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名所江戸百景040 第64景 堀切の花菖蒲 堀切菖蒲園

2013-05-29 07:55:27 | 名所江戸百景
こんにちわ、「くまドン」です。

 今回は、堀切菖蒲園(ほりきりしょうぶえん)の花菖蒲(ハナショウブ)を見に行った時の話です。

 昨年の2012年6月9日に堀切菖蒲園で撮影した写真です。今年も、花菖蒲の季節がきました。

【開花情報】
 平成25年5月27日現在の開花状況は、葛飾(かつしか)観光サイトによると「二分咲き」とのことです、
 例年の見頃は、6/10頃です。今年は、一番花が例年より5日早く5月20日に1番花が開花していますので、例年より早まりそうです。

【堀切菖蒲園】
 開園時間は、6/1(土)~6/25(火)の間は、8:00~18:00 (年末・年始のみ休)、無料
 花の種類・数 :約200種、6,000株)
 荒川河川敷にある、堀切水辺公園にも菖蒲田があります。併せて、ご覧ください。

【堀切かつしか菖蒲まつり】 開催期間:6/1(土)~6/25(火)
(1)6/2(日) :オープニングセレモニー、関東やまと太鼓や琴の演奏など
(2)6/9(日) :菖蒲パレードなど
(3)6/16(日):音楽隊演奏など
(4)6/21(金)、22(土) :菖蒲園ライトアップ(18:30~20:30)
 その他の土日にも多数のイベントあり。
 詳細は、インターネットのgoogleなどで、「葛飾菖蒲まつり2013」の検索お願いします。

【水元公園】
 開園時間の時間制限はなし(自由)、無料
 花の種類・数 :約100種、14,000株)

【小岩菖蒲園】
 小岩菖蒲園まつり :6/2(日)~6/23(日)、無料
 花の種類・数 :100種50,000本のハナショウブ、 アジサイやフジバカマ、ミゾコウジュ

【撮影のお得情報】
(1)かつしか菖蒲めぐり周遊バス (大人210円、こども110円)
   運行期間  :菖蒲まつり期間中の土・日(6月2日・8日・9日・15日・16日・22日・23日)
   周遊コース :「堀切菖蒲園」→ 「しばられ地蔵(都立水元公園)」→ 「金町駅(降車のみ)」 
            → 「柴又帝釈天」→ 「堀切菖蒲園」
   京成バスのICカード都内1日乗車券(大人500円、こども250円)でも乗車可能。(パスモ・スイカが必要)

(2) 「下町日和きっぷ」 (500円)
  京成線都内エリアが1日乗り降り自由。
  エリア内の駅: 江戸川(小岩菖蒲園)、柴又、金町(バスで水元公園へ)、町屋、日暮里、上野
  京成押上駅にはスカイツリーもあります。


 下の絵は、広重の名所江戸百景「第64景 堀切の花菖蒲」です。

 手前に大きく対象物を近景として置くのは、広重の江戸百景の特徴で、江戸時代の他の風景画と異なる点です。
 この絵は、その典型で、手前に大きく花菖蒲を置き、その後ろに菖蒲の咲く堀切の郷の田園風景を遠近感をつけて描いています。
 花も同じ色のものは無く、多様な品種が咲き乱れたいたことを感じさせてくれます。


 家から堀切菖蒲園まで、直線距離で数km程ですので、自転車で40分程度なのですが、当日は雨なので、電車で行くことにしました。
 東京下町の電車は、東西方向に走っている電車が多く、南北方向の移動は、回り込むように移動する為、時間がかかります。

 「くまドン」は、亀戸駅から東武亀戸線(とうぶかめいどせん)の電車に久々に乗りました。
 亀戸駅から曳舟駅(ひきふねえき)まで行き、そこから、東武伊勢崎線(いせざきせん)、京成(けいせい)本線と乗り継いで、やっと堀切菖蒲園駅に到着しました。

