さて、レンズの中の方の玉に曇りのある、SIGMA 70-210mm F2.8のレンズ。検索を掛けると3件ぐらい分解写真が有るが、分解の仕方について詳しく書かれていたのは、1件だけで、それも後ろ玉からアクセスできる部分のみの分解で終わっている。
取り敢えず、途中まででも上手く曇りが取れるかもしれないので、これを参考に分解してみた。

今回参考にしたのは、こちらの安曇野 Wasabiさんのブログ。AF/絞り不良で、後ろ半分だけ分解された記事でした。(安曇野 Wasabiさんありがとうございます。)
ちなみにこのレンズ、デジタル非対応とかで、絞りをカメラ側から制御できないらしい。マニュアル用の絞りつまみもついて無いので、そのままだと解放でしか使えないらしい。使える様にするには、改造モジュールを追加するとの事。
まあ、ほとんど開放でしか使わないからいいのだが、そのうち見かけたら、手に入れて改造してみようかな。
さて、前置きはこれ位にして、後ろからバラしてみる。

先ずは、リアのマウント部のネジを外す。

コネクタ部の横にもネジが有るので忘れずに外す。
これで黒いスペーサと、リアマウント部が外れた。

次は、一番後ろのスリーブを停めているネジを外す。

これで後ろのスリーブが外れる。

スリーブのマウント側の所には、0.4mm厚のシムが2枚入っていた。ピント調節用らしい。
これは、丁度良い!!あとで組む時に1~2枚外して組めば、無限遠が出るかな?
スリーブの内側には、基板と、絞り、AFの駆動部分が見える。
下のギアが、絞り駆動部、右の部分がAF駆動部。

後ろ玉ユニットを固定しているネジ3本を外す。

次に3本のリードと、フレキのはんだ付けを外す。

AF駆動軸のEリングを外す。
Eリング下のギアを無くさない様に外してから、

配線を逃がしながら後ろ玉ユニットを取り出す。

後ろ玉ユニットを見ると曇りが見える。

中玉ユニットの方にも曇りが見える。2か所以上曇っているんだな。こりゃ大変だ。
取り敢えず、後ろ玉ユニットをばらすことにする。

後ろ玉ユニットの後部からカニ目レンチで抑えリングを外す。
一番後ろのレンズと、スペーサーを挟んで、2枚目のレンズが外れた。
同様に、前側のカニ目リングも外す。

こちらも2枚のレンズが外れてきた。写真の左手前が後ろの2枚目、右手前が前の2枚目、真中が前の1枚目、後ろの一枚目は、右奥の方の奴。
なんだか向きを忘れてしまいそうになるが、上手い具合に、WEBでこのレンズのレンズ構成を見つけてきた。

後ろ玉ユニットは、6枚構成だ。向きもこれなら間違えないで済みそうだ。

この段階で、レンズを拭いてみるが、曇りは取れない。なんとさらに内側が曇っているようだ。
しょうが無いので、さらに分解を進めてみる。

後ろ玉ユニットの前側の部分、黒い抑えリングに穴が2か所開いているので、カニ目レンチで、外してみる。

リングを外した所。奥にあるのは、絞り機構の様だな、、、ちょっと嫌な予感もするが、止めネジを3か所外す。

後ろの板を取ろうとすると、嫌な予感的中!絞りがバラけながら外れた!
ばらけた羽を数えると、9枚必要なのに、8枚しかない!やばいぞ、これは!
辺りを探し回るが、なかなか見つからない!
やっとの事で、椅子の座面と、ひじ掛けの隙間に潜り込んでいた9枚目の羽を発見。
良かった!元通りに組める。

羽は半分ぐらいの枚数は元通りの位置に残っていたので、それを見ながら、ばらけた羽を正しい位置に並べておく。
ここまでバラしたが、残りのレンズ2枚の前には、もうカニ目で外せそうなリングが無い。

外筒はアルミ鋳造から削り出した一体の物で分解できそうな所もない見たい。
う~ん、後ろ玉の曇りまで、あと一息なのに届かない!
たぶん吸盤オープナーの類で外すんだろうな~、、、
取り敢えず、吸盤オープナーか、適当なゴム筒が無いとバラせそうも無いので、後ろ玉ユニットは一旦ここで諦めて組戻す。

