老後は京都で !

京都の町中(堺町六角)と東京(青山)を気ままに行き来する二地域居住を実践中。 

水野和夫さんの、「次なる100年 ~ 歴史の危機から学ぶこと」

2022年06月25日 | 投資 &  国際情勢

( Audible版あり )

( kindle版あり )

「 近代はどう終わるのか、

「第2の中世」は到来するか

圧倒的なスケールで説く、

水野「文明史観」の決定版!

【内容紹介】

13世紀以降の社会は

「数字(利益)は嘘をつかない」

という前提の上に成り立っている。

「神は嘘をつかない」

という前提で成り立っていた

中世キリスト教社会が崩壊していったのは

「神が嘘をついた」からであって、

人々は来世の天国よりも

現世の暮らし向きが年々よくなっていく

資本を信じるようになった。

そこで、13世紀に教会は利子を認め

信者を引き留めた。

ところが、21世紀になって、

「数字は嘘をつかない」

という前提が揺らいでいる。

現在は13世紀の身分社会以上に

所得の不平等が広がっている。(略)

「21世紀の社会はいかなる方向に向かうか」

であるが、社会の在り方は

中心概念になにを据えるかで決まってくる。

社会の仕組みの中心概念は、

21世紀においては

もはやコイン(硬貨)ではない。

イコン(聖像)が嘘をついたので、

嘘をつかない数字を人々は信じるようになったが、

そのコイン(資本)が

嘘をつくようになったからである。

所有権の概念や株式会社制度を見直し、

ケインズのいう

「明日のことなど心配しなくてもいい社会」

を構築する必要がある。

ゼロ金利社会になって、

ようやく日本人は働け、働けという

強迫観念から解放され、

人間の本質について考える時間を手に入れた。

瞑想しても人間の本質はわからないので、

「古典」あるいは芸術を学ぶ必要がある。

ゼロ金利とは現在と将来の時差がなくなって、

現在も将来も同じ価値となったことを意味する。

将来もっとよくなるのではなく現在が最高なのである。

すなわち、「より遠く」の将来ではなく

「より近く」の現在に高い価値が与えられる。

「資本の時代」が終わり「芸術の時代」が到来する。

「より近く、よりゆっくり、より寛容に」

が新たな行動原理となる社会が到来するであろう。

(本書「はじめに」より要約抜粋)

【主な内容】
はじめに

序 章 「長い16世紀」と「長い21世紀」

──「常態」と「例外」の転倒

第1章 ゼロ金利と「蒐集」

──「西欧史」とは「蒐集」の歴史である

1:蒐集(コレクション)の歴史の終わりを意味するゼロ金利
2:崩壊寸前の近代「非公式」帝国・米国
3:21世紀の「歴史の危機」

第2章 グローバリゼーションと帝国

──グローバリゼーションは資本帝国建設のためのイデオロギーである

1:近代を招き入れた中世のグローバリゼーション
2:ポスト近代を招来させる21世紀のグローバリゼーション
3:帝国の時代における支配と被支配の関係──債権と債務

第3章 利子と資本

──数字(利益)が?をつくと近代秩序は維持できない

1:いかにして「中心」に利潤を蒐めるのか──進歩がつくりあげたマモン
2:一体いつまで「不正なものは公平である」と偽り続けるのか──ROEvs.地代
3:消費か投資かどちらを重視すべきか──いまを楽しむかvs.将来に備えるか

終章 「次なる100年」はどこに向かうのか?

──資本の時代から芸術の時代へ

おわりに
参考文献
事項用語一覧
人名用語一覧              」(内容)

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