らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

Philharmonia Quartett Berlin in 希望ホール

2011年11月17日 23時59分17秒 | クァルテット
 約2年前に、中新田バッハホールで開催されたジュリアードQ 演奏会以来の演奏会鑑賞に行きました。

 東京に住んでいた時ももちろん演奏を自分の仕事にしていましたが、毎月のようにクァルテットやオーケストラ・ソロリサイタルなどを聴きに出かけていた事を考えると、山形に来てからは音楽鑑賞生活が一変してしまいました。

 山形響に入団して約12年で、10回もコンサートに足を運んでいません。

 もう少しクァルテットの演奏会があると良いですね。

 さて、今日はオケのリハーサル後いったん帰宅し、冬タイヤに履き替えた車で酒田市の希望ホールへ。

 ベルリンフィルの団員によるフィルハーモニア クァルテット ベルリンの演奏会に行きました。プログラムの1曲目ポーランドの作曲家~シマノフスキーの弦楽四重奏曲第2番。この曲は、私がクァルテットに興味を深く持つようになった90年代の最初、お茶の水カザルスホールでスイスのカルミナQの来日の際、DENONからのデビュー盤に収録されていた曲で、第1番と共に盛んに演奏されていた気がします。遠い記憶なので間違いがあるかも・・・・。

 シマノフスキーの弦楽四重奏曲はカルミナQ以前は、そこまで演奏されることもなく、CDもほとんど出ていなかった記憶があります。カルミナQのデビューにより、この曲の世界的価値観が大きく変わり、今では若手を中心に演奏される機会も多くなったように思います。

 今日のフィルハーモニア クァルテット ベルリン(以下PQB)の演奏を聴き、シマノフスキーのこの四重奏が世界的に認知されてから約20年経ち、カルミナQのどちらかというと鋭利な演奏解釈だけではなく、PQBのようなフランス音楽のような叙情性を持った解釈も納得させられるように音楽の幅が拡がってきたように思えました。

 色んな人が、色んな場所で、色々解釈されて、作曲された作品は成長するモノだと再認識した次第です。

 2曲目、モーツァルトの第22番~プロシャ王第2番。第21~23番はチェロを演奏するプロシャ王のために書かれたといわれている作品でチェロが大活躍します。チェロ協奏曲もソナタも書かなかったモーツァルトにもチェロ奏者にとって良い曲があるんですよ。(プレイヤーから見れば難しく迷惑千万とおっしゃる方もいるかもしれませんが・・・)。

 このモーツァルトの後期の弦楽四重奏曲はアンサンブルが難しく、1stVnがリードしてという形だけでは上手くいかないことが多いのですが、鉄壁の2ndVnーVcラインの安定がアンサンブルの向上に役立っていました。

 第2楽章のチェロソロは涙ものでしたぞ!!

 ここまで聴いて休憩でした。PQBはベルリンフィルの第1コンサートマスターであるDaniel Stabrawa氏のリードする団体ではなくて、彼の安定したテクニックの下で、4人が対等に自由に音楽を奏でながらも鉄壁なアンサンブルをするように感じました。

 ベルリンフィルのイメージからもっと力強い、少々乱暴でも良いから各々が音楽を発すると勝手にイメージしていましたが、生は全く裏切られて、パリの美しい音のするQと美しく溶け込むようなウィーンのQが混じったような、とても魅力的なクァルテットの音でした。

 さてメインはベートーヴェンの第8番「ラズモフスキー第2番」でした。

 運が良いのか悪いのか??2/12に予定されている山形Q第5回定期演奏会でのメインも、このラズモの2番です。全く持って命知らずというか怖いモノ知らずというか・・・。アーメン!

 もちろんPQBの演奏は素晴らしいモノでした。アンサンブルの難しい所も決して強引にならずに、個々の能力の高さもあって難なくクリアしてゆきます。世界はやはり凄いなぁ・・・・。とため息しか出ません。

 アンコールは、日本の聴衆を意識したのでしょう・・・「荒城の月」。
 誰のアレンジか分からないですが、彼らの美しい音でより高貴な香りが立ち上っていました。

 いつもは、お客さんのために(もちろん自分のためでも)演奏している生活ですが、たまには、自分もお客さんになって音楽をあびるのはとてもいい時間を過ごせました。

 
コメント (2)
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