花*小紋日記

出張着付師kyoさんの奮闘記

研究は裏切らない。

2020-11-10 12:16:30 | 仕事
11月に突入し、七五三シーズン真っ盛りです
コロナ禍の七五三シーズンですが、感染にヒヤヒヤしながら、今のところ無事に進んでいます
とにかく、健康第一で七五三シーズンが終了することを祈るばかりです


さてさて、着付けのお仕事をしていると色々な場面に遭遇します
1つ1つの困ったことの積み重ねが経験値となって、技術向上につながっていると感じています。

以前、7才お嬢様の「腰上げ」をしているお着物をそのまま着せた時に

「おはしょりが長くてエプロンみたいだった

との感想がありました
腰上げはそういう作りなので、よほど計算して縫い付けを行わない限りおはしょりが長くなってしまう事が殆どです
解決するには腰上げをほどいて紐で着付け直すしかありません

腰上げをほどいて紐で着付け直すのが一番簡単な方法ではありますが、紐が増える分苦しくなってしまったり、着崩れが起きやすくなってしまうデメリットもあります
有料で縫っている場合や、祖母様が頑張って縫っている場合もあり、なかなかほどきにくい気持ちもありますね。

しかし、腰上げをほどかずにおはしょりを綺麗にする方法がある・・という話を聞いたので昨年のオフシーズンにあえて腰上げした着物を作って研究してみる事に・・・

「腰上げされた着物をほどくことなく、おはしょりを綺麗にする方法

その時のブログです→ https://blog.goo.ne.jp/kyofujisawa/e/a5f4cf4066f61593597dd726b4085770


そして・・・なんと、今シーズンも腰上げ着物に遭遇
研究はしたものの、ほどかないでおはしょりを綺麗にできる100%の自信がなかったので、
お母様にメリットデメリットをご説明をした上で「腰上げをほどかずにおはしょりが長いまま着せる」「腰上げをほどいて紐で着せる」のどちらかを選んでもらうと・・・

「そのまま着せて良いです

との回答をいただきました。
しかし、どうしてもエプロン風おはしょりの仕上がりになるのが納得できない職人気質の私
お母様にご相談した上で「腰上げを残したままおはしょりを綺麗に仕上げる」研究を実践することに・・・

腰上げをした着物は前身頃にタックが入りプリーツ形状となっていて、思った以上に苦戦
研究を思い出しながら、着付けを進めると・・・何とか綺麗なおはしょりに仕上げることが出来ました

「研究は裏切らない 

あの時、腰上げ問題を放置せず、きちんと研究しておいたことが活かされて大満足
お嬢様も苦しくないし、着崩れの心配もなし。せっかく縫ってある腰上げをほどくこともなく仕上がりも良し

気になったことは、面倒からずにきちんと解決しておくことの重要性を感じました
まだまだ、研究しなければいけない事がこれから出てくると思いますが、しっかり解決していきたいと思っています



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素敵なお着物姿がいっぱいです
コメント
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