暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

修行

2018年10月28日 | 古民家

 蔵の壁にはいろんな表情があります・・・。

漆喰の白も・・・藁・スサが入っていて、少し変化があるものから・・・

触るとすべすべしていて、少しヒンヤリするキレイなし上がりなど・・・

海鼠壁と言って・・・平らな瓦を張り付けた後に・・・その繋ぎ目を。漆喰で盛り上げて仕上げる独特な表情だったり・・・

今では施工するのも大変な様ですが・・・漆喰に松煙や墨を入れて造る、黒漆喰壁仕上など・・・。

伝統的な技術が継承される機会が少なくなったのと・・・使用頻度も減って・・・

使われなくなれば・・・当然、材料を造る業者も無くなってきます・・・。

需要と供給のバランス・・・経済状況が変化すると、今まで必要だったものが少しずつ淘汰されて行きます・・・。

それが時代の流れですが・・・老舗と言われるお店は・・・

歴代当主の工夫や時代に合わせた判断で、今でも老舗と言われ活躍しています・・・。

日本の得意分野・・・特徴・・・日本らしさ・・・とは一体なんでしょう・・・?

困難を乗り越え・・・努力する・・・モノ造りに対する情熱・・・不屈の精神・・・・

なんとなく、薄れ行く精神論的な考えで・・・今では時代錯誤な気もしますが・・・

その考え方・・・その精神・・・団結力で積み上げてきたから、今があるように思います・・・。

毎年、少なからず・・・若者が職人を目指して、狭き門を叩き入ってきます・・・・

その中には、女性も少しづつ見かけるようになりました・・・

男の世界と言われる業種に、女性が進出して・・・違和感を覚える親方衆もいます・・・。

マイペースな若者に、戸惑う親方もいます・・・。

両方が切磋琢磨しながら、お互いが成長しあう形になっているようにも思いますが・・・

人が育つと言うのは時間が掛かり・・・努力しないとその成果は現れず・・・

その成果が出るにも・・・5年・・・10年と・・・すぐに現れるようなものではありません・・・。

頭で覚えるのではなく・・・体が反応する・・・そんな教えは、今の時代に合わなくなっているのでしょうか・・・?

AIが、社会を席巻するような流れの中・・・仕事が終わった後に・・・鉋の刃を研ぐ若者・・・

納得できるまでの仕上がりは・・・1年・・2年の修行では出来ません・・・10年経っても出来ないかもしれません・・・。

住まいは引渡しが出来て完成なのですが・・・その後の暮らしに終わりはありません・・・

いずれ・・・家主が変わり住み継がれて・・・新たな暮らしが始まります・・・。

終わりの無い修行を辛いと思うか・・・新しい出会いや発見があるとおもしろく思えるか・・・。

終わりの無い暮らし方も、そんな風に考えられて・・・それを受け止められる住まい造りが出来ればと想います。

 

 

 

 

 

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