絞りの羽は、結局ひっくり返すので、もう一度一枚づつ組み付け直し。

絞りを組み付けて少し動かしてみた所。無事に正しく組み付いたようだ。

前後各2枚づつのレンズも向きを間違えずに組み付けておく。
続いて前の方に移る。

曇りは、中玉ユニットの最後尾のレンズの内側(前側)についているようだ。

ズーム環のゴムラバーを外す。

ズームリングについてるブラシをネジ2本で外す。

ズーム環の前側についているカムローラーのネジを外す。

ネジに3個位プラ部品が付いてるので、無くさない様に一緒に外す。

前側のカムローラーが外れると、ズーム環が自由に回るので、回して、後ろ側のカムローラーが見える位置にして、カムローラーを3か所外す。
ここはネジロックで固まっているのかも?ものすごいトルクで回さないと外れなかった。

おかげで一個なめてしまった。溶剤を使うべきだったか、、、、
ちなみに、ズーム環を分解する必要が無ければ、ここは外さなくても大丈夫だった。
、、、、無駄骨(汗)。

ズーム環を止めているネジ4本を外す。

ズーム環を外す。

安曇野 Wasabiさんのブログによると後ろからバラせるのはここまでらしい。
曇りは、最後列のレンズの前側にある。これ又、もう一息なのに、、、、
吸盤オープナーで外せないかな?でも今は無いので駄目だが、、、、

レンズを前側から見てみるが、こちらもカニ目の類で外せるものは無し。前からの分解は吸盤オープナーか、適当なゴム材が必要みたいだ。
と言う事で、現時点の手持ちの工具では、ここまで。レンズの曇りまでもう一息だったのだが、残念ながら、どちらの曇りも清掃することが出来なかった。
まあ、道具が足りてないので、全部はばらせないとは思っていたが、ばらせる所までで、なんとか曇りが取れない物かと挑戦したが、今回は残念賞だった。

と言う事で、後ろのシムを1枚とゴムラバーを残して、一旦、元通り組み付け。
ちょうど日が暮れたので、満月近くのお月様で無限遠の確認。
シム1枚外しで、HEUIB-2 FFを付けた状態で、70~210mm全域で無限遠が出た。
17-50mmもこの手が使えるかな?
取り敢えず、吸盤オープナーを発注して、続きは、また今度と言った所である。
ちなみに、吸盤オープナーの最大外形は62mmで前玉レンズは、フィルター径82mm。レンズの開口部は70mm以上あるけど大丈夫かな?
レンズ外周のリングまでゴムが届かないんだけど???
2016.5.21(5/24)
SIGMA 70-210mm F2.8 分解・清掃①
SIGMA 70-210mm F2.8 分解・清掃②
取り敢えず、途中まででも上手く曇りが取れるかもしれないので、これを参考に分解してみた。

今回参考にしたのは、こちらの安曇野 Wasabiさんのブログ。AF/絞り不良で、後ろ半分だけ分解された記事でした。(安曇野 Wasabiさんありがとうございます。)
ちなみにこのレンズ、デジタル非対応とかで、絞りをカメラ側から制御できないらしい。マニュアル用の絞りつまみもついて無いので、そのままだと解放でしか使えないらしい。使える様にするには、改造モジュールを追加するとの事。
まあ、ほとんど開放でしか使わないからいいのだが、そのうち見かけたら、手に入れて改造してみようかな。
さて、前置きはこれ位にして、後ろからバラしてみる。

先ずは、リアのマウント部のネジを外す。

コネクタ部の横にもネジが有るので忘れずに外す。
これで黒いスペーサと、リアマウント部が外れた。

次は、一番後ろのスリーブを停めているネジを外す。

これで後ろのスリーブが外れる。

スリーブのマウント側の所には、0.4mm厚のシムが2枚入っていた。ピント調節用らしい。
これは、丁度良い!!あとで組む時に1~2枚外して組めば、無限遠が出るかな?
スリーブの内側には、基板と、絞り、AFの駆動部分が見える。
下のギアが、絞り駆動部、右の部分がAF駆動部。

