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( 「その2」から続く )
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下に掲げたのは、以前にも、拙ブログで何度かご紹介したことのある、
定年を機に、島根県の智頭町という「山間の地」(著者)から
縁もゆかりもない京都に移住してきた
寺谷篤志さんという方の京都移住体験記( →「コチラ」 )。
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定年後、京都で始めた第二の人生――小さな事起こしのすすめ | |
クリエーター情報なし | |
岩波書店 |
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寺谷さんは、この本の中で
京都での暮らしが、ワクワクの連続で、
まるで毎日が「十五少年漂流記」のようだ、
と書いておられるが、
京都に移住して三年半たった私もまったく同じ思いでいる。
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毎日が「十五少年漂流記」のよう、、、、というのは、
もちろん、毎日新しい発見があるとか、
毎日が新鮮な驚きの連続、、、、とかという意味だが、
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「京都での暮らし」の何をもって
毎日が「十五少年漂流記」のよう、、、、
と感じるのかは、人それぞれで
たとえば、同じ京都好きでも、寺谷さんと私とでは当然違う。
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寺谷さんが「毎日が十五少年漂流記のよう、、、」と感じられている
京都暮しの詳細については、
寺谷さんのご著書をお読みいただくとして、
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私の場合には、京都という街全体が、
巨大な読書空間を形成している、、、、、
という点が大きい。
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具体的には、河原町の丸善書店や四条のジュンク堂書店、
烏丸通りの大垣書店といった(東京のそれとそん色のない)大規模書店や、
街のあちらこちらにある古書店、
それらで買った本を持ち込んですぐに読み始めることのできる無数のカフェ、
公共の図書館や大学の図書館、
気候のいい季節には、読書に最適の鴨川べりや寺社の境内等々、、、、
街のいたるところに読書に誘う仕掛けが存在する。
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そして、これら数々の装置から成る京都という巨大な知の空間で、
西洋の哲学、禅や密教などの仏教思想、ヨガなどのインド哲学、
老荘思想や気功などの中国哲学、民俗学等々の人文系の書物、
量子力学や相対性理論などの物理学、
岡潔さんの数学世界、伊藤清さんの確率世界などの自然科学系の書物、
そのほとんどが京都が舞台の歴史学や歴史小説などなど
気の赴くままに読み漁っていると、
それこそ、毎日、「十五少年漂流記」のような興奮、、、、
を感じ続けることができるのだ。
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(追記)
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冒頭に掲げたのは、河原町通りにある
丸善書店の入っている BAL の建物。
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丸善書店の、テーマごとに整然と並んでいる書棚の森にひとたび迷いこむと、
つい時間のたつのも忘れるほどで、
今では私の京都での最高のお気に入りスポットの1つとなっている。
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夜9時まで営業しているので、
夕食のあとの夜散歩にもちょうどいい( → 拙宅から徒歩で片道15分ほど )。
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河原町界隈では、夜遅くまで営業しているカフェも多いので、
丸善で閉店間際にあわてて買った本に読みふける場所にも事欠かない。
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(続く)
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