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新聞記事に、かつてのGHQ(連合国軍総司令部)のスタッフとして 『 日本国憲法 』 の起草作業に加わり、とりわけ 「 男女平等 」 に関する条項(第24条)を書き上げた、アメリカ人女性の ベアテ・ゴードン さんが逝去されたことが報じられ、思いをいたしました。
国際的ピアニストの娘として生まれたゴードンさんは、父と縁のあった作曲家 山田耕作 氏の招きで幼少の頃来日し、自身も日本と縁をもちました。
その後、第二次世界大戦の終結後に通訳として再来日し、憲法の起草作業に関わったそうです。
その際 「 自由の国アメリカ 」 のイズムをもって、男尊女卑の意識の強い日本の風潮に風穴を開け、男女が等しく社会を支える意識について、憲法の条文に盛り込むことで広く啓発に寄与したそうです。
また彼女は 『 不戦 』 を明確に謳った 「 憲法九条 」 を高く評価し、一旦は戦火をまみえたものの、その後は一貫して戦争を起こさないとした日本国の姿勢を、憲法の起草に関わった者として支持する態度を明確にし、戦禍を経た日本国が、その苛烈な経験を踏まえて〝何を守るべきか〟を、やはり明確に示したものでした。
この度のゴードンさんの訃報に接し、アメリカ人でありながら日本国の将来を思い、男女平等や不戦について心を砕いてくれた方がいたことを知り、国を超えた共通認識の大切さを思う一方で、新たな政権が、国際的評価を得ていると言える日本国の 「 平和憲法 」 について、現下の国際情勢を盾に 「 改憲 」 の方向へ舵を切ろうとしていることについて、憂慮の念を禁じ得ないところです。
このような時期であるからこそ、われわれ日本人が、真に守るべきものは何であるかを、冷静に考えるべきではないでしょうか。
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