後ろ玉ユニットを固定しているネジ3本を外す。

次に3本のリードと、フレキのはんだ付けを外す。

AF駆動軸のEリングを外す。
Eリング下のギアを無くさない様に外してから、

配線を逃がしながら後ろ玉ユニットを取り出す。

後ろ玉ユニットを見ると曇りが見える。

中玉ユニットの方にも曇りが見える。2か所以上曇っているんだな。こりゃ大変だ。
取り敢えず、後ろ玉ユニットをばらすことにする。

後ろ玉ユニットの後部からカニ目レンチで抑えリングを外す。
一番後ろのレンズと、スペーサーを挟んで、2枚目のレンズが外れた。
同様に、前側のカニ目リングも外す。

こちらも2枚のレンズが外れてきた。写真の左手前が後ろの2枚目、右手前が前の2枚目、真中が前の1枚目、後ろの一枚目は、右奥の方の奴。
なんだか向きを忘れてしまいそうになるが、上手い具合に、WEBでこのレンズのレンズ構成を見つけてきた。

後ろ玉ユニットは、6枚構成だ。向きもこれなら間違えないで済みそうだ。

この段階で、レンズを拭いてみるが、曇りは取れない。なんとさらに内側が曇っているようだ。
しょうが無いので、さらに分解を進めてみる。

後ろ玉ユニットの前側の部分、黒い抑えリングに穴が2か所開いているので、カニ目レンチで、外してみる。

リングを外した所。奥にあるのは、絞り機構の様だな、、、ちょっと嫌な予感もするが、止めネジを3か所外す。

後ろの板を取ろうとすると、嫌な予感的中!絞りがバラけながら外れた!
ばらけた羽を数えると、9枚必要なのに、8枚しかない!やばいぞ、これは!
辺りを探し回るが、なかなか見つからない!
やっとの事で、椅子の座面と、ひじ掛けの隙間に潜り込んでいた9枚目の羽を発見。
良かった!元通りに組める。

羽は半分ぐらいの枚数は元通りの位置に残っていたので、それを見ながら、ばらけた羽を正しい位置に並べておく。
ここまでバラしたが、残りのレンズ2枚の前には、もうカニ目で外せそうなリングが無い。

外筒はアルミ鋳造から削り出した一体の物で分解できそうな所もない見たい。
う~ん、後ろ玉の曇りまで、あと一息なのに届かない!
たぶん吸盤オープナーの類で外すんだろうな~、、、
取り敢えず、吸盤オープナーか、適当なゴム筒が無いとバラせそうも無いので、後ろ玉ユニットは一旦ここで諦めて組戻す。

絞りの羽は、結局ひっくり返すので、もう一度一枚づつ組み付け直し。

絞りを組み付けて少し動かしてみた所。無事に正しく組み付いたようだ。

前後各2枚づつのレンズも向きを間違えずに組み付けておく。
続いて前の方に移る。

曇りは、中玉ユニットの最後尾のレンズの内側(前側)についているようだ。

ズーム環のゴムラバーを外す。

ズームリングについてるブラシをネジ2本で外す。

ズーム環の前側についているカムローラーのネジを外す。

ネジに3個位プラ部品が付いてるので、無くさない様に一緒に外す。

前側のカムローラーが外れると、ズーム環が自由に回るので、回して、後ろ側のカムローラーが見える位置にして、カムローラーを3か所外す。
ここはネジロックで固まっているのかも?ものすごいトルクで回さないと外れなかった。

おかげで一個なめてしまった。溶剤を使うべきだったか、、、、
ちなみに、ズーム環を分解する必要が無ければ、ここは外さなくても大丈夫だった。
、、、、無駄骨(汗)。

ズーム環を止めているネジ4本を外す。

ズーム環を外す。

安曇野 Wasabiさんのブログによると後ろからバラせるのはここまでらしい。
曇りは、最後列のレンズの前側にある。これ又、もう一息なのに、、、、
吸盤オープナーで外せないかな?でも今は無いので駄目だが、、、、

レンズを前側から見てみるが、こちらもカニ目の類で外せるものは無し。前からの分解は吸盤オープナーか、適当なゴム材が必要みたいだ。
と言う事で、現時点の手持ちの工具では、ここまで。レンズの曇りまでもう一息だったのだが、残念ながら、どちらの曇りも清掃することが出来なかった。
まあ、道具が足りてないので、全部はばらせないとは思っていたが、ばらせる所までで、なんとか曇りが取れない物かと挑戦したが、今回は残念賞だった。

