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放射能で首都圏消滅―誰も知らない震災対策 価格:¥ 1,260(税込) 発売日:2006-04 |
なんとも衝撃的なタイトルの本だ。
静岡県にある浜岡原発の直下には、ユーラシア・プレートの下に、フィリピン海プレートがもぐり込む、境界面があり、東海地震が起こると、浜岡原発は相当高い確率で、原子力事故を起こしかねず、その場合、首都圏は放射能汚染で、向こう何十年も人が住めない土地になる、というのだ。
本書は、「食品と暮らしの安全基金」というグループと、衆議院議員の公設秘書の経験もあり、「原発震災を防ぐ全国署名連絡会」の事務局長をされている、古長谷稔という方の共著で、内容はきわめてマジメな本。
地図で見ると、浜岡原発は首都圏と近畿圏のほぼ中間(やや首都圏寄り)にあるのに、なぜ「首都圏消滅」か、というと、日本列島では、通常、風が西から東に吹いているためで、たとえば、富士山の噴火で関東ローム層ができたようなことが、放射能で起こるのだという。
本書は、単に、浜岡原発のリスクを煽るだけでなく、いったん原発事故が起こった場合に、その被害を最小に抑える、個々人ベースの対処法についても書かれている。
この本は、アマゾン画面で、「なかみ検索」が可能だから、詳細はそちらで確認いただくとして、最近発生したマンションの耐震偽装にしろ、年金記録洩れの問題にしろ、中央官庁の役人の仕事振りを見ると、原子力行政だけは完璧のハズ、と考えることは、残念ながら、到底できそうもない。
だから、常日頃、この種の本を読んで、自衛策を講じておくしかない。
ちなみに、日本と同じ、地震大国のイタリア(火山の噴火で一夜で消滅したポンペイがある)は、そもそも原発をつくらないことを国是としている、という。