らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

迷い・・・・・。

2010年08月03日 23時54分25秒 | ヴィオラ
 オーケストラや室内楽で演奏している事は、極端な言い方ですがヴィオラの練習にはなりません。各パート間での音程の差やタイミングの差がある時に、ヴィオラパートは瞬時に(神がかり的に・・・。笑)自分で出した音程がピッチメーター的に正しいとしても指をづらしたり、ヴィヴラートを少し幅多めにかけたりして、何とかその場の和音を正しいと思われる方向へ持っていくのも仕事(テクニック)の一つだと思うからです。

 平均律の音程を周りに一切譲る事なく出していたとしたら、それこそアンサンブルの中では邪魔になってしまいます。自分が正しいと思っている音程でも周りが例えば上がってしまった時に、自分だけは正しい音程を出すんだ!!と強い意志で周りと調和しなくても出し続けることはヴィオラの役目では無いし、もちろん弦楽器族の誰しもやっては行けない行為のような気がします。 

 しかし、この行為によるテクニックのずれが少しずつ溜まってくると、何週間もしないうちに自分一人で演奏した時に全く音程がとれなくなってしまっている事に気づきます。大きいアンサンブルの中で演奏し続けることは、下手になるという説をとなえる人がいますが、まさにこの事を指しているような気がします。

 我々は演奏でご飯を食べているプロの演奏家ですから、もちろん毎日個人練習は欠かせませんが、仕事が忙しいからと少し怠けていると、数日で自分のテクニック(音程に関しての)が壊れていきます。

 毎日積み重なるゴミを排除するために、自分の両手の指や感覚に対して毎日微調整が必要になります。

 その微調整を怠っていて、自分が壊れていることに気づかないで仕事をし続けている時に起こりやすい現象として、周りの音程に対して、異常に厳しくなります。周りの出している音に我慢が出来なくなるのです。チューニングさえ嫌になってしまう事さえあります。そして自分がどの音程で出せば良いのか全く分からなくなってしまいます。

 本当に不思議なんですよ。自分が壊れているのに他人が許せなくなるのですから・・・・。今までの経験上、私は練習不足(調整不足)の時ほど他人が我慢できなくなります。今までにそれで何回まわりに対して迷惑をかけたか・・・・。

 そういう時は、家に帰ってから冷静になってピッチメーターや音叉を使いながら丁寧にチューニングしてからしばらく開放弦で楽器を充分にならしてあげてから、これ以上ないくらい自分の音程や音色にきびしく、じっくりと一つ一つ音階などを練習してみるのが一番スランプから立ち直るのに早道のような気がします。

 必要以上の力や凝り固まった考えが、すぅ~~っと無くなってゆきますよ。
 だから個人練習は重要ですというお話しでした。

 スランプだなと思っている人は、やってみて下さいませ・・・・・・。
コメント (4)
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