DV加害者更生プログラム(既婚、未婚、問わず)

DVをしているのではないか、悩んでいる方に心理テスト、グループエンカウンター等を用いて更生の道をお手伝いします

失う事のない財産

2019-11-09 00:05:41 | 【DV加害者更生教育プログラム】

題:失うことの無い財産(60代男性)


リエゾンでのプリントを使った事例研究のときのことです。
夫が子どもを使って、身重の妻に負担を強いる事例を学びました。

休日に子どもから「動物園につれていって。」と言われ、自分一人では対応できないからと身重の妻を無理やり誘い、抱っこをねだる子どもを妻に押し付けた事例でした。

その時に、自分の子どもの頃を思い出しました。
父には色々なところに連れて行ってもらいました。
開園したばかりの動物園には、バスが混雑で乗れなかったことから、遠くの駅から肩車で連れて行ってもらいました。
花火大会にも遠くから肩車で連れて行ってもらいました。

そして祖母が話しをしてくれたことを思い出しました。
父が子どもに時に、祖父が一人で父を連れて山登りに出掛けていたことをです。
私も祖父には色々なところに連れて行ってもらいました。
休日に行った自然薯掘りは楽しかった思い出です。

私も妻に言われて、二人目の子どもが生まれた時に、一人で上の子どもを連れて泊まりがけの旅行に行きました。
代々繋がっていたのです。

母方の祖父母と同居していた時には、毎日のように祖父にお風呂に入れてもらっていたことも思い出しました。

父や二人の祖父に大切に育てて貰ったことをありがたく思っています。
その様な、暖かい思い出は、私とって決して失うことのない財産です。

リエゾンからのコメント

「お父さんの思い出って何だったろうか?」

この記事を読んでまず思ったことでした。

アルコール依存症だった父の思い出は良いも悪いも筆舌に尽くしがたく、だからこそ、今この仕事をしているのです。こういう思い出を持てることは本当に財産だなぁと思います。

全ての子どもたちに父親って、「遊んでくれる、肩車をしてくれる、力持ちで、自分だけに優しいパパ。」という思い出を持ってほしいと思います。

先日11月5日倉成先生の講演会が登戸の多摩市民館にて行われました。自尊感情を高める接し方(母性と父性)という内容でした。自尊感情には基本的自尊感情と、社会的自尊感情の二つがあります。社会的自尊感情は評価され、誉められるか他者との比較によって獲得するものとあり、基本的自尊感情は絶対且つ無条件なものとあります。今のこの時代は社会的自尊感情だけでは乗り切ることが難しくなってきたようです。上手くいかなくなった時に、ポキッと折れてしまわないようになるためには、基本自尊感情がしっかりとあることが大切です。

基本的自尊感情は愛着問題に関係します。肯定的無条件のストロークをたくさんもらっていることが大切なのです。

子どもたちがお母さんを見た時の瞳孔は細くなりそれは安心感を表しているそうです。逆にお父さんを見た時の瞳孔は開くのだそうです。これは好奇心を感じている状態だそうです。父親は遊び相手あり、受容的態度、公正さ、抑止力を学ぶのだそうです。

お父さんと子どもと二人で出かけるという事は、お母さんと子どもを離してあげる時間を作ることなので、意識して設けることが大切なのです。

今の時代の子育ては、一人の母親の肩にのしかかり母親はアップアップの状態です。そこを父親が理解し、子どもを母親から離してあげることをするのです。基本的自尊感情を子どもに持たせるために、父親は母親を支え、子育ての負担を少しでも軽くします。母親は安心感を子どもに与え、父親はその上で、子どもの遊び相手となり、社会のルールを教えていくのです。この役割分担をすることで、肯定的無条件のストロークを子どもは両親からもらうことができるのだと思います。

事例のプリントでは、父親が大人になっていないため、母親に全て負担がかかっていくのでした。父親は父親の役割があるのです。子育ての大変さを理解できないと夫婦は関係が壊れていきます。父親が未だ家に帰れば妻から労わってもらえると思っているうちは、父親の役割をできるようにはなかなか成れないと思います。

願わくは父親が子どもを連れだし、子どもたちがワクワクする思い出や、温かい思い出をたくさん持てるようにしてあげて欲しいです。題名ではないですが、本当に失うことのない財産なのですから。

 http://liaison-chofu.com/(新ホームページ)

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする