花*小紋日記

出張着付師kyoさんの奮闘記

丸帯に挑む!

2022-11-18 11:38:20 | 仕事
10月から続いている七五三シーズン
連日のお仕事で、明日の事しか頭に入っていない状況となっております
七五三当日の11/15は過ぎましたが、12月までまだまだお仕事が続きます
疲れもたまりつつありますが、睡眠と食事で乗り越えたいと思っています

さてさて、お仕事の数か月前にお客様と必ずお電話で細かいお打ち合わせをさせていただいております
お打ち合わせではお着物の状況についても確認させていただくのですが、あるお客様から

「子供の帯が丸帯で、結ぶのが大変かもしれません

というお話がありました。

 丸帯とは・・・

幅広く織った帯地を二つに折って、芯を入れて仕立てた帯。
片側は縫い目が無く輪になっていて、表も裏も同じ織りになっています。
金襴・錦織・唐織等で織られた通し柄で、裏も表も帯全体に柄があり、とても豪華で重厚な礼装用の帯です。

戦前までは第一礼装として使われていたそうですが、重くて扱いづらいことから昭和初期に考案された袋帯にとって代わられてしまいました。
現在では、花嫁様の衣装、舞子さん、芸子さんなどの世界でしかお見掛けすることがなくなっています。
現在主流の「袋帯」は裏表2枚を重ねて縫い合わせてあり、裏側は織りがない軽い物が多いことから扱いやすく結びやすいのが特徴です。


扱いずらくいて、すたれてしまった丸帯・・・・
この帯は、まさに「着付け師泣かせの帯」

袋帯二本分の重みと分厚さなので・・・

 硬い
 重い
 分厚い

ということは・・・

 結べない
 締まらない
 折れない

それは、それは大変で、着付けた後は汗だく
丸帯の時は、

着付けに挑む

という気持ちでお支度に入ります


事前に丸帯と伺っていたお客様宅で、帯を確認すると思ったより厚みがなく一安心
確かに袋帯よりは硬くて厚みはあったものの、なんとか無事にお着付けが終了しました

そして、その日の2件目。

ご自宅にご訪問して、お着物を拝見すると・・・・

またまた丸帯ではないですか

まさかの2件連続の丸帯
それも1件目より、さらに刺繡が多く、厚みも重みもある豪華さ

結ぶというより格闘するといった感じでした
2件目も大汗をかきながら、無事に終了~

着付け側も大変ですが、お嬢様も本当によく頑張ってくださいました
重い上、着付けに時間もかかるし、足を踏ん張る時間も長い

頑張ってくれた二人のお嬢様に感謝です




七五三シーズンはまだまだ続きますが、丸帯でないことを密かに願っております




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素敵なお着物姿がいっぱいです









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