と言う事で、後ろのシムを1枚とゴムラバーを残して、一旦、元通り組み付け。
ちょうど日が暮れたので、満月近くのお月様で無限遠の確認。
シム1枚外しで、HEUIB-2 FFを付けた状態で、70~210mm全域で無限遠が出た。
17-50mmもこの手が使えるかな?
取り敢えず、吸盤オープナーを発注して、続きは、また今度と言った所である。
ちなみに、吸盤オープナーの最大外形は62mmで前玉レンズは、フィルター径82mm。レンズの開口部は70mm以上あるけど大丈夫かな?
レンズ外周のリングまでゴムが届かないんだけど???
2016.5.21(5/24)
SIGMA 70-210mm F2.8 分解・清掃①
SIGMA 70-210mm F2.8 分解・清掃②
いやいや、コウイチさんの技術なら、十分分解組み立てできるでしょう。私も、先人の分解手順を参考にさせて貰いましたが、自分で最初からだと、外す場所の順番やら、ねじの特定やらでかなり苦労したと思います。
吸盤オープナーは手配したんですが、手配品はゴムの最大外形が63mmなので、前玉外せるのかな?とちょっと心配しています。駄目なら、Monotarouで80mmのゴムクッションを手配して加工して使うのかなと思ったりしています、、、、
絞り羽のトコロなんか、バラせても戻す自信がありませんf^^;
話は変わりますが、分解写真を見ていてAFレンズが寸胴な理由が分かりました。
あんなに色々と入ってるんですね。
MFの頃は外寸ギリギリまでレンズだった気がするのでf^^;
今更ですが、マウントコンバータでMFレンズを探した方が幸せかもしれませんよ。
FDだと補正レンズが必要なので、ニッコールあたりでいかがでしょ(笑)
しかし曇り玉に届かなかったのは残念。
早く吸盤オープナーが来ると良いですね。
私も以前、古いMFのジャンクレンズを、興味本位でバラしてみたことがありますが、結局分解だけして、組み立て出来ずに放置してあります。(^^;
http://snap.nophotonolife.com/?p=1814
その時は↑こんなので回してみましたが、意外とちゃんと回せました。
なお詳細は忘れてしまいましたが、その時に電球のソケット側のゴム部品を流用して、吸盤オープナーを自作している記事も読んだ覚えがあります。
無事に修理が完了して、実戦投入出来るようになったら良いですね。(^^
絞り羽の所は、ちょっと慌てましたが、無事に部品が見つかってよかったです。でも無くなっていたら、面倒だからそのまま全部外して、常時F2.8解放レンズにしようかと思ってました。
今のレンズは、AFも絞りも色々とモーターとギアやエンコーダを組み合わせて、カメラからの信号を処理して動かしてますから、かなり色々な部品が入っていますね。昔のレンズのシンプルで重厚な動きが懐かしいですね。MF短焦点レンズで充分なのですが、広角側のレンズは、安いくて明るいジャンクはあまり出回ってない感じですね。でも200mmなら少しは有るかもしれませんね。とりあえず曇り取に失敗して壊してしまったら考えてみます。
色々と回すものは、みなさん工夫されていますね。今日見つけたのは、薄い1-2mmのゴムシートをかぶせて、ぷっちんプリンのケースで上から押さえて回すなんてのも見ました。径が合って、柔軟性が有れば、なんでも回せるんですね。それこそ、カッターか先細やすりで、押さえリングにカニ目用の切込みを削り込むなんて荒技も有りそうですね。今回はばらしませんでしたが、回転して前後する部分をばらす時は要注意ですね。合わせマーク必須でないと再組立ては難しいですね。
情報が少ないレンズなので興味深いです。
吸盤オープナーも82mmまでそろっていればよいのですが、
僕のも62mmまでなんですよ・・・しかも、なかなかぴったりはまるサイズが無いんです。
でも便利な時もあるので持っていて損はないかと。
分解と清掃の記事参考にさせて頂いています。吸盤オープナー、既に入手して、試しに前玉に当て回してみたんですが、うちのもレンズだけ回って押さえリングが回りませんでした。なので試しにと80mm径のゴムクッションを手配して、今日届いたのですが、思いの外、硬度が堅いので、レンズ中央の逃げを切り込む加工が大変そうです。これで上手くいくのかちょっと疑問に思っている所でした。でも安曇野wasabiさんの作業で中玉の後端レンズは後ろから外せるみたいですので、せっかく手配したのに出番が無いかも知れません。代わりに中玉のサイズにぴったり合う物を探さないといけないかも知れませんが、、、、