市内を移動中のカーラジオ(NHK)で「音に逢いたい」という番組が流れていました。
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リスナーのリクエストに応じ、子供のころ聞いて印象に残っている音(例えばSLのシュッシュッポッポ とか)などを再現し、当時を懐かしんだり、当時の歴史を振り返ったりするコーナーです。
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で、この日のリクエストは「諏訪湖の御神渡りの音」でした。
何でも諏訪から東京に嫁いだ女性リスナーが、ニュースで今年の御神渡りの話題に触れ、温暖化のせいか最近はめっきり〝登場〟することが少なくなった御神渡りを懐かしみ、子供のころ一度だけ聞いたことのある御神渡りの〝轟音〟をもう一度聞いてみたい、とのことです。
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考えてみれば、私たちも御神渡りの「映像」は見たことはあるものの、御神渡りができる瞬間の「音」は聞いたことはなく、思わずカーステレオのボリュームを上げ注(目?)したところです。
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女性アナの「それでは、過去に御神渡りの状況を録音したものをお聞きください。」との穏やかなアナウンスに続いて流れた「音」は、それはすざまじいものなのでした。
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『パキパキ、ミシミシ・・・』という〝きしみ音〟の後『ゴゴゴゴゴ・・・』という〝余震音〟があり、その直後『ガガガガ、バリバリ!!』という、すざまじい破壊音が。
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何というか、東宝映画で、暴れるゴジラが街を破壊する効果音のようなすざまじさでした。
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考えてみれば、広大な諏訪湖が全面結氷し、行き場のなくなった氷がひしめき合いせり上がるのですから、爆発音に似たり、というのはもっともなことでしょう。
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私も生まれて初めて聞いた「御神渡りの轟音」にビックリすると共に、こんな事象の「音」を〝在庫〟している放送局のバリエーションに感心したところです。
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と、同時に、ワタクシ「音のリアリティー」を実感しました。
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もし、これが映像を見ながらの「音」であれば、耳からの情報は目からのそれの〝「ついで」の情報〟なのでしょうが、スピーカー「だけ」から流れる音「だけ」の情報は、視覚情報が無いぶん、何というか「耳に集中」がされ、見えない分の想像力も手伝って、かえってリアルに聞こえる!と実感しました。
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このように「音」や「匂い」など〝「目」以外の情報〟は、ヒトという動物の本能に響くような気がします。
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〝映像垂れ流し〟の昨今の情報化社会ですが、こんな時代だからこそ、五感の基本に立ち返ることも肝要・・・と思いをいたしたひとときでした。
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