアダプタ、クラッシュワッシャ(専用の銅製パッキン)4枚、そしてDOT4ブレーキフルード。
ヤマハのBF-4(100mL)で十分に交換できる。
メッシュブレーキホースの中間2箇所の固定方法は適当にゴムの薄板を巻いてタイラップで止めれば
問題ないので俺は自転車の古タイヤチューブを切って巻いた。
余長のたるみはフォークの伸縮に対する意味があるのでピンと張った状態の固定は避けた方がいい。
交換方法はネットでいくらでも公開されてるので割愛するが、本当の作業初心者はお店に頼むか必ず
経験者と共に作業したほうがいい。
交換後、しっかりエアー抜きをしてやると驚くほどレバーの握り感触が硬くなるはずだ。
指先の微妙な力加減に直接応答するブレーキになるのでハーフブレーキでもハードブレーキでも無駄な
力加減をする必要も無くなり、結果的に疲れがかなり減るし砂の浮いた道でも滑った瞬間にパッとゆる
めるとグリップが回復する確率が高くなる。
実際、転倒を回避する事が何度もあったのでメッシュホースの硬さに慣れてしまえばパニックブレーキに
よるスリップダウンも減るだろう。
ただし本物のABSのようにだれでも簡単にスリップ回避できるわけではないので、過信せずにブレーキを
使いこなす練習も怠らない事だ。
変な装飾盆栽とか灯火類のLED化などをするより先にブレーキホースをメッシュ化した方が実用的で効果
が実感できるよ(・ω・)ノ