 駅から堀切菖蒲園まで、歩いて10分程度ですが、表通りでは無く、近道の裏通りを歩いて行くと、途中に堀切天祖神社などがありましたので、ついでに何枚か撮影しました。
 菖蒲七福神(しょうぶしちふくじん)だそうです。(元々はここに弁天社があったそうです。)


 神社の裏手には、堀切十二支神です。擬人化しています。
 大きくする為、トリミング(画面の切り取り)をしたので、7体しか見えませんが、12体ありますよ。(念のため)

 しかし、子供の頃、TVで見た特撮ヒーロー番組を思い出してしまったのは、「くまドン」だけでしょうか・・・・・?
 平成になってからの製作らしいのですが、100年後になると、その時代の人達は、この石像をどのように評価しているのでしょうか・・・・・・???
 (現在に置き換えると、100年前の大正時代に作られた物を評価しているようなものです。)

 家から1時間以上かかって、やっと、堀切菖蒲園にたどりつきました。何故か、かなり遠くへ行った気分です。
 まずは、公園の奥にある小高い築山(つきやま)で全体を俯瞰(ふかん、上から下を見渡す)します。

 「堀切菖蒲園」は元の「堀切園」を改称したものです。


【花菖蒲】
 花菖蒲の原種である「ノハナショウブ」は、日本古来からの自生種です。
 弥生時代から江戸時代までの日本において、花は農業の季節の指標として、重要な役割を担っていました。
 春は、山に残る残雪の雪形をみて、人々は田植えの時期を知り、
 稲作の田植え後に、雨を待つ昔の人たちは、あぜ道に自生して咲くノハナショウブ(花菖蒲の原種、古代は「あやめ」と呼ばれました)の開花を見て、梅雨の到来を知りました。
 江戸時代は、気象学(科学知識)はありませんし、中世の小氷期(しょうひょうき)と呼ばれる寒冷な気候でしたから、天候不順で凶作になり易かったのです。
 暦(こよみ)だけでなく、山に残る残雪の見え方や、自然の花の開花から、農耕の時期を知ることが、当り前になっていました。

 花菖蒲が、いつ頃から栽培されるようになったのか、はっきりした事はわかりませんが、江戸時代以前には、行われていたようです。
 初期の頃は、原種のノハナショウブか、その変種のようなものだったと考えられています。

 江戸時代前期には、大名が中心となって大名庭園で、花菖蒲の栽培が行われるようになりました。
 この時期に、多くの変種が集められ、交配が進み、数十種類もの色々な品種が作られていきました。
 この時期の品種は、原種のノハナショウブの形を残す花弁が下に垂れる品種しかありませんでした。

 江戸時代後期になると、花弁が垂れず水平に咲く、「平咲き」や、または、やや抱え気味に開く「受け咲き」と呼ばれ
る品種が作り出され、人気が出てくるようになります。

 この花菖蒲の品種系統は、「江戸系」と呼ばれます。
 江戸っ子は、「粋」(いき)を良しとする風潮があり、新しい物好きでしたので、花弁が下に下がらず、真っ直ぐに伸びる最新種の「平咲き」や「受け咲き」が、特に好まれたのは分かるような気がします。

 (先に咲いた花が見ごろの状態で、2番目咲きが、まだツボミ状態で、ハナショウブの撮影にはタイミングの良い時期に行けました。)

 幕末に堀切の花菖蒲園が、大勢の人々でにぎわった頃、花菖蒲は、すでに今日の花とあまり変わらないくらいまでに発達して、多くの品種が作りだされていました。


【堀切菖蒲園】
 堀切は、昔から湿潤な土地として菖蒲の栽培に適していました。

 堀切において、いつごろから花菖蒲の栽培が始まったかは、はっきりしていません。一説には室町時代からとも言われています。
 11代将軍家斉(いえなり)の文化年間に、堀切村の小高伊左衛門という人が、全国各地の花菖蒲を集めて栽培を始め、これが元になって、「小高園」と呼ばれる民営菖蒲園が開園となりました。
 広重が、名所江戸百景を描いた安政年間の頃には、菖蒲園の一帯は、田園風景が広がり、多くの品種の花菖蒲が咲き乱れる名所として賑わっていました。

 江戸末期の最初の菖蒲園である小高園に続き、明治に入ると武蔵園・吉野園・堀切園・観花園などが開園しました。

 明治時代には、堀切の菖蒲園が紹介され、全盛期(明治中期から大正末期まで)を迎えました。
 また、花菖蒲の品種も江戸時代にも増して数多く作られるようになり、時代の風潮や海外への花菖蒲輸出のためか、大輪で豪華な花が好まれ作出されるようになりました。


 しかし、昭和に入ると、堀切の花菖蒲園は衰退し始めます。
 その原因は、関東大震災により、東京の人々が、堀切地区を含む下町に移り住み、人口が増え、
 この地に、工場や住宅などの都市化が急速に進み、田園風景は無くなり、観光客が減少していきました。、
 さらに、川の水質の汚染や花菖蒲特有の連作障害の影響もあり、栽培および園の経営が次第に困難になっていきました。

 大正から昭和10年代の間に、堀切の多くの花菖蒲園は時代の流れの中に消え去ってゆきました。
 そして終戦後ふたたび開業した堀切園も、昭和30年頃には経営困難とまります。
 そこで、昭和34年に東京都が買い取り公開しました。(昭和50年葛飾区に管理移管)
 今日では「葛飾区指定史跡堀切菖蒲園」となっています。


 戦後は肥後系や伊勢系が普及したこともあって、江戸花菖蒲もそれらとの交配が進み、穏やかに垂れる花形が主流になり今日に至っています。
 現代でも、毎年のように新しい品種は、作られ続けています。
 そして、古い品種の保存も同時に行われていて、江戸の気分を今に伝える受け咲きの花菖蒲は、明治神宮御苑(めいじじんぐうぎょえん)や堀切菖蒲園などの歴史のある花菖蒲園に、現代も保存されています。


 雨の日の撮影は億劫(おっくう)ですが、花には水滴がついて、しっとりとした雰囲気を出せました。
 わずか1時間の撮影でも、色々と写真が撮りました。
 現代では、菖蒲園の周りは住宅街で、目の前に首都高速が走っていたりします。
 この景は「くまドン」の好みで決めさせていただきます。

 この写真を、広重の名所江戸百景「第64景 堀切の花菖蒲」に対応する「くまドン版」の景(確定)とさせていただきます。

 なお、撮影時間が1時間しかなかったので、写真の品種と文章は一致しておりませんので、ご注意ください。

 花菖蒲の撮影は、低いアングルから撮影することが多い為、「くまドン」の体は傘からはみ出てしまい、背中は小雨にぬれて湿っていました。雨の日に撮影される方は、傘と雨ガッパの併用をお忘れなく。お風邪などに、ご注意ください。

 この時の撮影日は、昨年の2012年6月9日ですが、この日、天気予報で、気象庁は関東地方の梅雨(つゆ)入りを宣言しました。
 堀切菖蒲園への道道沿いに植えられていたアジサイ(紫陽花)は、すでに見頃を迎えていました。


 もうすぐ6月です。今年は、季節が早いので、西日本と東海地方は、早くも梅雨入りしてしまいました。
 関東地方が梅雨入りするのも近いでしょう。
 天候変化により気温変化も大きくなりますので、皆さまも、お体には、お気をつけて、お過ごしください。


 今回は、これで終わりとさせていただきます。読んでいただき、ありがとうございました。

 なんとか、花菖蒲の見頃前にプログを載せることができました。
 6月は、梅雨で撮影に行く日が少なかった事と、「くまドン」は6月に仕事が多くなるので、平日はパソコン開ける日も少なくなります。それでも、週一回程度は、プログを更新できるように努力してみます。

 次回は、前回からの江戸城外濠の続きで、溜池(たまりいけ)になりますが、近くにある日枝神社(ひえじんじゃ)も併せて話に入れる予定です。



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